
松田賢弥著、講談社+α文庫刊
「人は見た目が9割」という本を読んだことがあります。タイトルが強烈で、内容は全く覚えていませんが、見た目は大事なことは確かだと思います。
菅さんは見た目が良いとは言い難いと思いますが、そのために、総理大臣になってから随分損をしたと思います。
しかし、私の上司であった人々で、見かけ通りの人は一人もいませんでした。
頭がもの凄く切れるが、小柄で容貌が並より大分劣る人は、常に相手を押さえ付ける行動を、計算ずくでとっていました。
頭が良く長身でインテリ風の容姿であった上司は、非常に淡泊な人で、敵を作らず無理をしない人で、水準以上の仕事をしましたが、全力を尽くして仕事に取り組む姿を見たことがありませんでした。
長身で、頭と性格の悪い上司は、年をとるに従って人相が悪くなり、見た目と行動がぴったり合って、周囲を苦しめましたが、これは例外と思います。
この様に、普通の社会人の集団にも多彩な人々がいるのですから、政界は、定めし個性的な政治家で満ち溢れていることでしょう。
最近の政治家の経歴を見ると叩き上げの人物は少なくなり、かなりの教育を受けた人が増えています。
恐らく、自由主義の先進国全般の傾向であろうと思いますが、学歴は、読み書きと理解力、論理の構成、弁論の能力とかなりの関係性があると思います。
昔の政治家は、それらの能力と言動が全く一致しておらず、見た目を大いに裏切ることが多かったように思います。
その意味で菅さんは、そうした希なタイプに属する人物とみることができると思います。
安倍さんの後を継いだ菅さんは、なんとも稚拙な弁舌で、残念なオーラをまき散らしていたように思います。
本書では、菅さんの政治家としての信条と行動を知る限り、現実的かつ最適解決方法を目指し、官僚の視野の狭い論理を打ち砕きて突き進んだようです。
「仕事師」という感じでしょうか。
私はそのような人物にも魅了を感じます。
さて、そのような菅さんの実際の姿を知りたくて、本書を手に取りました。
著者は私と同じ年齢で、本書を読む限り、「進歩的」な考え方をお持ちのようです。
そのため、阿倍さんと菅さんの、防衛に関する考え方と行動に否定的です。
本書では、菅さんの生い立ちを丹念に追い、菅さんが東京で苦学をしながら大学に在籍していた当時から今日までを、菅さんと関わりのあった政治家を中心に、その足跡を辿っています。
その際に、当然著者の価値観から見た評価が紛れ込んでいるものの、かなり客観的な書きぶりのようです。(事実の羅列ではないということです)
最初は幾分迂遠な感がありましたが、菅さんを理解する為に必要な予備知識であったと、読了してから感じました。
菅さんを理解することに役だったように思います。
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○人は見た目が9割 ○菅義偉 ○松田賢弥
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評価は3です。
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