原題:『Greta』
監督:ニール・ジョーダン
脚本:ニール・ジョーダン/レイ・ライト
撮影:シェイマス・マクガーヴェイ
出演:イザベル・ユペール/クロエ・グレース・モレッツ/マイカ・モンロー/コルム・フィオール
2019年/アイルランド・アメリカ
ストーカーに対する警察の認識の甘さについて
当初は去年母親を失った主人公のフランシス・マッカレンと既に娘を失っていたグレタ・ハイデッグが、グレタが電車内に置き忘れたカバンをフランシスがグレタの家に直接届けたことから知り合いお互いの気持ちを分かり合ったのだが、間もなくしてグレタの正体を知ったフランシスがグレタを遠ざけようとするものの、しつこく付きまとうグレタに襲われる様子が描かれている。
ところで本作で問題なのは、フランシスがウェイトレスとして働いていたレストランでグレタが暴れたことにより一度は警察に捕まるのであるが、フランシスに知らせることもなく翌日にグレタは釈放されていることで、明らかにグレタがストーカーであるという危機感が警察にはなく、だからフランシスの父親のクリスは探偵のブライアン・コーディを雇って行方が分からなくなったフランシスを探してもらうことになるのだが、そのブライアンもストーカーであるグレタを舐めていたために自分が持って行った拳銃で銃殺されてしまうのである。ストーリーの時代設定は2017年10月頃で現実にストーカーは深刻な社会問題になっており、フランシスのルームメイトのエリカ・ペンがしっかり者だったから良かったものの、警察といい探偵といいストーカーに対する認識が甘すぎるのである。
ところで主人公のグレタという名前がどのようにして決められたのか勘案するならば、スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥーンベリから来ているような気がする。別に他意はないのだけれど。