
南里空海著、世界文化社刊
「シルクロード」という言葉は、様々なメディアに登場しているので、知らない日本人はあまりいないことと思います。私の世代は、NHKの「シルクロード」という番組で印象深く記憶しています。音楽は喜多郎さん、ナレーションは石坂浩二さんでした。乾ききった砂漠や峻険な山々を越えて、長大な距離隔てた西と東の文明をつなぐ「絹の道」を辿る旅は、大いに旅情を刺激しました。また、砂漠地帯のオアシスでは、山々の雪解け水を、地下のトンネルを延々と築いて導き、豊かな緑の恵みを実現している、という場面など、本当に驚きました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/NHK特集_シルクロード
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著者の南里さんは、恐らく、そうした番組を見た、私と差ほど違わない年代の方ではないかと思います。本書に掲載された写真を見ても、そう感じます。南里さんは「家庭画報」の編集者を経てフリーランスになったとのことで、本書以外の著作は、
●伊勢の神宮 ― 祈りの心・祭りの日々日本人の原点回帰を求めて(世界文化社)
●ヴァチカン ― ロ-マ法王、祈りの時(世界文化社)
●京の雅・冷泉家の年中行事 ― 冷泉布美子が語る(集英社)
があるそうです。本書の著者紹介の一部に『日本人の魂の原点を求めて足掛け?年に及ぶ取材をまとめた「伊勢神宮」など。』と紹介されています。本書も、日本の文化を形成する大きな要因となったシルクロードを探求したと考えられます。
さて、本書はシルクロードの始まりである西安から西に向かい、チベット高原の北をよぎり、隣国のカザフスタンに入るまでの、3つのルート、すなわち天山山脈の北側を通る天山北路、同じく南側を通る天山南路、天山山脈と崑論山脈間のタリム盆地の南沿いの西域南道という、シルクロードのまちを巡る旅であったのでした。それらの主な都市は以下の通りです。
ハミ、トルファン、ウルムチ、敦厚(とんこう)、蘭州(らんしゅう)、ホータン、カシュガル、クチャ、伊寧(いーりん)、西安
これらの都市を、飛行機や車などで移動したのですが、その全行程は一万二千キロメートルに上るそうです。非常に過酷な旅であったようです。多く掲載されている写真は、同行したカメラマンの作品とのことですが、砂漠や牧草地、日の出と日没、険しい山など、驚くほどの自然の有様や、仏像、遺跡、建造物など、誠に充実したものでした。
そして、著者が語っているように、何よりも、旅先でお世話になった、出会った人々が素晴らしいのでした。シルクロードにある都市は、金髪碧眼の人々や中東系、モンゴル系、漢族など人種のルツボで、それぞれの地方に独自の文化を保持しているとのことでした。
人が生きることとはどういうことか、と深く考えさせる著作でした。
「シルクロード」という言葉は、様々なメディアに登場しているので、知らない日本人はあまりいないことと思います。私の世代は、NHKの「シルクロード」という番組で印象深く記憶しています。音楽は喜多郎さん、ナレーションは石坂浩二さんでした。乾ききった砂漠や峻険な山々を越えて、長大な距離隔てた西と東の文明をつなぐ「絹の道」を辿る旅は、大いに旅情を刺激しました。また、砂漠地帯のオアシスでは、山々の雪解け水を、地下のトンネルを延々と築いて導き、豊かな緑の恵みを実現している、という場面など、本当に驚きました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/NHK特集_シルクロード
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著者の南里さんは、恐らく、そうした番組を見た、私と差ほど違わない年代の方ではないかと思います。本書に掲載された写真を見ても、そう感じます。南里さんは「家庭画報」の編集者を経てフリーランスになったとのことで、本書以外の著作は、
●伊勢の神宮 ― 祈りの心・祭りの日々日本人の原点回帰を求めて(世界文化社)
●ヴァチカン ― ロ-マ法王、祈りの時(世界文化社)
●京の雅・冷泉家の年中行事 ― 冷泉布美子が語る(集英社)
があるそうです。本書の著者紹介の一部に『日本人の魂の原点を求めて足掛け?年に及ぶ取材をまとめた「伊勢神宮」など。』と紹介されています。本書も、日本の文化を形成する大きな要因となったシルクロードを探求したと考えられます。
さて、本書はシルクロードの始まりである西安から西に向かい、チベット高原の北をよぎり、隣国のカザフスタンに入るまでの、3つのルート、すなわち天山山脈の北側を通る天山北路、同じく南側を通る天山南路、天山山脈と崑論山脈間のタリム盆地の南沿いの西域南道という、シルクロードのまちを巡る旅であったのでした。それらの主な都市は以下の通りです。
ハミ、トルファン、ウルムチ、敦厚(とんこう)、蘭州(らんしゅう)、ホータン、カシュガル、クチャ、伊寧(いーりん)、西安
これらの都市を、飛行機や車などで移動したのですが、その全行程は一万二千キロメートルに上るそうです。非常に過酷な旅であったようです。多く掲載されている写真は、同行したカメラマンの作品とのことですが、砂漠や牧草地、日の出と日没、険しい山など、驚くほどの自然の有様や、仏像、遺跡、建造物など、誠に充実したものでした。
そして、著者が語っているように、何よりも、旅先でお世話になった、出会った人々が素晴らしいのでした。シルクロードにある都市は、金髪碧眼の人々や中東系、モンゴル系、漢族など人種のルツボで、それぞれの地方に独自の文化を保持しているとのことでした。
人が生きることとはどういうことか、と深く考えさせる著作でした。
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