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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

真田騒動-恩田木工

2016年08月15日 15時41分43秒 | ■読む
池波正太郎著、東方社刊 1956年(昭和31年)に発表された史実に基づく小説です。池波さんのものでは初めて直木賞候補となった作品です。私が2歳頃の作品ですが、史実を元に大胆に脚色したもののようです。本作品の見所は、主人公の人柄と大役を背負うに至った経緯の描き方です。藩の政の中心から少しずれた居場所から冷静に状況を観察し、大事な時に一手を講じる慎重で時に大胆な主人公の性格を描いています。また、大役を . . . 本文を読む
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ザ・ターゲット 陰謀のスプレマシー/DVD

2016年08月14日 19時43分30秒 | ■見る
ザ・ターゲット 陰謀のスプレマシー/DVD 2012年製作のアメリカ、カナダ、ベルギーの共同製作作品です。主人公のローガンが、ある日会社に出勤すると、会社が影も形もなくなっています。見ている方もびっくりです。次第に明らかになって行くローガンの正体と、不可解な事態の真相。なかなか凝った脚本です。主演のアーロン・エッカートが堅実な演技を見せ、娘役のリアナ・リベラトも難しい役どころをしっかり演じています . . . 本文を読む
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イエスの裔

2016年08月13日 17時22分38秒 | ■読む
柴田錬三郎著 直木賞の受賞作品を読み進めていましたが、本作がなかなか見つからず、図書館の全集で読みました。昭和26年発表の作品です。下記URLによれば「『イエスの裔』は芥川賞と直木賞の両方の候補となったが天秤にかけて直木賞を受賞し、その後選考委員となる。」とあり興味深い。「御家人斬九郎」を朗読で聞きましたが、他の作品を読んだことがありません。もっぱら時代小説で斬新な作品を発表したとのこと。 本作品 . . . 本文を読む
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白鯨との闘い/DVD

2016年08月12日 20時53分43秒 | ■見る
2016年公開のアメリカ映画です。「白鯨」を下敷きにした映画で、細部にまで神経を配った非常にリアルな作品です。船が沈没するシーンは少しハテナ?を感じましたが。俳優も素晴らしく、CGがリアリティを生み出す範囲で巧みに使われています。見応えのある作品でした。 ---------------------------------------------------- URL => https://ja.w . . . 本文を読む
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世界一周の誕生 グローバリズムの起源

2016年08月11日 17時34分54秒 | ■読む
園田英弘著、文春文庫刊 グローバリズムが凄まじい勢いで深化していますが、その端緒となった19世紀の交通と通信、主として交通によって実現した「小さな世界」の出現を描いています。イギリスが主であるものの、その対抗者してのアメリカ合衆国。更に対抗者としてのカナダ。それぞれの社会の状況と交通事情、技術の進歩が織りなして、急速な発展が遂げられました。主要な要素である蒸気機関車と蒸気船の誕生と発達。それらが組 . . . 本文を読む
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ぼくのエリ 200歳の少女/DVD

2016年08月10日 20時47分01秒 | ■見る
2008年公開のスウェーデン映画です。孤独な少年が吸血鬼の少女(本当はそうでないそうですが・・・)に出会い、世界が動き始めます。身につまされる現実と不可思議な吸血鬼の存在が、形が異なるだけで本当は同じ切実さを秘めている。それで少年と吸血鬼の孤独が響き合い・・・。淡々とした描写と美しい音楽が相まって、独自の世界を作り出しています。 ---------------------------------- . . . 本文を読む
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虐殺器官

2016年08月09日 19時17分26秒 | ■読む
伊藤計劃著、早川書房刊 久し振りに読んだ何とも不思議なタイトルのSF小説です。しかも初めての著者です。カバーの絵と惹句から予想した内容とは全く異なり、戸惑いながら読み進めました。しかも様々な概念や思念が交差する一人称の世界に中々馴染めないまま半ばまで読み進めました。SF的な道具立てと虚構の世界を見事に構築していますが、内面世界を延々と読むのは好みではないので結構な時間が掛かりました。多分に年齢故の . . . 本文を読む
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ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

2016年08月08日 20時10分21秒 | ■見る
2007年公開のアメリカ映画です。カザフスタンの田舎町に住むテレビレポーターのボラットが、アメリカ文化を学ぶために渡米します。行った先々で巻き起こす騒動が凄い。非常にリアリティがあるのでドキュメンタリー調の製作方針かと思ったら、下記URLによれば、その多くは普通の人を欺いて本当にカザフスタンから学びに来たと思い込んで取材協力したとのことです。それで、実際にひんしゅくを買ったり投げ飛ばされたり、警察 . . . 本文を読む
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黒澤明と『用心棒』 ドキュメント・風と椿と三十郎

2016年08月07日 17時33分01秒 | ■読む
都築政昭著、朝日ソノラマ刊 同著者の「黒澤明と『七人の侍』」を読んで感動し本書も手に取りました。同様に丹念な取材により製作の現場を再現しており、正にドキュメントの感があります。また、(作品によっても、監督によっても異なるでしょうが)映画監督の役割と求められる資質が理解出来ます。そして黒澤監督が聖と俗、虚と実、シリアスとユーモアといった対極の要素を組み合わせて、独りよがりに陥らない名作を生んだのだと . . . 本文を読む
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MI5 世界を敵にしたスパイ/DVD

2016年08月06日 20時25分45秒 | ■見る
2014年製作のイギリス映画です。シリーズ3作目で、いよいよジョニーが勝負に出ます。パートナー役のヘレナ・ボナム・カーターが素晴らしく、改めて名優だなぁと感じました。出演者が皆、脚本と演出を生かして繊細な演技をしており充実した作品に仕上がってます。結末はほろ苦くリアルです。 -------------------------------------- URL => http://eiga.com/ . . . 本文を読む
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大人のための新オーディオ鑑賞術

2016年08月05日 19時14分58秒 | ■読む
たくきよしみつ著、ブルーバックス刊 たくきさんの「デジカメに1000万画素はいらない」を読んだことがあります。主張が具体的で分かり易く実践的で参考になりました。本書も同様です。オーディオの趣味は幅が広く奥行きも深い。本書は、普通の人が快く音楽を聴くために、コンピュータと昔ながらのアンプやスピーカーを組み合わせる方法を提案しています。また、オーディオの書籍などで微に入り細に入った分析や見解の一部につ . . . 本文を読む
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MI5 灼熱のコンスパイラシー/DVD

2016年08月04日 19時34分20秒 | ■見る
2014年製作のイギリス映画です。シリーズ2作目とのことですが、残念ながら一作目は見ていません。MI5の高官ジョニーが政府にとって不都合な情報を知ったが為に、逃亡生活を送っているあるイギリス領の島が舞台です。そこは、マネーロンダリングの舞台となっており、曰くありげな男達が集まり、ジョニーが巻き込まれて行きますが・・・・。 連作なので初めは戸惑いましたが、そう入り組んだ話ではないので本作の核心に迫る . . . 本文を読む
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インクジェット時代がきた!

2016年08月03日 19時33分27秒 | ■読む
山口修一、山路達也著、光文社新書刊 山口修一さんは、エプソンでインクジェットプリンターの開発と製品化に取り組み、後に独立してインクジェットコンサルタントの会社、マイクロジェットを設立したそうです。また、山路達也ライターとしてさんは山口さんの話や関連事項を取材し本書をまとめているようです。 近年話題となっている3Dプリンターに興味があって本書を手に取りましたが、読み進めるにつれ驚きの連続でした。イン . . . 本文を読む
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レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース/DVD

2016年08月02日 18時36分39秒 | ■見る
2010年製作のフィンランドの映画です。サンタクロースが主題の映画ですが、びっくりな設定です。ホラーっぽい脚本ですが、ぎりぎりのところで娯楽作品にしています。主人公の少年を演じた子役やその父親など、存在感とリアルさがあって素晴らしい。脚本は無理な部分もあるものの良く出来ています。批判的に見ると突っ込みどころ満載ですが、私は楽しめました。 ------------------------------ . . . 本文を読む
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太陽の村

2016年08月01日 18時53分34秒 | ■読む
朱川湊人著、小学館文庫刊 直球ど真ん中のオタクが主人公の不思議な物語です。オタク振りの描写が真に迫っています。もしかして筆者もオタクではないかと思ってしまいました。そして、主人公の鬱屈した感情や閉塞感、捨て鉢な生き方の一部は、読者のほとんどが共有できるのではないかと思います。(私は結構ありました)その主人公が乗り合わせた飛行機が墜落し、気が付いたら不思議な島の浜辺に打ち上げられていた。物語はそこか . . . 本文を読む
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