健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

色々な魚介類(1)

2011年12月17日 | 健康
わかめ(若布)

 若布は褐藻類のチガイソ科に属する海藻で、日本のいたる所で採れるが、なかでもナルトワカメが有名である。ワカメは幼いものの方が味がよいといわれ、地方によっては新芽を干した板ワカメを炭火であぶって食べるところもある。ワカメはミネラル類を豊富に含んでいる。素干し100g中にカルシウムが780mg、リン350mg、鉄2.6mgとバランスがよい。反面、タンパク質や脂肪は少ないので、ミネラル補給の美容食として人気がある。最近は味噌汁の具や酢の物だけでなく、サラダにも取り入れられるなど料理法も多様になってきている。

のり(海苔)

 一般にノリと呼んでいるが正確にはアマノリ(甘海苔)で、紅藻類ウシケノリ科アマノリ属の総称である。アサクサノリ、スサビノリ、ウップルイノリ、マルバアマノリなどの種類がある。わが国で最も食べられているのはアサクサノリだが、最近は天然のものは姿を消し、ほとんどが養殖か韓国からの輸入物である。

 アマノリの栄養成分の特徴は、他の海藻類に比べてビタミン類が多いことである。特にビタミンB12は、干しノリ100g中77.6ugと豊富である。ビタミンB12は造血に関係するビタミンでレバーや肉類や動物性食品に多く含まれているが、これらの食品が苦手な人はノリを多めに摂ることを心掛けるといいだろう。このほかビタミンCが100g中160mgと海藻中トップで、これはレモン(同100mg)を遥かに凌ぐ数値である。アマノリは韓国や中国はもとより、北ヨーロッパ、スコットランド、カナダなどでも産し、ことは青野菜が不足する極北地近くではビタミン供給源として盛んに利用されている。

※青のり

 青ノリは緑藻類のアオサ科アオノリ属の総称で、青苔、阿乎乃利などの字も宛てる。日本各地の沿岸に分布し、やや深い所の岩の上や、他の海藻に付着して育つ。スジアオノリ、ヒラアオノリ、ボウアオノリ、ウスバアオノリなどの種類がある。寒い時期のものが良質で12~2月頃までが旬。栄養成分はミネラルが多く、ことにカルシウムは素干し100g中720mgで、アマノリの5倍以上含む。リンの含有量が380mgなのでバランスもよい。青ノリは炙ると芳香があるところから、菓子やお好み焼き、焼きソバをはじめ用途も多様である。

その他のキノコ類

2011年12月16日 | 健康
※ホンシメジ

 キシメジ科のシメジ属の食用キノコで、学名はLyophyllum shimeji。ダイコクシメジ、ギンシメジ、ネズなどの別名がある。昔は天然ものが多く出回っていたが、最近はほとんど見かけなくなった。今日”ホンシメジ”として市場に出ているのはブナシメジやヒラタケがほとんどである。ブナシメジはキシメジ科シロタモギタケ属、ヒラタケはヒラタケ科のキノコでそれぞれ異なる種類である。

 ホンシメジは赤松の混ざった雑木林などに5~10本が束生したり、ときに輪を描いて群生する。傘ははじめは半球体だが、やがて丸山形を経て扁平に開くと直径10cmくらいになる。柄は12~13cmにもなって根元が太く、肉は白く緻密で”匂いマツタケ、味シメジ”といわれる通り美味である。味のよさの秘密は、旨味成分となるアミノ酸の含有量による。グルタミン酸やアスパラギン酸が非常に多く含まれ、日本人に不足しやすいリジンも多い。アミノ酸以外ではナイアシンが豊富なのも特徴で、強い日差しに当たると湿疹ができる太陽アレルギーの人はナイアシン不足の可能性があるので好適な食材といえる。ビタミンB2も多く、100g中0.5mgと生シイタケの2.6倍に達する。B2は脂肪の代謝を浴するので肥満を防ぐ、湿疹や吹き出物にも有効である。

※なめこ(滑子)

 モエギダケ科の食用キノコで、学名はPholiota nameko。晩秋、広葉樹の中でも主にブナの倒木や枯れ幹、切り株などに群生する。柄は根元で数本が癒合し、傘ははじめ半球体だが、やがて丸山形を経て扁平へと転じ、直径は最大10cmにもなる。淡い黄褐色で粘性が強い。シイタケと並び栽培キノコの代表格で、市販品のほとんどは小さな半球形の人工栽培品である。特有のぬめりはペクチン質(多糖類)で動脈硬化を防ぐとされている。タンパク質、ビタミンB1・B2、カリウム、リンの含有量が比較的多い。国立がんセンターの熱水抽出物による抗腫瘍活性試験(池川哲郎、1968年)では、マツタケに次いで86.5%という高い阻止率を示した。

※マッシュルーム

 ハラタケ科の食用キノコで、学名はAgaricus bisporus。ツクリタケ、セイヨウマツタケ、シャンピニオン(仏名)ともいう。世界各地で栽培されており、白色種、クリーム種、ブラウン種などがある。一般には白色種とブラウン種が出回っている。タンパク質の含有量が多く100g中2.9g、また、ビタミンB1・0.06mg、B2・0.29mg、ナイアシン3mgと多く、ことにB2は5~6個で1日の必要量の1/8を満たし、口内炎・口角炎・肌荒れ・指先のささくれ・フケなどの予防に役立つ。缶詰より生のほうがもちろん食効がある。このほかマッシュルームには消臭作用のあることが認められており、そのエキスは消臭素材として利用されている。

 マッシュルームの旨味は他のキノコと異なり、グルタミン酸のほか必須アミノ酸が多いためで、生でも食べられるキノコとしてサラダなどに適している。切り口がすぐ変色するが酢水に浸せば防げる。

※ひらたけ(平茸)

 ヒラタケ科の食用キノコで、学名はPleurotus ostreatus。オイスターマッシュルーム、アワビタケとも呼ばれている。温帯地域に分布し、秋に広葉樹の枯れ木や切り株に重なり合って生える。ホンシメジに似ているところからシメジの名で売られることもある。ヒラタケはホンシメジよりもタンパク質が多く、100g中3.3g含む。又ビタミンB1・B2共に0.4mg、ナイアシンが10.7mgとキノコ類ではトップクラスである。そのほかカリウム340mgを含んでいる。ビタミンB1が不足すると脚気・多発性神経炎・便秘・むくみ・心臓肥大などを招く。またB2の欠乏は口内炎・口角炎・角膜炎などのほか生長にも悪影響を及ぼす。ナイアシンはペラグラ・口舌炎・胃腸病・皮膚炎などに関与する。

色々な野菜類(8)

2011年12月15日 | 健康
※みつば

 セリ科の多年草で、東アジアの湿地などに自生している。日本では江戸時代から野菜として栽培するようになった。現在は、促成栽培された切りミツバ、水栽培で葉柄10~15cmで収穫する糸ミツバ、畑で栽培して根付きのまま出荷される根ミツバの3種類がある。ビタミン、ミネラルは糸ミツバと根ミツバの方が多いが、カリウムだけは根ミツバが一番である。カロテンは糸ミツバで3200ug(100g中)と豊富だ。

 ミツバは香りを賞味するのが種で大量には食べない野菜なので、それ自体の栄養価を問題にするよりは、ミツバを添えて美味しく食べることに注意を向けるべきであろう。従って食効の第一は香りと色が誘う食欲増進効果で、茶わん蒸しや卵とじには欠かせないし、病後の味気ないお粥もミツバを加えるだけで素晴らしい料理に一変する。そのほか頭をスッキリさせ神経の興奮を鎮めて安眠を誘うほか、健脳効果もあるといわれている。

パセリ

 セリ科の二年草で地中海沿岸が原産。和名はオランダセリ。明治初期にわが国に渡来した当時は特殊な西洋野菜として扱われ、以来、洋食の飾り物として使い捨てられてしまう傾向が続いたことは、パセリの持つ栄養成分からみて誠に残念といわざるを得ない。

 欧米では古くから、あの特有の香りと鮮明な緑色が”食を進める”働きを持つとして尊重されてきたハーブであるが、事実、ビタミンが豊富で、とりわけカロテンは100g中7400ugと他の野菜よりも飛び抜けて多く、ビタミンCの120mgも野菜・果物中のトップクラスである。また、鉄は7.5mgと小松菜の2.5倍含まれ、極めて優れた緑黄色野菜なのである。もちろん他の野菜のように大量に食べられるものではないが、さまざまな料理に付け合せることで毎日少しずつでも摂れば貧血の改善、血中コレステロール値の低下などにも効用が期待できる。食効としてはアピオールという精油成分が腸内の有害細菌の繁殖を抑えるほか、食中毒の防止・口臭防止、食欲増進効果がある。

※せり(芹)

 日本原産で1000年以上前から栽培されてきたセリ科の野菜。春の七草の筆頭に数えられる香り高い野草でもある。初春から初夏までが旬で、野ゼリや田ゼリなどの名で店頭を賑わす。また近年は、栽培した背丈の高い水ゼリも食卓を彩るようになった。

 特有の香りはミリスチン、カンフェンなどの精油成分によるもので、発汗・解熱作用があり、病後の内熱(体温は平熱でも内臓諸器官が熱っぽい状態にあること)を取るのに有効だとされる。また健胃効果もあり、その香りにあずかって食欲が増進する。ほかに血圧を下げ、血の道を通し、酒毒を消し、黄疸にも効用があるとされている。これには茹でたものを食べてもよいが、新鮮なセリをすり鉢で擂り潰し、水を加えて裏漉しした汁をひと煮立ちさせて飲む。また、陰干ししたものを煎じるのもよい。

色々な野菜類(7)

2011年12月14日 | 健康
モロヘイヤ

 中近東やアフリカを主産地とするシナノキ科の一年草で、エジプトでは古くから幼茎や葉を摘んで食用とされてきた。モロヘイヤはエジプト名である。

 日本でも近年、健康野菜の見直し気運の中で注目を集め、沖縄県などで栽培されるようになった。多少ヌメリがあってわずかにほろ苦さがあるが、若い芽は柔らかくクセのがないので生葉のままでも食べられるし、お浸し、和え物、サラダ、酢の物にも合い、味噌汁の具やスープにもよい。さらに天ぷらにしても美味しいばかりか、人参を上回るカロテンを効率よく摂るには油を使った調理が最善である。

 その栄養価を見ると、可食部100g中(カッコ内は人参の場合)、カルシウム260mg(28mg)、リン110mg(25mg)、鉄1mg(0.2mg)、カリウム530mg(280mg)、カロテン10000ug(9100ug)、ビタミンB1・0.18mg(0.05mg)、B2・0.42mg(0.04mg)、C65mg(4mg)と、いずれも野菜類ではトップクラスの圧倒的な数字が並んでいる。

※エシャロット

 ユリ科の二年草で、ラッキョウに近縁の西洋野菜。鱗茎をおろしたり刻んで香味料として使われる。エシャロットは仏名。

 わが国で酒のつまみとして生食されるエシャロットはラッキョウを土寄せして葉鞘部まで軟白にして若採りしたもの。エシェレット、エシャラッキョウ、エシャなどとも称して出回っている。ラッキョウのように漬け物にはせず、鱗茎と葉鞘の軟白部を味噌につけて食べたり、細かく刻んで、洋風料理にも用いられる。エシャロットは疲労回復、抗炎症作用、風邪の予防などによい。なお、同じくエシャロットと呼ばれる小型の分球性タマネギがあって混同されやすいが、これはラッキョウのエシャロットとは別物である。

※みょうが(茗荷)

 日本原産のショウガ科の多年草。夏秋に根茎から花穂を出し淡黄色の花が咲く。花穂と若い茎を食用にするが、我が国以外では食習慣のない野菜である。栄養的には特筆すべきものはないが、独特の香りとシャキシャキとした歯ざわりが食欲増進につながる。昔から不眠症や生理不順に効くとされ、また抗菌作用があるので口内炎や風邪などにもよいといわれている。

 夏場は素麺などの薬味にしたり、削り節と和えて酒の肴の一品にしたり、卵とじや味噌田楽、天ぷらなど調理法がいろいろあり、捨てがたい季節の食材である。ミョウガの葉は、と同じく腐敗を防ぐ目的で、おにぎりなどを包むのに利用されてきた。

色々な野菜類(6)

2011年12月13日 | 健康
※菜花

 アブラナ科の一、二年草で、ナタネ、ナノハナ、ナタネナの別名がある。春に黄色の小花を房状につけ、2~3月ごろには九州や房総半島など温暖な土地で栽培したものが出回る。食用には黄色い花が蕾のものがよく、葉も茎も柔らかくクセがない。さっと茹でてお浸しや辛し和えにするほか、軽い塩漬けなども美味である。春らしい色彩から、ひな祭りの頃にはうってつけの一品になる。種子からは菜種油を採り、油かすは肥料になる。

 菜花の栄養価は高く、ホウレン草に比べてカロテンこそ約半分(100g中2200ug)だが、カルシウムは3倍、ビタミンCは生では4倍近くにもなる。そのほかビタミンB1、B2、ナイアシンなどをバランスよく含み、食物繊維も豊富だ。浅漬けや和え物は栄養素を失わずに食膳を飾るので積極的に食べるようにしたい食材である。若々しい肌を保ち、ストレス・自律神経失調症・便秘・風邪の予防などに有効である。

※かぶ(蕪)

 アブラナ科の一、二年草で、白菜やツケナ類と同種である。日本最古の野菜の一つとされ、春の七草のスズナとしても知られている。食用の主体は白い根部分であるが、アクが少ないので一夜漬けや糠漬けにすれば、ビタミンC(生100g中19mg)も増加する(皮むき塩漬けで21mg、皮つき糠漬けで28mg)。デンプン類の消化を助けるジアスターゼやアミラーゼなどの酵素が含まれているので、カブのおろし汁は食べ過ぎや胸やけ、胃炎などに効く。また胃腸を温める効用があり、この場合はみぞれ煮や粕煮など熱を加えた調理法が適している。このほか咳を鎮め、声がれを治すともいわれている。

人参

 セリ科の一、二年草で、緑黄色野菜の代表である。人参の赤い色素カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚の細胞を強くし粘膜を丈夫にして病気への抵抗力をつける。また夜盲症や口角炎を防ぐ働きがあることもよく知られている。人参のカロテン量は生100g中に9100ug(760ugRE)と、ホウレン草の2倍以上である。ただビタミンB1は0.05mg、Cは4mgというよにそれほど大きい数字ではないので、無理に生ジュースなどの形で摂ることにこだわる必要はない。

 カロテンは脂溶性で熱に強いので、適量の油を使って食べやすいように調理して十分な量を摂るようにしたい。ニンジンには補血効果があり、貧血を改善し冷え性や低血圧を治すと共に、疲労回復、体力づくりにも有効である。また最近の研究では肺ガンや膵臓ガンなど、悪性腫瘍を抑制する効能のあることが報告されており、これは人参に含まれるβ-カロテンの働きによると考えられている。

色々な野菜類(5)

2011年12月12日 | 健康
※ズッキーニ

 ウリ科つる性一年草で、外観はキュウリに似ているがカボチャ(ペポカボチャ)の仲間である。キュウリよりも一回り大きく、皮には光沢があり、濃緑色のものと黄色のものがある。カボチャは塾果を食べるが、ズッキーニは実をつけて3~4日で収穫した未熟果を食べる。ヨーロッパ、特に南フランスからイタリアにかけて普及し、その後アメリカにも広まった。

 栄養的にはカロチンとビタミンCが豊富で、糖質が少なく(100g中2.8g)、カロリーは低い(14kcal)。ズッキーニは生食は不向きで、熱を加えて調理するのが基本。歯ごたえ、味ともにナスに似ている。南フランス料理やイタリア料理に欠かせない野菜で、スライスしてバターで炒めて食べたり、油で炒めてから煮物の材料とする。中をくり抜いて詰め物にしても良い。最近は、花ごと採取した花ズッキーニも料理素材として注目されている。花の中にキノコやトマト、鶏肉、魚介類などを詰めて蒸し、バターソースをかけて食べる。

※さやいんげん(莢隠元)

 マメ科インゲン属の一品種で、未成熟の若いインゲンを莢ごと食べることからサヤインゲンという。丸莢のドジョウインゲン、細莢のサーベルインゲン、平莢のモロッコインゲンなどがある。

 サヤインゲンの栄養成分はバランスよく、乾燥種に欠けているビタミンCのほか、カロテンも多い(100g中590ug)。カロテンは油を使うと吸収がよくなるので天ぷらや炒め物などにするとよい。視力回復や皮膚のかさつきを改善する効果もある。また莢の部分にはインスリンの産生に関与する亜鉛を多く含むので、糖尿病によいといわれる。

※グリーンピース

 エンドウ豆の野菜種で、4~5月ごろ、未熟の内に収穫される。缶詰冷凍品で一年中手に入るが、生のものは春から初夏にしか市場に出ない。莢から出して生の実と炊き込んだ豆ご飯は、春を感じさせる旬のご馳走のひとつである。

 グリーンピースは発芽途上を収穫するのでタンパク質や糖質、ビタミンB群をはじめ、ビタミンCやカロテン、葉緑素などが豊富に含まれている。ビタミンB群はB1・B2・B6・ビオチン、コリンを多く含み、体の代謝を円滑にし疲労物質を分解するのに役立っている。カロテンも100g420ugとかなり多いので、貧血・冷え性・便秘・肌荒れなどに効果的である。食物繊維も100g中7.7gと、枝豆の5gを上回っている。

色々な野菜類(4)

2011年12月10日 | 健康
※スプラウト

 植物の新芽を英語でスプラウトというが、最近、各種野菜の新芽が健康野菜としてスーパーの店頭に並びだした。ブロッコリーやマスタードなどの新芽があり、目新しさも手伝ってちょっとしたブームにもなっている。

 スプラウトの人気の発端は、米国のジョンズ・ポプキンズ大学の研究者らがブロッコリーの新芽に優れた抗ガン作用があると発表したことによる。発芽3日目の新芽には、成長したブロッコリーの20~50倍のサルフォラフェインという抗ガン成分があるという。また、スプラウト類は全般に植物性タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維に富み、ローファット・ノンコレステロールというのが健康志向の強い米国人に受けたようだ。

 スプラウト野菜はブロッコリーのほか、小豆や蕎麦クローバー、レンズ豆、ラディッシュ、ヒマワリ、レッドキャベツ、マスタード、クレス、小麦など種類が多彩だ。サンドイッチの具やサラダ、スープの材料など食べ方の自由度も高い。過程でも栽培できるようにスプラウトの栽培キットも販売されている。

※トマピー

 トマピーは、トマトに似た扁平な形をした新種のパプリカで、鮮やかな濃い赤色をし、肉厚で甘味があり、ピーマンのように苦味や臭みがないために食べやすい野菜である。

 栄養面では特にビタミンCとカロテンに富む。100g中にビタミンCが200mg含まれ、同じ仲間の青ピーマンの2.6倍、赤ピーマンと比べても1.2倍ある。カロテンは100g中1900ugで、青ピーマンの4.8倍、赤ピーマンの1.7倍になる。このほかクセがないのでサラダなど生で食べても美味しい。油との相性もよく、天ぷらやスープ類、ピザなどにもよい。トマピーに含まれるカプサイシンに発ガンプロモータ活性抑制作用のあることが第56回日本癌学会総会(1997年)で発表されている。

※ししとう(獅子唐)

 ナス科トウガラシの甘味種でピーマンと同系種。南米が原産。栽培には温度を要するが、流通の発達で初夏から秋頃まで出回っている。ビタミン類を多く含み、とりわけカロテンは青と黄のピーマンを上回る。油で炒めるとカロテンが生きるが、この時あまり加熱し過ぎると栄養価も色も風味も損なってしまうので注意したい。天ぷらにしてさっと揚げると彩りも美しく食欲も増す。

 食物繊維もピーマンより多い。またカリウムも多く含むので塩分過多による高血圧の予防にもなる。シシトウを選ぶときは緑が濃く、細く小さめのものがよい。つやがあり、匂いの強いほうが良質である。

色々な野菜類(3)

2011年12月09日 | 健康
※つるな(蔓菜)

 わが国の太平洋岸の砂地に自生しており、レタスやサラダ菜と同じくチシャの仲間であることから浜ヂシャの呼び名もある。レタスはキク科だが、ツルナはツルナ属に属する多肉質の葉を持つつる性植物である。日本ではあまり食用にされなかったが、世界各国、特に欧米では好まれ、広く栽培されている。

※にら(韮)

 ニラはネギやニンニクと同じユリ科の植物で、この仲間のように強い臭気を持ったものは葷菜と呼ばれ、いずれもその精力増強効果が尊ばれてきた。古事記に記載のあるほど、中国からの渡来は古いが、当時は薬草として扱われていたようでミラ、コミラなどと呼ばれた。その後、いかにもスタミナがつく強精野菜らしく起陽草という別名を与えられている。

 ビタミンA・B群を多く含むが、特徴的なのは臭気成分のアリシンで、この物質には抗菌性と共にビタミンB1の腸内での吸収利用率を高める働きがある。また、体内に吸収されて自律神経を刺激しエネルギー代謝を高め、内蔵を温めて消化を促進する作用がある。そのため冷え性の人は体が温まってくる。

 ニラの種子を乾燥したものを漢方薬では韮子といい、強壮・強精のほか、頻尿・下痢などに用い、根と鱗茎は韮菜と呼んで胃炎・鼻血はもとより、解毒などにも処方している。

※こごみ(屈)

 シダ科の植物でクサソテツともいう。東北地方で雪解けと共に収穫される代表的な山菜。本州から九州まで分布し、木漏れ日の当たる山地などでも自生しているものをよく見かける。ソテツに似た姿で4~5月に根株からワラビのような新葉が伸び、その葉が巻き込んだ形の柔らかいものを収穫する。

 ワラビよりやわらかくクセが少ないので食べやすい。お浸しやゴマ和え、天ぷらなどが一般的である。カロテン、ビタミンB群・C・Kなどのほか、ミネラルもたっぷり含んでいる。カロテン(100gあたり1200ug)は赤ピーマンなみで、ビタミンCの抗酸化活性を守り、皮膚粘膜の再生と維持に役立つ。また消化器や呼吸器の感染症への抵抗力を高めるなどの効用がある。加えて食物繊維がワラビよりも多く、便秘の改善なども期待できる。

色々な野菜類(2)

2011年12月07日 | 健康
○おかひじき(尾鹿尾菜)

 シベリア、中国、日本のを原産地とするアカザ科の一年草で、わが国では各地の海岸の砂地に自生しており古くから食用にされてきた。明治以降、目新しい野菜が紹介されるにつれて市場を追われるようになったが、近年、健康野菜として見直されて復活した。

 海藻のヒジキを緑色にしたような姿をしている。若い茎葉を熱湯で4~5分間茹でて、お浸し、辛し和え、酢味噌などで食べるが、シャキッとして歯ざわりが好まれている。カロテンが多いので、油で効率よい活用が期待できる天ぷら料理にも適している。

 栄養的には生100gにつきカロテン3300ug(280ugRE)とホウレン草なみに高いのが特徴で、カルシウムは約3倍の150mgも含む。ビタミンB類は少ないが、Cは21mgと枝豆なみにある。これらの成分と葉緑素の相乗効果で皮膚が丈夫になって風邪をひきにくくなるほか、ビタミンAの働きで気管や胃腸の粘膜の上皮組織に抵抗力がつき、ガンの発生を抑えることが期待できる。

※エンサイ

 ヒルガオ科の一年生つる性草木で、中国名は蕹菜(ヨウサイ)、空芯菜。花がアサガオに似ているので朝顔菜という別名もある。東南アジアでは水生野菜として広く栽培されており、茎葉が広東料理などに使われている。最近はわが国でも栽培されるようになり、6~9月にはスーパーなどにも並んでいる。

 空芯菜という名が示すように、茎は中空で水に浮く。アクのない若い茎葉は味が淡白なので煮物、お浸し、油炒め、汁の実などに使われる。栄養的にはカロテンが特に多く、生100g中に4300ug(360ugRE)含まれている。またビタミンB1や鉄も多い。夏場の健康維持に活躍が期待される新顔の野菜である。

※春菊

 キク科の一年草でヨーロッパの地中海沿岸が原産地であるが、欧米人は食べる習慣を持たず、もっぱら東洋人の食材となっている。日本へは中国を経由して戦国時代に伝来したとも、また江戸初期に招来されたともいわれ、特に西日本を中心に菊菜の名で親しまれてきた。

 特有の香りを好まない人もいるが、日本の緑黄色野菜としてはホウレン草、小松菜と並ぶ代表格で、栄養的にもカロテンが4500ug(380ugRE)もあり、ホウレン草の4200ugを凌いでいる。カロテンは脂溶性なので、茹でたり加熱しても失われることが少ない点も見逃せない。カルシウム120mgという数字は牛乳110mgを上回る数字である。造血に必要な鉄分も1.7mgとホウレン草なみである。

 春菊は料理法次第で100gなど簡単に食べられるから、他の成分も考え合わせるとミネラルの補給源として好適であるというる。天ぷらにして油と共に摂るとカロテンの吸収がよく、特有のクセも気にならなくなる。春菊の濃い緑色は豊富なクロロフィル(葉緑素)のためであるが、クロロフィルには血中コレステロールを下げる働きがある。

※エンダイブ

 キク科キクニガナ属の一、二年草で、同属のチコリと野菜のキクニガナの交配でできたとされ、菊チシャ、苦チシャともいう。エンダイブは英名で、仏名はシコレだが、チコリと混同されやすいためフランスではエスカロールと呼ばれることも多い。日本で普通見られるのは葉に切れ込みの多いものだが、広葉のもの(スカロール)もある。

 春播き、秋播きがあり、いずれね歯切れがよく少し苦味があってサラダに適する。サニーレタスに近い栄養素を含み、カロテンは100g中1700ug(140ugRE)とサラダ菜には及ばないが、亜鉛は0.4mgとサラダ菜の2倍含み、食物繊維も多い。便秘を防ぎ、新陳代謝を盛んにして高血圧の予防に有効である。ドレッシングなど油と共に食べることでビタミンAの吸収を良くし、さっと炒めると量的にも多く摂取することができる。

色々な野菜類(1)

2011年12月06日 | 健康
※からしな(芥子菜)

 アブラナ科の一年草。葉カラシナ類、タカナ(高菜)類、茎タカナ類、根ガラシ類など多種類ある。この内、葉が食用とされるのは葉カラシナとタカナ類で漬け物にして食べられることが多い。葉タカナの肥大した茎を漬け物にしたのが、中国料理で使われる搾菜(ザーサイ)である。

 カラシナやタカナには葉カラシナ、山潮、大葉タカナ、カツオ菜などがあるが、いずれも特有の辛味がある。この辛味成分はシニグリンという配糖体である。栄養成分としてはカロテン、ビタミンC、鉄分を多く含む。

 カラシナ、タカナの漬け物はチャーハンやラーメンに入れても美味い。ピリッとした辛味が食欲をそそぎ、暑い夏の季節の一品として最適である。

※なずな(薺)

 アブラナ科の越年草で、道端や土手など日当たりのよい場所に生えている。果実が三味線の撥に似ているのでバチグサやペンペン草ともいわれる。春の七草の一つで七草粥の材料になる。お浸しや和え物にして食べる。カロテンの含有量が多く、100g中5200ug(430ugRE)と野菜類の中でも特に多い。また、ビタミンC(110mg)はレモン以上であり、ビタミンK(330ug)や葉酸(180ug)も多い。ミネラル類ではカルシウムが多く含まれる。

※ルッコラ

 ヨーロッパの地中海沿岸地方を中心に分布するアブラナ科の一年草。ルッコラは伊名、英名はロケット、和名はキバナスズシロという。繁殖力が旺盛なためアジアやアメリカなどで帰化植物になっている。ギリシャ時代には腎臓病や消化器疾患の治療に使われたという記録もある。

 大根のようなロゼット状の根生葉が広がり、開花期が近づくと茎を伸ばして草丈50cm~1mくらいになる。夏に咲く花は淡黄色または白色で紫の筋があり、大根や菜の花によく似ている。

 葉にはゴマとコショウをミックスさせたような独特の香りと辛味、苦味があり、若い葉を摘んでサラダなどに使う。ロケットサラダなどともいわれ、最近わが国でも食べられるようになった。花も生食でき、種はマスタードの代用になる。

※つるむらさき

 ツルムラサキ科のつる性一年草で、別名バセラ、フジナ、オチアオイ。かつては観葉植物として赤紫色の葉や茎を楽しんだが、近年、その栄養価が見直され食用として家庭菜園などで手軽に栽培されるようになった。もともと東南アジアの特に暑い国では古くから健康野菜として食べられていたようである。旬は夏。蔓が巻きついて1~5mにも伸びるが、蔓先から15cmくらいまでの茎と若葉が好んで食されれる。

 色の濃い葉が栄養素の宝庫で、花や実も天ぷらやサラダに適している。味はやや埃くさい感じだが、ホウレン草のようなアクはなく、茹でてゴマやカラシで和えると埃くささも気にならない。葉の栄養成分はカルシウム150mg、カリウム210mg、カロテン300ug(250ugRE)、ビタミンC41mg(いずれも100g中)などだが、ほかにリン、ナトリウム、鉄、亜鉛などのミネラルを含む。カルシウムが多いので骨折や虫歯予防のほか、神経を鎮めて蕁麻疹などにも効く。