■中島敦が『山月記』を発表したころと前後して、新興俳句の開拓者、富澤赤黄男は〈日に吼ゆる鮮烈の口あけて虎〉あるいは〈密林の詩書けばわれ虎となる〉という句を発表しました。
観念の形象化を目指し、独特の絵画的詩世界が創出され、耽美と幻想が高度に結晶化しています。
全句業を展望しても千句に満たない富澤赤黄男の句群は、俳味より詩趣に軸足を置き、詩的圭角の濃密な作品ばかりです。
富澤赤黄男はやがて、代表作〈蝶墜ちて大音響の結氷期〉、〈瞳に古典紺々とふる牡丹雪〉の句境に到達します。
〈富澤赤黄男 ―― 密林の虎〉_1
〈富澤赤黄男 ―― 密林の虎〉_2
〈富澤赤黄男 ―― 密林の虎〉_3
観念の形象化を目指し、独特の絵画的詩世界が創出され、耽美と幻想が高度に結晶化しています。
全句業を展望しても千句に満たない富澤赤黄男の句群は、俳味より詩趣に軸足を置き、詩的圭角の濃密な作品ばかりです。
富澤赤黄男はやがて、代表作〈蝶墜ちて大音響の結氷期〉、〈瞳に古典紺々とふる牡丹雪〉の句境に到達します。
〈富澤赤黄男 ―― 密林の虎〉_1
〈富澤赤黄男 ―― 密林の虎〉_2
〈富澤赤黄男 ―― 密林の虎〉_3