goo blog サービス終了のお知らせ 

読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

狼は瞑らない

2009年10月18日 18時49分47秒 | ■読む
樋口昭雄著、角川春樹事務所刊
たまたま手に取り、粗筋を読んで購入した本です。冒険小説の王道を示す典型的な作品です。そして、人が生きて行く悲しみを深く感じさせる佳作です。
-----------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/樋口明雄
     http://www1.odn.ne.jp/scale/higuchi.htm
-----------------------------------------------
2008年、「約束の地」で、第27回日本冒険小説協会対象を受賞しているとのことなので、楽しみが増えました。
さて、主人公の佐伯は、SPとして勤務中狙撃され、命を落としそうになった。何とか命を取り留めた佐伯は、山岳警備隊に入隊し、遭難者の救助に取り組む。仲間には、同期の正岡がおり、幼い日に遭難しそうになった佐伯を救助した深森がいた。山岳救助隊に属した佐伯にかつての面影はなく、仲間は佐伯を「オロク」と呼ぶ。死人と。
そんな折、謎の男たちが佐伯を抹殺しようとして、山にやって来た。寡黙で心を開かなかった佐伯が心を開いた杉浦は、誰にも言えない任務を帯びていた。台風に襲われた山岳で、男達の命を賭けた戦いが始まった。
こんな感じで物語が進みます。陰謀と山岳、心の傷と欲望。冒険小説の醍醐味は、単なる冒険譚にあるのではなく、登場人物が背負っている世界観が、戦いの中でどのように発露するかにあるのだと思います。だから、主人公のキャラクターの陰影が深い作品ほど、心に残る名作となるのだと思います。本書は、そうした心に残る作品に一つであると思います。
評価は5です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カタコンベ | トップ | ハリー・ポッターと秘密の部... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

■読む」カテゴリの最新記事