読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

コクリコ坂から/劇場

2011年07月18日 21時02分21秒 | ■見る
楽しみにしているジブリの作品なので見に行きました。企画と脚本が宮崎駿さんで、監督が息子の宮崎吾郎さん。親子で作る作品を見るのは、偉大な父親とその息子の葛藤をのぞき見するようで、少し緊張してみました。そして、もう一つ。恋愛作品は苦手なので、どうかなぁ、という後ろ向きな気分が・・・。しかし、作品は見事な出来でした。あえて難を挙げれば、画面に奥行きが感じられなかったことです。それ以外は、音楽を含め、誠に素晴らしい作品でした。
作品の背景は、東京オリンピック(1964年)の直前のようです。(映画を見ると分かります。)その当時、高校生の男女が主人公なので、私よりも10歳程度年上の人達の物語です。だから、昭和の薫りに満ちた町並みや暮らしぶりが、私の記憶と重なっています。旧制中学の雰囲気が色濃く残っている(名門と思しき)高校生達、真っ直ぐな生き方などなどが、画面から私の心に激しく流れ込んで来ました。
宮崎駿さんを巡っては、学生運動の世代であるため、批判的な論調もありますが、当時の学生運動を突き動かしていた主張と思われる、宮崎さんの世界観を孝行の理事長が代弁しています。そして、今となっては過去の遺物となった、聡明で多感で不器用な、そして、真っ直ぐに人生と世界を問う若者達のひたむきな姿が、生きる意味を問いかけているように感じました。予定調和的な脚本ではありますが、宮崎さんが、この恋愛物語に仮託したのは、そこにあるのではないかと思います。このような作品を見ると、私自身の拙い青春時代の来し方が悔やまれる一方、現在とこれからの生き方を見つめ直す切っ掛けとなったように感じます。すでに成人した私の子供達にも見せたい作品です。
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URL => http://kokurikozaka.jp/
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評価は5です。

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