読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

買おうかどうか

2015年11月08日 16時28分09秒 | ■読む
岸本葉子著、双葉社刊
本書は、「小説推理」に2007年6月号から2009年5月号まで連載されたものをまとめて2009年に出版したとのこと。下記URLによると岸本さんは1961年のお生まれなので、46から48歳に掛けての執筆らしい。女性のエッセイは酒井順子さんや大田垣清子さんのものが面白く何冊か読みましたが、名高い岸本さんの作品は初めてです。本書は岸本さんの商品購入のきっかけと選択のプロセス、その結果が手際良く楽しく述べられています。
本書を読むと、岸本さんは健康の基礎である食に非常に気を遣い、環境保護の観点から無駄な消費を避ける方で、物欲とお金の板挟みで彷徨う私とは対極にある慎重な消費性向をお持ちのようです。そして、購入する時は原則的に徹底的に調べて納得ずくで購入するとのこと。しかし、購入商品が期待に反したり、期待以上だったりと、結果は様々です。登場する24の顛末で、岸本さんのように聡明で慎重な方でも失敗することがあると感じ安心しました。
登場する商品は、アロマオイルやホームベーカリーなど女性の購入が主なものの他、パソコン、人間ドック、インターネット接続サービス、スーツケースなど性別に関係ないものも登場します。買う以上は、自分のポリシーに合ったものとのこだわりが強く、なるべく良い商品をという岸本さんが、購入時のトラブルや成り行きを語っているヶ所が本書の面白いところです。
じっくり時間を掛けて検討した上で商品を購入した方が失敗が少ないのは言うまでもありませんが、値段、性能、耐久性、デザインなど多くの要素があって、何にウェイトを置くかにその人の価値観が反映します。だから何を買ったからこうなるということは出来ません。生きることは時間を含め、消費活動の積み重ねだと言うことが出来ると思います。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/岸本葉子
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評価は4です。
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