健康食品辞典

サプリメント・健康食品・食材・食品・飲料などに利用されている素材・成分を中心に掲載しました。

昆布

2007年11月07日 | 健康
昆布

 昆布は渇藻類のコンブ科に属する海藻の総称で、狭義にはマコンブを指す。日本で採れるコンブはマコンブ、利尻コンブ、三石コンブ、ナカコンブ、ホソメコンブ、ネコアシコンブなど30種類近くある。

 コンブはアルカリ度が38.9と高く、いわゆるアルカリ性食品であるが、それはカルシウムの含有量が多く、リンが少ないためである。マコンブの素干し100g中のカルシウムは710mg、リンは200mgである。同じ海藻類のアマノリは、干し100g中カルシウム140mg、リン690mgでりんのほうが多く、酸度5.25のいわゆ酸性食品である。

 カルシウムは吸収されにくいミネラルで、効率よく利用するにはリンをバランスよく摂取する必要があり、その割合はカルシウム2に対してリン1がよいとされている。昆布はカルシウムそのものの含有量が多い上に、リンとのバランスがよいため、カルシウム補給食品としては理想的である。

 コンブのミネラルでもう一つ注目されるのはヨウ素である。素干し昆布100g中、要素は100~300mg含まれており、乾燥ワカメ(7~24mg)やヒジキ(20~60mg)をはるかに上回っている。ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分として新陳代謝や調整に深く関与している。コンブはまたカリウムの含有量も多く(マコンブの素干し100g中で6100mg)、海藻中ではトップである。古くから昆布を食べると血圧が下がるといわれているが、これはカリウムやコンブに多く含まれるラミニン(糖タンパク質)による作用と考えられている。そのほか、愛媛大学医学部(奥田拓道ら)と住友金属工業との共同研究によれば、コンブのヌメリ成分のアルギン酸は糖の吸収抑制とともにコレステロールの吸収抑制作用があり、それを高圧加熱処理し低分子化した可溶性アルギン酸も、高分子のアルギン酸と同様の働きがあることが明らかにされている。

栗(くり)

2007年11月03日 | 健康
○栗(くり)

 ブナ科の落葉高木で、いがに包まれた果実の中にできる堅果を食用とする。北海道西南部から本州一帯の山地に自生し、果樹は各地で種々の改良種が栽培されている。

 栗は馴染み深い秋の味覚の一つだが、糖質のほかカリウム、ビタミンB1、Cなど意外に多く含まれ、タンパク質や脂肪、糖質の消化特性も穀類に匹敵するほど優秀である。

 本草綱目には栗の効能について「主として気を益し、腸を厚くし、人をして飢えに耐えしむ」とあり、「生食すれば腰部の不随を治し、筋骨の切れたるを癒す」「腫れ痛み、お血(古血)には生を噛んでこれをつけると効あり」と記されている。民間にも「腎を補って気を増し、腸・胃・腰・足・骨を強くする」と言い伝えられてきた。「腎を補う」とは、この場合は気を増し、強精・強壮を意味している。

 このほか、生の栗を細かく砕いたりすりおろしたものは鼻血や外傷の止血、筋力の強化に役立つとされている。また魚介類の中毒にも効くとされているが、生栗は消化が悪いので、摂るときは少量をゆっくりと噛んで飲み込むことである。栗葉と呼ばれる栗の葉は、煎じた液がウルシや毛虫かぶれの害用薬とされてきた。

胡桃(くるみ)

2007年11月01日 | 健康
○胡桃(くるみ)

 クルミ科の落葉高木で、日本や中国、イランが原産。種実内の肥大した仁(胚と胚乳)を食用とする。日本原産のオニグルミとヒメグルミ、イラン原産のテウチグルミなどがある。アメリカ産が全生産量の30%を占め、わが国では長野、山形、岩手、新潟などが主産地である。

 クルミは昔から、その風味と効用で貴族の美容食といわれ、菓子類のほか和え物などに広く用いられてきた。クルミで特に顕著なのは脂肪分である。種実の約68%が脂肪で、しかもその61%がリノール酸、ほかにオレイン酸、リノレン酸などが含まれている。いずれも良質の不飽和脂肪酸なのでコレステロールを除去し、脂肪代謝を整える。生活習慣病には格好な食品といえる。また、単純タンパク質のグリテリンも多く含まれ、消化吸収しやすいため強壮効果がある。漢方ではクルミを胡桃仁と呼び、滋養強壮・鎮咳薬として賞用している。