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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

新装世界の伝記23 高橋是清

2012年01月28日 18時16分02秒 | ■読む
中沢みち夫著、ぎょうせい刊
高橋是清の名は、様々な所で目にしました。その偉大な足跡が、明治から昭和に掛けて残されています。本書は、その生い立ち、気質、考え方、業績を平易に紹介しています。
1854年(嘉永7年:江戸時代)に生まれ、昭和11年に起きた2.26事件で暗殺されました。生い立ちは、幕府の御用絵師の子として生まれたものの、故あって仙台藩の足軽の養子となった。やがて横浜の居留地内でアメリカ人の塾で英語を習い、後にアメリカへ留学します。アメリカでは騙されてさんざん苦労しますが、帰国後に文部省に入り、官僚としての道を歩み始めますが、その後の経歴は、誠に起伏に富んでおり、一方ならず苦労を重ねます。20代は酒に女性に耽溺したようです。
数々の経験が高橋の見識を深めたにしても、頭角を現したのは日本銀行に入行してからのことでした。その後、日本政府は日露戦争の戦費調達のために外債を発行を予定しますが、その引き受け先を求めて単身欧米に渡り、見事に任務を果たします。その功績により貴族院議員に勅撰され政界入りします。これによって高橋の政治家としての経歴が始まりましたが、若いときからの海外での見聞や経験が、国家の経済を切り盛りする際に大いに役立ったようです。
今日、政府が国債を発行し日銀がこれを引き受けるという手法は禁じ手とされているそうですが、昭和の軍備増強で歳入を確保するために、高橋が考えついたのがこの方法だそうです。その苦い記憶が、現在の日銀の幹部の念頭にあるのだろうと思います。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/高橋是清
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評価は4です。

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