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新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

ノロウイルス・緊急対策ー続ー

2006-12-23 09:20:49 | 健康・病気

 朝日新聞社説でも

 21日にアップしました、ノロウイルスの件について、次亜塩素酸ナトリウムの扱いで、注意を喚起したいことがあって、補追します。

 次亜塩素酸ナトリウムと、酸性の洗剤などを、併用したり、うっかり混ぜ合わせたりすると、有毒なガスが発生して危険ですので、浴室やトイレの消毒や掃除に気をつけてください。

 とくに塩酸やお酢などの混用で死亡事故も起こっています。

 翌日(22日付)の朝日新聞社説、“ノロウイルス「感染力の強さに警戒を」”をご覧ください。

 ほとんど同様な記事になっていますので、ちょいとビックリしました。


ノロウイルス・緊急対策

2006-12-21 15:52:38 | 健康・病気

 ノロウイルスの性質

 ノロウイルス感染症に関する質問の書き込みがあったので、臨床検査技師として、分かる範囲でお答えします。

年末が、ノロウイルス伝播のピークになることが予想されています。

 ノロウイルスは、経口感染で、感染力が強いのと、二次感染を惹き起こして伝播が拡大します。

 そして、口から腸に達して、小腸で一気に増殖します。

 感染して発症するまでを、潜伏期間といいますが、およそ1日か2日です。

 主な症状は、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、発熱はそれほど高くないようです。

 こんな症状が2日~3日続いて、多くは後遺症もなく治っていきます。

 感染しても発病しない人もいますし、風邪のような症状で済んでしまう人もいます。

 しかし、幼児、高齢者、体力の衰えている人、免疫力の低くなった病人、病気に対する抵抗力のない人などは、重症化する危険があります。

 怖いのは、発病による脱水症状です。単に水分がなくなるだけでなく、代謝に不可欠なナトリウムやカリウムなどの電解質が、嘔吐によって摂取できなくなったり、下痢によって、吸収を阻まれて不足してくることによって、危険な状態になることです。

 「やられた」と思ったら、かかりつけの医師に電話するなり、近くの病院に電話を入れて、できるだけ早く医師の診察を受け、対症療法の、電解質の入った輸液、いわゆる点滴を受けることがいいと思います。

 また、ノロウイルスに有効な抗ウイルス剤などはありません。

 ノロウイルスによる発病かどうかは、遺伝学的な検査法で確める方法はありますが、保険の対象ではなく、自己負担でおよそ1万8千円くらいかかります。

 多くは、検査の結果がでるまでに治ってしまいます。

 感染防止の対策は?

 どこの何から感染するのか? 「牡蠣による食中毒」と教わってきましたが、毎年発生するノロウイルスによる食中毒は、牡蠣が原因と特定されたのは僅か15%くらいで、必ずしも、すべてが牡蠣や二枚貝からの感染ではありません。

 いったん伝播が拡大しますと、その感染ルートは多様化してきます。

 とくに多いのは、人から人への感染です。

 中でも多いのは、発病者が吐いた、いわゆる吐瀉物の処理が不完全で、乾燥した吐瀉物が乾燥して、ウイルスと一緒に舞い上がり、人の口に達することによる感染です。

 なにしろ吐瀉物は、十二指腸などで増殖したウイルスが、嘔吐で胃に入り込み、さらに吐き出されるから、ウイルスは、とてつもなく満載状態になっています。

 赤ちゃんの糞便やオムツの処理も同様、ウイルスの塊り、と思ってもいいほどです。

 これらは、塩素系家庭消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)の原液に15分以上浸して殺菌する必要があります。

 始末するにも、デスポザブルの手袋を使いましょう。使った手袋などは、まとめてビニール袋に入れて、焼却処分など、完全に処分しましょう。

 ドアのノブヤや取っ手などは、50~70%のプロパノールなどが有効とされています。

 生ものを調理した包丁や俎板などは、200倍に希釈した、塩素系家庭消毒液に浸け置きしたり、この液で床を拭いたり、また、糞便などは40倍希釈液に浸けてから始末します。

 生野菜は、流水で注ぎ洗いをし、食品はできるだけ、加熱処理したものをたべるよう気をつけましょう。

 こうして、他への伝播と連鎖を止めることです。 

 ウガイと手洗い励行

 外出から帰宅したら、家族と接触する前に、入念なウガイと、石鹸液などで、少なくとも3分以上は指先、手のひらや甲、手首などをこすり、蛇口の流水で、洗い流すことです。 

  電車のつり革、エスカレーターの手すり、紙幣や硬貨、この時期は、至るところにウイルスが付着していると考えた方がいいです。

 ですから、食事前には必ず、もう一度、手洗いをする習慣をつけましょう。

 このウイルスは消毒用アルコールには強い抵抗力があって、効き目はありません。

 消毒用ペーパータオルなども同様、効果はありません。

 熱湯消毒は、85℃で1分以上加熱すれば、完全に死滅します。

 症状がなくなって、完全に治ったと思っても発病して1週間や10日は、糞便にウイルスがで続けます。 

 詳しくは、市区町村の役所・役場の衛生課や、所轄の保健所に尋ねると、教えてくれます。

 健康で、元気に新しい年を迎えたいと思います。

 

 


人体実験・肥満からの脱出・7

2006-12-16 18:09:05 | 健康・病気

 長続きのコツは、リズムとマイペース

 水泳は帽子とゴーグルとパンツ以外、使う道具は一切いりません。

 屋内プールでは、天気に左右されることもありません。

 雪の降る日のプールなどは、ことのほか極楽気分が味わえます。

 浮力によって足や腰に体重がかかりません。

 体重60キロの人は、30分の1の、たったの2キロにしかなりませんから、とんぼ返りも、逆立ちも、水中イナバウアーなど、年齢に関係なく、空中遊泳みたいなもので、だれでも癇単にできます。

 普段使ったことのない関節や筋肉を、自由に動かすことになります。

 でも、無理して泳ごうとする必要はありません。水中歩行だけでも健康にいい効果が得られます。

 水中では、水圧によって、自然に腹式呼吸になります。

 胸式呼吸と比べて、生理的には理想的な健康呼吸法といわれています。

 腹式呼吸法は、脳に有用なアルファー波が発生して、リラックスするためにも、有効な呼吸法です。

 また水温29℃あたりは、体温との差も程よい刺激になり、厚着でコタツにはまっているより、ズーット健康的です。

 最初は5メートルでも10メートルでも結構、それ以上泳げる方は、ゆっくり、ゆっくり、少しでも長く泳いで、けっして無理をしないこと。

 呼吸法がつかめれば、いくらでも泳げるようになります。

 あとはリズムとテンポ、お隣のコースと、けっして競争などしないこと。

 女優の吉永小百合さんは、1回に3,000メートル泳ぐそうです。

 「夢千代日記」の芸者夢千代とは、似ても似つかない、それは肩から両腕にかけての筋肉は見事なものです。

 4年前、北アルプスの白馬岳から白馬鑓温泉小屋へ、海抜2,100メートルの、天空の露天風呂に浸かり、そこからいよいよ下山、50歳代とみられる夫婦連れと一緒に下り始めました。

 最初のうちは会話も弾んでいたのですが、だんだんテンポも合わなくなってきて、徐々に遅れはじめんました。

 彼等はどこまで行っても休憩しようともしません。

 とうとう「負けるものか」になっていました。

 猿倉山荘に着く頃は、離れ離れに、アルバイトのお姉さんに「どうしたんですか!」と声を掛けられて、やっと我にかえりました。

 大量の汗で、川に転落したようなずぶ濡れ状態、乾いたシャツの端には、塩の結晶が縞状に浮き出ていました。

 そして完全な脱水症状が現われてきました。

 そこから車で、その日のうちに帰宅はしましたが、よくぞ無事で帰れたものよと、自分ながら呆れ返りました。

 自分のリズムとマイペースを守らないと、楽しく長続きすることは絶対にできないことを悟りました。 

 

 


人体実験・肥満からの脱出・6

2006-12-13 07:53:16 | 健康・病気

Photo_14 水泳・「貯金」より「貯筋」?

 スポーツや運動のなかで、けっして水泳が一番いい、とは思ってはいません。

 しかし、なぜ15年間も続けてこられたか、その理由のいくつかを挙げてみます。

 小学生の頃は、もっぱら利根川で泳いでいました。

 川幅は今の10倍くらいあって、流れも速く危険のともなう川遊びで、溺死者も何人かみました。

 あこがれは、プールで泳ぐことでした。

 僅かな小遣いの1円硬貨を握り締めて、1時間以上もかけて、一人チンチン電車に乗って、20キロ先の高崎城南プールで泳ぐ、子供心に、今で云うところの「リッチ」な気分に浸るのが夏休みの楽しみでした。

 スカンジナビナ3国やシンガポール、マレーシヤ、タイ、マラッカ海峡でも泳ぎました。

 もって行くものは、水泳キャップと、ゴーグルと、水泳パンツだけですみます。

 15年間続けられたのには、いろいろありますがズバリ、それは、ほんとうに些細なことでした。

 こうして毎日泳いだ距離を記録してみようか。

 1年たったら、何キロになるだろうか。

 これをJRの鉄道距離にしたら、どこからどこまで泳いだことになるだろうか?

 記録をしていて、なにか、貯金をしているような楽しい気分になりました。

 1回1300メートル×年間130日×15年間=2,535キロメートルになりました。

 JRの鉄路をプールのコースに見立てて、最北端の稚内駅をスタートして一路南下、九州は長崎あたりまで、なんだ、それっきりか?

  ちなみに、プールの会員費は、1ヶ月・8,400円、15年間で150万円ほどにはなります。

 煙草と縁が切れ、晩酌の必要もないことを考えれば、安いのかなとも思います。

 そんなわけで貯金はできなかったけれど、「貯筋」ができました。

 人間の体を構成している骨は、大小およそ220ケくらい、その一つ一つを引っ張って、グズグズになるのを抑えて、正しい姿勢を保ち、体を動かす原動力は、骨につながっている一つ一つの「筋肉」そのものです。

 その筋肉に必要な燃料はブドウ糖、血中のブドウ糖が減ってくれば、貯まっている脂肪をブドウ糖に変えて、それで余分な脂肪が減って、使う筋肉が増えることになります。

 ブドウ糖を燃やすに必要な酸素、胸囲が増えると同時に、加齢とともに減少する肺活量も、どうにか現状維持を保って、酸素の供給も支障ないようです。

 その結果、94センチの胸囲が104センチに、96のウエストが84センチに、それだけ体脂肪が減って「貯筋」ができたのではないでしょうか。

 

 


人体実験・肥満からの脱出・5

2006-12-11 20:04:36 | 健康・病気

 運動と食事の関係Photo_13

 リタイヤした60才 から水泳を始めて、最初の6ヶ月で7キロの減量はできたものの、それからの10年間、全く体重の増減がありませんでした。

 ほぼ毎週の月水金、1200~1500メートル、食事の制限については、肉から魚へ転換、土地柄、新鮮な野菜は豊富に、間食もほとんどしませんで、ご飯中心とは言うものの、めし茶碗に軽く一杯で、お替りもめったにしません。

 氾濫する、痩せるためのサプリメントなどには、一切見向きもしません。

 3キロと4キロのダンベル以外、派手な宣伝の健康器具なども、全く使いませんでした。

 もう少し、あと5キロくらい体重を落としたい、と水泳距離をのばして頑張っても、びくとも動かないことが不思議で、なぜだろうかと考えました。

 そして得た結論は、ワンパターンの毎日ではあるけれど、この食事とこの運動量で、体重が±ゼロの均衡を保っているのだと思いました。

 逆に言えば、食べたいだけ食べて、運動もしないで、コタツに入って寝転んで、お茶菓子食べながら、テレビを見ている、てな暮らしを続けていたら、そのパターンに見合った体重になる、なにしろ80キロになった過去があるのだから、と思いました。 

 しかし、どなたにも水泳がいいとは、勧めません。

 たまたま、近くにスイミング・スクールがオープンしたことで水泳を選んで、通っているうちに、体にいろいろと面白い変化が現れて、そのことに興味がでてきて、今日まで続けてこられた、ただそれだけのことです。

 いろいろ試みて、自分に見合ったスポーツや運動を探し出すことから始めることではないでしょうか。

 もう一つ、どんなスポーツや運動でも、長続きできること、これが一番大事なことに気がつきました。