MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』

2021-10-23 00:58:50 | goo映画レビュー

原題:『Prisoners of the Ghostland』
監督:園子温
脚本:アロン・ヘンドリー/レザ・シクソ・サファイ
撮影: 谷川創平
出演:ニコラス・ケイジ/ソフィア・ブテラ/ビル・モーズリー/ニック・カサヴェテス/TAK∴/中屋柚香
2021年/アメリカ

「思わせぶり」だけが目立つ作品について

 ストーリーが弱いような気がする。例えば、ゴーストランドの住人たちが大きな時計の長針が進まないように縄を結わえて止めている時間は2時50分頃で、これは2011年3月11日の東日本大震災が発生した2時46分を暗示させ、空に舞うキノコ型の雲は福島第一原発事故を想起させるのだが、そうなるとガバナーが支配するサムライタウンにおけるヒーローとサイコの銀行強盗事件とが上手く嚙み合っていないように思うのである。
 たとえストーリーが弱くても映像に詩的な部分が見られれば、それは映画として成功していると思うのだが、銀行にいて射殺された少年が持っていたカラフルなガムボールからヒーローが身に付けさせられるボール状の小型爆弾などのボールのイメージが上手く昇華されているわけでもなく、結果的に本作はクエンティン・タランティーノ作品のバッタ物に見えてしまうし、実際、海外では本作はヴィデオスル―されている。出演者だけは豪華だった『ラスト・ナイツ』(2015年)を撮った紀里谷和明監督のようにならないことを切に願う。


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-96084


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする