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「プライベートバンカー」清武英利

2017年02月11日 09時28分50秒 | 読書(現代事情)


「プライベートバンカー」清武英利

私には縁のない「お金持ち」の世界。
富豪のみを対象としたバンカーたちの世界。
シンガポールを舞台にした税金逃れの実態。
非常に興味深く、面白い。(私には関係ないけど)

P261
2千万シンガポールドル以上の資産を持つ外国人が、その資産の半分以上を5年以上、シンガポールで維持することを条件に永住権を取得できるようになった。相続税もキャピタルゲイン課税もないオフショアに住む権利を、カネで買える時代が到来し、日本人富裕層もなだれ込んだ。

P109
「50億円の生命保険があります。税金で半分持っていかれても、25億は残りますよ」
「そんなうまい話があるの?うちはもう外資系の保険に入っているけど、聞いたことないわ」
「あるんですよ。日本のアリコではできなくても、シンガポールではセットできます。日本の生命保険には金融庁の規制があって、死亡保障の最高額は7億円ですよね。しかも、その保証金を得るためには6億5千万ほどのキャッシュを入れないといけません」
「……」

P173-174
コクソウキン(国送金)について

1回に100万を超す国内金融機関への入金や国外金融機関への送金があった場合、日本の税務署はその金額や入送金者名、目的を金融機関に報告させているのだ。
(知らなかった!…)

【おまけ】
証券マンの非情な世界も描かれている。
ここまでして働きたいと思わない。
読んでいて、収入は「そこそこ」で十分、と思ってしまう。

【ネット上の紹介】
ノルマ100億円。顧客は「本物の金持ち」のみ。私たちは知らない。富裕層をタックスヘイブンの国に誘う「カネの傭兵たち」の正体を。彼らが野村證券やメガバンクで鍛えられた辣腕バンカーであることを。彼らに守られた富裕層の逃税術とその不安を。バンカーが実名で明かす本格ノンフィクション!

[目次]
第1章 ニューマネーの国
第2章 ジャパンデスク
第3章 攻防
第4章 海を渡った日本人富裕層
第5章 国税は見ている
第6章 シンガポール・コネクション
第7章 『太陽がいっぱい』 

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