原題:『Jumanji : The Next Level』 監督:ジェイク・カスダン 脚本:ジェイク・カスダン/ジェフ・ピンクナー/スコット・ローゼンバーグ 撮影:ギュラ・パドス 出演:ドウェイン・ジョンソン/ジャック・ブラック/ケヴィン・ハート/カレン・ギラン/ニック・ジョナス 2019年/アメリカ
言わずもがなの『アナと雪の女王』(2013年)の続編であるが、主人公のエルサとアナが自分たちの両親の死の真相を追求していき、自分たちが決して「正しい立場」にいるのではないことを知る「挫折の物語」としてとてもよく出来ていると思う。そもそも本人たちが自分たちを行動に駆り立てているものが何なのか分かっていないところにリアルを感じる。 結果的に、物語は人間と精霊の戦いに収斂していくのであるが、これくらいが丁度良いのであり、これを観たならば同じディズニー作品であり続編でもある『マレフィセント2』(ヨアヒム・ローニング監督 2019年)の戦闘シーンは良く撮れてはいても明らかにやりすぎなのである。 個人的にはデイヴィッド・フォスターのプロデュースによるシカゴばりのサウンドを聴かせるクリストフ・ビョルグマン(ジョナサン・グロフ)の独唱「恋の迷い子(Lost in the Woods)」が時代錯誤で面白かった。ここでは和訳し尽くされている「イントゥ・ジ・アンノウン(Into the Unknown)」の代わりに和訳しておきたい。
本作を観ようと思った動機として、そもそもテレビアニメからのファンだったということもさることながら、『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(フィリップ・ラショー監督 2019年)も同時期に日本で公開され、限りなくアニメに近い実写映画と限りなく実写に近いアニメーション映画を比較してみたいと思ったからである。 本作においても、例えば、ストーリーのフォーマットは若きヒロインであるレティシアを添え、『ルパン三世 カリオストロの城』(宮崎駿監督 1979年)を踏まえたものであり、3DCGアニメという特徴以外に新奇さは感じられないが、決して面白くないわけではなく、結局、『シティーハンター』と『ルパン三世』という作品の「格」の違いでなければ、これは個人の好みの問題なのかもしれないという思いに至った。 ところで本作の発端が第二次世界大戦時だとするならば1945年となり、それから十数年後にメインのストーリー展開がなされ、その時赤ん坊だったレティシアがボストン大学に入学しようとしているので17歳くらいだから時代設定は1960年代前半となる。 例えば、冒頭でルパンたちを追いかけるパリ市警のパトカーの中に埼玉県警のパトカーが紛れていることは銭形警部との関係からギャグだと理解できるが、その後、ルパンたちが日清のカップヌードルを食べているシーンがある。しかしカップヌードルは1971年の発売だからここは史実として正確ではないし、ギャグとしてみても弱いのではないだろうか。日清食品がスポンサーとして関わっているのならばもう少し時代設定をずらせばいいだけの話なのである。
原題:『Nicky Larson et le Parfum de Cupidon』 監督:フィリップ・ラショー 脚本:フィリップ・ラショー/ピエール・ラショー/ジュリアン・アルッティ 撮影:ヴァンサン・リシャール 出演:フィリップ・ラショー/エロディ・フォンタン/カメル・ゴンフー/ラファエル・ペルソナ 2019年/フランス