MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『バビロン』

2023-03-05 00:58:53 | goo映画レビュー

原題:『Babylon』
監督:デイミアン・チャゼル
脚本:デイミアン・チャゼル
撮影:リヌス・サンドグレン
出演:ブラッド・ピット/マーゴット・ロビー/ディエゴ・カルバ/ジーン・スマート/トビー・マグワイア/マックス・ミンゲラ
2022年/アメリカ

21世紀の『ニュー・シネマ・パラダイス』について

 サイレント期からトーキーへ変化していく映画業界の栄枯盛衰が描かれているのだが、こうして見てみると映画草創期において映画が完成するということだけでも貴重なことで、さらにそれが名作となることがどれほど奇跡的なことだったのかということが分かる。以前から感じていたのだが、それほど知名度の無い古典的作品をDVDで観賞した時に、どうしてこんなシーンが挟まっているのだろうかと思うことが多々あって、そういうことだったんだなと得心した次第である。
 活動期間がサイレント期とトーキー期が重なった俳優の内で「声が悪い」ということで仕事を失ってしまった俳優がいることは知っていたのだが、声が悪いということは決してマイナスだけではなくそれが個性にもなりうるということは以前から思っていたことで、それは正確を期するならば、声が悪いということではなく、それまで観客が抱いていた俳優の声と実際の俳優の声が合わなかったことだったということもよく分かった。
 これだけの傑作が興行面においても批評面においても苦戦しているという事実は信じられないものの、意外と「モンティ・パイソン(Monty Python)」的な灰汁の強さが不評なのかもしれないが、本作は間違いなく21世紀の『ニュー・シネマ・パラダイス』(ジュゼッペ・トルナトーレ監督 1988年)であると断言しておきたい。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/gizmodo/trend/gizmodo-265498


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