
中西健太郎撮影&著、MPミヤビパブリッシング刊
日本人にとって身近な食材である昆布は、そのほとんどが北海道で採取・加工されているそうですが、その中でも最高級品とされる物の産地は羅臼だそうです。その昆布の生産地の中で、知床半島の最北部にあり、連絡道路も社会インフラも無い赤岩地区で昆布の採取と加工を追った写真集です。
1996-2003年までの毎夏、アルバイトで昆布加工に参加し、最初の3年間は仕事を覚えることに精一杯で、自由に写真を撮れるようになったのは5年目からとのこと。参加した頃、著者は25歳で、体力があったはずですが、その仕事は過酷であったそうです。
本書は写真集なので、写真に短い説明が添えられていますが、写真を見ながら読むと、厳しい労働の一端が伝わって来ます。何よりも、実際に仲間として労働に参加したことで、被写体となった人々との距離が近付き、侵入者から仲間になったことで、作品の在り方を大きく変えたのではないかと察せられます。
静けさの中に、人々の営みの重さが感じられました。
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○中西 建太郎 写真展 ○昆布の産地
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評価は4です。
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〇カメラまかせ 成り行きまかせ 〇カメラまかせ 成り行きまかせその2
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