原題:『仮面病棟』
監督:木村ひさし
脚本:木村ひさし/知念実希人
撮影:葛西誉仁
出演:坂口健太郎/永野芽郁/内田理央/江口のりこ/朝倉あき/大谷亮平/高嶋政伸
2020年/日本
日本の首相が撃たれない意味について
木村ひさし監督の前作『屍人荘の殺人』(2019年)は推理ものを装ったゾンビ映画という代物でがっかりしたが、本作はしっかりとしたミステリーだった。寧ろ原作を全く知らない方が楽しめると思うので、ここでは詳細は避けるが、クライマックスはとても興味深いものだった。
街頭演説をしている元内閣総理大臣の国平義央が犯人に拳銃で狙われるシーンがある。もしも監督が若松孝二か足立正生ならば間違いなく無惨に銃殺されていたと思うが、昨今の社会の空気を鑑みるならば「余計」なことはしないという判断だったのかもしれない。もちろん監督の。