小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

赤い月

2006-05-24 23:52:28 | 小さな気付き

                       

 

昨日は、文学座の舞台「赤い月」を観てきました。

脚本  なかにし礼

演出  鵜山 仁

主演  平 淑恵

 

「赤い月」を書きたい一心で小説家になったと、なかにし礼さんは言います。

数年前に常盤貴子さん主演で映画化され、彼女の濡れ場が話題になりました。

その映画が納得いくものではなかった彼は、この舞台の台本を自ら書き下ろしたそうです。

 

主人公はなかにし礼さんの実母、森田波子。

戦中戦後を子供のため、自分のために、強靭な意志を持って生き抜いた女性です。

 

満州に大きな夢を抱いて夫とともに渡ります。

波子の初恋の相手、関東軍参謀、大杉の庇護を受けて、造り酒屋として成功し、財をなします。

 

私が一番好きだったシーン。

 

満州で成功し、絶頂期にあったある日、大杉から

「逢いたい」

という手紙をもらう。

夫に逡巡しながらも

「逢いにいっていいか?」

と尋ねる。

大杉が、まだ自分の妻を愛していると知っていながら

「一番いい着物を着ていけ」

と、嫉妬する気持ちをかくして妻を男のもとに行かせる。

「でも12時までには帰ってこいよ」

と一応釘をさす。

浅黄色に牡丹の絵柄の着物に、白っぽい帯をキリリと締めて出かける波子。

(この時の、平淑恵さんは本当に綺麗でした。女の色香が匂いたつ、そんな感じ。)

 

「奥さまは?お子さんは?」

と聞く波子。

「結婚はしていません。今でもあなたを愛しているから」

シンデレラタイムは過ぎてしまいます。

罪悪感を感じながら帰宅した彼女。

夫は、そんな彼女の前で

「もっと、もっと事業を大きくする!!!」

と宣言し、小指を落とし決意の程を彼女に見せつける。

 

その後、ソヴィエト軍の満州侵攻によりすべてをなくし、大杉も戦死、夫も病死します。

その後も彼女は恋をし、必死に生きていきます。

子供達からは、父を裏切った「身勝手な母親」と非難されます。

 

「あなた達は、私の一部。私が死ねばあなた達も死ぬ。だから私は生きなければならない。私が生きるためには、愛が必要!」

 

と波子は子供達に叫ぶのでした。

彼女のエネルギーの源は、男の人を愛する事、愛される事だったのですね。

 

今「国家の品格」がベストセラーになっている数学者の藤原正彦さんの母、「孤高の人」の新田次郎の奥様藤原ていさん。

彼女の書いた「流れる星は生きている」も全編、幼い命を守る強い母親が描かれています。

この本もぜひ読んでみて下さい。

この本の次男があの藤原正彦さんになるんだと思って読むと又、違った見方も出来ます。

 

この休憩をはさんでの3時間の間に3人の男性から

ナミコサン アナタヲ アイシテイマス」

と言われ、それが

タミコサン アナタヲ アイシテイマス」

に聞こえて、そのたびにドキドキした私でした。

 

今日の私の小さな幸せ

 

今日は朗読の勉強会。

「文字を起こして読む」

う~ん、やっぱりむずかしい!

 

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする