旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

台湾のりもの紀行 松山→潭子

2008-01-29 15:00:48 | 台湾日記

臺鐵便當(80元)

二年振りの松山駅。予讃線の方には十数年行っていないけど。さて、台北から西へ行くのに、東隣の松山へ来ている。台北駅が地下駅なので、地上に駅がある松山で太魯閣號の写真を撮るつもりだった。しかしホテルを出る時間が遅かったため、台北で太魯閣號を撮影する事になった。では、もう松山へ用はないだろうと言うと、用はある。先程は花蓮行の太魯閣號を見送ったが、この後、花蓮発の太魯閣號がやってくる。その自強號1064次〔太魯閣號〕の松山から終点の樹林までの切符を買っているのだ。わずか27分だが乗ってみたかったのだ。松山を出ると地下区間となり、終点の樹林の手前で再び地上に出るので、ほとんど景色は楽しめない。そして樹林で8分の接続で、高雄行の自強號1017次の切符を買ってある。





ところが、台風で東海岸では影響が出ている。そちら方面からの列車に遅れが出ている。花蓮発樹林行の太魯閣號も定時運転はしていまい。8分の接続なぞ無理である。松山駅の改札氏に切符(松山→樹林、樹林→豐原)を見せて、怪しい英語で太魯閣號は遅れているのか聞いてみたが、英語は通じなかった。日本語でも事情の説明はややこしい。改札氏は、松山10時49分発の自強號に乗れと言う。その列車は即ち、樹林から切符を買っている自強號1017次高雄行である。松山が始発駅なのだ。至極当たり前の話である。太魯閣號はあきらめ、改札を通る。しまった、売店でビールを買うのを忘れた。


自強號1017次に乗車 (松山)

月台には屋根があるが、風雨が強くて辛い。こんな天気の日に出掛けなくてもと思う。案の定、東海岸の蘇澳からの區間車は15分くらい遅れている。後続の太魯閣號は発車時刻になっても現れなかった。そして10時49分発の自強號1017次高雄行が入線してきた。月台には車内販売をする女性が準備をしているが、ビールはなさそうである。列車は松山を発車して地下へ入っていった。しかし、この列車の樹林までの切符は持っていない。改札氏が乗れと言ったから、太魯閣號の切符で樹林まで行っても構わないだろうが、席の指定に関しては有効ではない。樹林からの切符に書かれた席には男性が座っている。無座票(立席券)と同様に適当な席に座って、駅に停車する度に、その席の切符を持った客が来ないかと立ち上がる。

地下区間が終わり、樹林が近づく。樹林からの自分の席に座っていた男性は降りていった。ようやく自分の席に移動して11時17分発車。昨日、高雄で窗邊(窓側)とメモに書いて買ったにもかかわらず、通路側の席である。臺鐵はそのへんの希望を聞いてくれないのか。「便當」と言いながら、服務小姐(女性乗務員)が弁当を満載したワゴンを押してきた。迷わず購入する。80元だった。去年、莒光號で買った弁当は60元だったが。内容は80元だけあって、品数は多いようだ。それにしても面白いように弁当が売れてゆく。日本の特急で次々に客が弁当を買うところを見た事はない。ビールはないけど弁当を食べる。テーブルのある高鐵で弁当を食べるのもいいが、臺鐵で車内で買った弁当を食べる方が風情があるし美味しい。テーブルがないので、食べ終わるまで弁当箱は持ったままだが。


便當(弁当)の中身は?
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内容は脂っこいので若者向きのようだが、台湾では普通なのか、年配の方も食べている。弁当は一種類で、選ぶことも出来ないが。列車は新竹を過ぎて、台湾海峡に近いところを走っている。新竹は台湾のシリコンバレーと呼ばれているが、風城(風の町)の異名を持ち、風の強いところであるらしい。車窓から風力発電の風車がいくつも見える。


台湾海峡沿いには風車

竹南を出発すると、海線と山線とに分かれる。この列車は山線を行く。周りが山になったので、山陽本線でも走っているかのようだ。地勢だけ見れば日本のようだが、建物があれば、やはり異国のものである。苗栗を発車。次の停車駅で降りるが、窓側の席には誰も来ないので席を移る。やはり窓側の席に限る。線路を大幅に付け替えた区間があり、長い隧道を走る。


山線だけあって、山間を走る


自強號から區間車に乗り換え (豐原)

隧道で山を越えてゆき、豐原に13時10分到着した。この駅で随分客が降りる。高鐵の駅がない町では、今も臺鐵の利用が多いのだろう。改札氏に「松山→樹林」、「樹林→豐原」の2枚の切符を渡して出場する。ここで各駅停車の區間車に乗り換える。日本のように通しで乗車券を購入できないので、自動券売機で隣の潭子までの切符(15元)を買う。豐原と言えば樺太東線の豐原驛を思い出すが、台湾にも豐原驛(現在は豐原車站)があったのだ。日本にも東北本線に豊原駅(栃木県那須郡那須町)がある。


台中線(山線) 豐原車站 (台灣省台中縣豐原市)
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改札前の売店(7-ELEVEN)には「関東煮」だけでなく、「おでん」の文字も見える。さて、今度は自動改札機から入場して、月台で列車を待つ。風も強くて寒い。台湾で寒いことはないだろうと思って薄着し過ぎた。やはり11月である。関東煮(かんとだき)も旨かろう。豐原13時37分発の區間車2159次に乗車する。ロングシートの無粋な電車だが、開放感はある。各駅停車の旅もいいなと思う。18きっぷの旅に慣れているからか。一駅だけ乗って、13時42分、今日の目的地の潭子に到着した。 (つづく)


台中線(山線) 潭子車站 (台灣省台中縣潭子鄉)
いずれも民國96年11月27日撮影