阪神間で暮らす

テレビを持たず、ラジオを聞きながら新聞を読んでます

I am not Abe.   官邸に逆らえば更迭

2017-06-07 | 日記




 世界に対し、安倍首相がやっていることが本当の日本の姿じゃないと思い、 『 I am not Abe、 』 と声をあげる。


  「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれは、もう私は総理大臣も、そりゃもう、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」


  14年の選挙の時は『来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。私はそう決意しています。』 と言っていた。


  元官僚の古賀茂明氏は氏の著書「国家の暴走」に安倍首相の事を
  「この人物は、いとも簡単に、しかも堂々と、嘘をつける人間なのだ。」 と書いている。


 安倍政権が進めるアメリカのためのTPP批准に反対します。


  忘れていませんよ、12年の選挙時に貼られたポスター、どうなっているでしょう。
  言っている事とやっていることがさかさま。安倍自民は単にアメリカの隷属政党。

  「日本を耕す自民党」と言うのは外資に対し日本から搾取しやすいようにする。事か?
  「ウソつかない。」自体が嘘



  TPP、ISD条項で日本の国家主権は破壊されコングロマリットの餌食に
  

  農業だけじゃないよ、食料、医療、特許、環境、労働、投資、衛生植物検疫、越境サービス など21分野

  自民党が2012年暮れの衆議院選挙で公約したTPPに関して、自民党のウェッブをチェックしよう。

   
 拡大すると
   



 安倍政権の進めるアメリカのための戦争法施行および帝国憲法への改憲に反対します。



 〈あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。世界によって自分が変えられないようにするためである〉ガンジー

 〈一番こわいものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られてしまうことの方かもしれません〉アメリカで医療破産したある女性(堤未果、ルポ貧困大国アメリカⅡより)




 06/07(水)

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機を見るに敏 小池知事&橋下前市長の政権批判が始まった  【日刊ゲンダイ】

 JNN調査で約9ポイントも下落――。さすが機を見るに敏な“風頼み”の2人だ。内閣支持率の急落という風向きの変化を見越したように、小池百合子都知事と橋下徹前大阪市長が、加計学園疑惑をめぐる安倍政権のデタラメ対応をクサし始めた。

 互いに先週末の都議選の応援演説で、政権批判を展開。小池知事は4日、多摩方面を中心に12カ所を行脚し、応援演説で必ずこう切り出した。

 「今もモメていますね。永田町と霞が関との間で、やれ『書類があるのないの』『怪文書だ』などといろいろなことをやっています。しかし、基本は資料はすべて(残して)置いておく。それを公開するのが大前提ということにしてこそ、新しい東京の大改革が始まる。皆さま、いかがでしょうか」

 安倍政権の「あったものを、なかったことにする」という流儀を揶揄しながら、自らの改革アピールにつなげるとは、いかにも小池知事らしい。1日の総決起集会後の囲み取材で、記者に「『ブラックボックス化の自民VS透明化の都民ファースト』ととらえてよいか」と聞かれ、小池知事は「いいことを言ってくれますね。ありがとうございます」とご機嫌だった。

■橋下氏は安倍政権の“公私混同”批判

 橋下氏は3日の維新の総決起大会で「政府・与党の対応の仕方は問題だと思う。『文書がなかった』とか、そんなわけないじゃないですか。『総理のご意向』で動いたのは間違いない」と切り出し持論をまくし立てた。

 「役所が『できない』というのを動かすのが政治家の仕事。僕だって、大阪府庁と市役所のあらゆる文書に『橋下氏のご意向』といっぱい入っていますよ。指示を出したのは当たり前じゃないですか」

 官邸のトップダウンを肯定しつつも、「問題は自分の友人が仕事を請けてしまったこと。よくゴルフに一緒に行っている加計さんにあえて引いてもらった方(=辞退)が格好良かった」と、安倍政権の「公私混同」を批判した。

 「次期首相候補」との声も上がる東西を代表するパフォーマンス政治家の参戦で、政権の凋落は加速するのか。
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 口だけ政治家、橋下のやった事はでたらめだった。将来の首相と言われる小池はどうなの?
 


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レイプ捜査もみ消し 疑惑の警察官僚は古賀氏排除でも暗躍  【日刊ゲンダイ】

 安倍首相と昵懇の元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(51)をめぐるレイプ事件もみ消し疑惑に、新事実が浮上した。2015年6月の逮捕寸前、警視庁高輪署員に「待った」をかけたとされる中村格刑事部長(現警察庁組織犯罪対策部長)が、安倍政権に批判的な元経産官僚の古賀茂明氏の排除にも動いていたのである。

 古賀氏は15年1月の「I am not Abe」発言をきっかけに、テレビ朝日の「報道ステーション」を降板。その経緯を新著「日本中枢の狂謀」(講談社)で明かしているのだが、古賀氏のクビを決定づけたのは、番組放送中にテレ朝上層部に届いた菅官房長官の秘書官からの抗議メールだったという。この送信主が当時秘書官だったレイプ問題の中村氏、その人なのだ。

 5日、日本外国特派員協会で会見した古賀氏はこう話した。

 「抗議のメールをした秘書官のひとりである中村格さんが、いま話題の中村さんです。安倍政権の中枢と非常に親しい人物であり、菅官房長官の意を受けて圧力をかけた人物であることに非常に驚いた次第です」

■蓮舫代表「しっかり追及する」は口先だけか

 政権に盾突く人間は徹底的に潰しにかかり、親密な関係であれば犯罪行為ですら不問にする。そんな露骨な色分けが許されるはずがない。しかも、レイプ問題は被害者が表に出て告発し、恣意的な捜査の疑いに言及している。野党が厳しく追及すべき事案なのに、民進党は週明けの国会でちっとも俎上に載せなかった。蓮舫代表は「この問題で行政が歪められたのかどうなのか。しっかり追及していく」と言っていたが、口先だけだったのか。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は言う。

 「一連の疑惑が事実だとしたら、この国の三権分立は死んだも同然。中村氏は週刊誌の取材に〈私が判断した〉と答えているのですから、最大野党の民進党が率先して動き、国会に呼んで証言を求めるのが筋です。松本純国家公安委員長が衆院本会議で〈必要な捜査を遂げた〉〈再調査の必要はない〉と答弁したからといって、終わりにするような話ではないでしょう。事実関係の確認から、何度でも質問し続ければいい。政権に一蹴されたら引いてしまうようでは、国民と問題意識を共有していないとしか言いようがありません」

 不正をただす役割の野党が腐敗政権を下支えする体たらく。だから安倍は、この期に及んでもデタラメ答弁をまくし立てていられるのだ。
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 本当に三権分立は無いに等しい、原発停止訴訟や沖縄辺野古訴訟を見ればわかる、地裁レベルでは認められても上級審に成れば訴えた住民は負けている。
 まさに発展途上国の独裁政治になってきた、民主主義は死んだのか。
 


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民進党シンパでさえ嘆き節  【日刊スポーツ】

 ★民進党シンパの法大教授・山口二郎でさえサジを投げようというのが、今の民進党だ。山口の2日のツイッターを見ると「首相を直接追及する、今国会最後のチャンスに、この質問者の人選はないだろう。権力に食らいつくような闘志あふれる政治家はおらんのか」と嘆き、「昼、民進党幹部と会談。もっと性根を据えて戦えと言うと、審議拒否などしようものなら、そのすきに与党はさっさと質疑を進めて、野党不在で採決に持っていくに違いないと反論。テレビや読売、産経も野党を攻撃するだろう。何とか質疑をしながら攻め口を探すしかないという窮状を説明される」と、打つ手なしを憂いている。

 ★しかし、元民進党衆院議員・川内博史がツイッターで指摘するように「野党は、自称ジャーナリスト山口氏の準強姦(ごうかん)事件について、事実関係の確認から国会で質すべき。(1)逮捕状が出ていたのは事実か(2)刑事部長(当時)の指示で逮捕状を執行しなかったのは事実か(3)刑事部長は事件をどう知り得たのか(4)なぜ止めさせたのか(5)刑事部長にその権限があるのか(内規?)」と質問し続けるべきだろう。

 ★少なくとも本会議で質問し、国家公安委員長から「再調査の必要なし」と言われ、委員会で「個別の事案には答えられない」と言われても、国民の疑問を代弁すべきだ。すでに政治は、忖度(そんたく)などのレベルはとうに越え、「あったものを、なかったことにする」という信じられない流儀で国政を進める内閣に対して、ストップをかけられなければ民進党も同罪だということを肝に銘じるべきだ。政権に対して週刊誌が閣僚や政務官を追い込んだことはあっても、民進党が追い込めたものは1つもない。
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 パンティ大臣でさえ何にもなかったがごとく変わっていった、何をしているんだろうね。
 審議拒否しかないんじゃないかと思う、野党の振りした維新を巻き込んで採決するだろうが国民にはそんな状態が見えるじゃないか。
 でもそうすると、民進党は何もしなかった、と選挙民が離れる?地元で地道に訴えれば安倍自公維政権のデタラメさが浮き出るだろう。
 


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官邸に逆らえば更迭…夏の人事で文科省“前川一派”大粛清  【日刊ゲンダイ】

 霞が関にとって、6月は人事のシーズン。「加計学園文書」の流出で官邸の怒りを買った文科省には、粛清の嵐が吹き荒れるとみられ、職員は戦々恐々となっている。

 文科省の前川前次官の捨て身の告発に、心ある官僚が続くことを期待したいが、現役職員は今回の騒動の“とばっちり”を恐れて逃げ腰だ。

 「もちろん、心情的には前川前次官に共感するところはあります。でも、官邸に牙をむくなんて、そんな恐ろしいこと、できるわけがない。この夏の人事でどんな報復が待っているか、分かったものじゃありませんから」(文科省関係者)

 実際、官邸は文科省にカンカンだ。審議官や局長クラスに息のかかった経産官僚を送り込み、文科省を解体するプランも浮上しているという。「加計文書」共有の実名入りEメールを民進党に流出させた犯人捜しにも血眼になっている。

 例年、通常国会が閉じると、中央省庁の人事異動が行われる。

 安倍官邸は内閣人事局の創設で幹部の人事を掌握し、霞が関に睨みを利かせてきた。官邸の方針に逆らえば左遷、忠犬のように働けば昇進というアメとムチ。そういう情実人事で官僚機構を支配下に置き、かつては政権を潰す力をも持っていた財務省も軍門に下った。某省の幹部職員が言う。

「大臣が了承した人事案も、菅官房長官が首を縦に振らないと通らない。官邸の意向を反映するまで、何度でも突き返されます。財務省、経産省のような主要省庁だけでなく、昨年はTPP関連で、農水省人事にまで手を突っ込んで、霞が関を震え上がらせた。官邸の方針に抵抗した局長を飛ばして、経産省から幹部を送り込み、農水省を事実上の“子会社化”したのです」

 安倍首相は1日、ニッポン放送の番組収録で一方的な前川批判を展開。「次官であれば、『どうなんですか』と大臣と一緒に私のところに来ればいい」「なんでそこで反対しなかったのか」などと不満をブチまけた。だが、在任中に批判しようものなら、容赦なくクビにするのが、この政権のやり方だ。

 1日、森本康敬釜山総領事を退任させて、後任にドバイ総領事を充てる人事が発表された。

 報道によれば、森本氏が知人との会食の席で、官邸の方針を批判したことが総領事交代の原因とされる。

 「私的な会合での発言まで問題視するのは異常ですよ。誰が密告したのか知りませんが、審議中の共謀罪の懸念がすでに現実のものになっている。また、こういう記事が出ることで、官邸批判は絶対に許さないという霞が関へのメッセージにもなります」(元外交官の天木直人氏)

 しかも、森本氏はノンキャリだ。出世レースや退官後の生活で生殺与奪を官邸に握られたキャリア官僚は、輪をかけて物を言えなくなる。

 「今はまともな行政を取り戻せるかの瀬戸際です。官僚機構が一致団結して抵抗すれば、政権はひとたまりもないのです。官僚は自らの保身や組織防衛より、まず国家国民のことを考えて欲しい。官邸のために体を張った財務省の佐川局長が出世し、公正公平な行政を取り戻そうとした文科省の前川一派が粛清されるようなことがあれば、この国はオシマイです」(天木直人氏=前出)

 霞が関の反乱を潰すために、官邸はどんな手を使ってくるのか。この夏の人事に注目だ。
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 ノンキャリアの私的会合でもチェックしているんだ、キャリアーの職を失いたくなければ言う事を聞け、と言う見せしめ。
 

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まず「3分の2」私の趣味じゃない 石破茂元防衛相  【朝日新聞】

――憲法9条1、2項を残しつつ自衛隊を明記する。安倍晋三首相の提案をどう受け止めましたか。

 どう付け加えるのかわからないから、論評しようがない。2項には「陸海空軍その他の戦力は保持しない」「国の交戦権は認めない」と書いているわけでしょ。仮に3項に「前項の規定にかかわらず」って入れれば、死文化になる。2項と3項がまったく違う。 一種のトリッキーな、少なくとも真摯な立法姿勢とは思えない。誰が今、自衛隊を「違憲だ」って言っているのか。相当少数だと思いますよ。現状追認で書くことは意味がないとは思いませんが、、それによって矛盾を固定化することを恐れます。

――2012年にまとめた党改憲草案では、2項の内容を削除しています。

 自衛隊は国内的には軍隊ではないがヽ国外的には軍隊、と両生類みたいなことを言うのはおかしいと。

 「自衛権の発動を妨げるものではない」との規定を入れたのは、(行使できる自衛権に)個別も集団的もないとの含意があった。当然、2項は削除という議論だった。

――首相は、公明党に理解を得られる現実路線だとの思いがあるようです。

 ホントに公明さんと正面から議論したうえでのことだろうか。最初から理解を得られない、というのは失礼。防衛庁長官として関わった有事法制は、当時の民主党も賛成した。(国会発議ができる勢力の)3分の2からまず入るってやり方は、私の趣味じゃない。

――来年9月には総裁選で争点に掲げて戦うつもりはありますか。

 それまでに党の原案がまとまらないとすれば、テーマになるでしょう。総裁選に絡めて議論するのはイヤなんだよね。でも、そういうことになったらやらざるを得ないけどね。

――衆院選と国民投票の同日実施については。

 憲法改正はそれだけでやるべきだと思っています。国民の歓心を買うような迎合的なテーマで選挙に臨み、セットで9条改正を問うなんて、私は耐えられないほどイヤですね。

――でも党内で首相を批判する声は少ないですね。

 首相は「俺の気持ちがなんでわからないんだ。俺だってこんな改正やりたくない。でも、しょうがない」ときっと思っている。でも、国民を説得するチャレンジをしましたかと言いたい。首相は老練な政治家なんでしょう。私は書生論。でも、私みたいなことを言う者が一人もいないと大変でしょ。今黙っていることが保身につながるのかなあ。


 石破茂 防衛庁長官や防衛相を歴任した自民党内きっての安全保障通。党幹事長も務めた。12年の党改憲草案の起草委員だった。衆院鳥取1区選出。当選10回。
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 戦争おたくの石破にしても功名心にはやる安倍にはついていけない。
 
 

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共謀罪 学問の世界から問う  【朝日新聞】

 政権 満州事変時と重なる論理 歴史学者  加藤陽子さん66)

 政府の怒りの裏にあるものを歴史は教えてくれる。

 国連特別報告者のカナタチ氏が日本に示した「共謀罪」を巡る文書は、プライバシー監視について国際人権法と整合しているか教えてほしいというものです。これに対する日本政府の見解は、文面から怒りの湯気が立つようでした。

 「『共謀罪』は国際組織犯罪防止条約を結ぶため必要だ」と前提を述べ、「なぜ187の締結国にも懸念を表明しないのか」とカナタチ氏をなじったのです。

 国連の委嘱を受けた人物の要求に対しての開き直りの抗議。既視感がある。1931年の満州事変後、リツトン卿が国際連盟の委嘱で報告書を発表した「リットン調査団」その時の抗議と似ています。

 日本は「事変の発端となった鉄道爆破は中国の仕業」という虚偽を前提にしていた。そして「満州国」建設の裏に日本軍がいたと非難されると「他の列強もやったこと」と開き直る。

 「共謀罪」も、実は条約に加わるために不可欠ではないとガイドラインからは読み取れる。前提に虚偽があるから、外からの干渉にあれだけ神経質になる。

 歴史は単純には繰り返さないが、やはり類似点を見いだせる。 一連の応酬は「共謀罪」の本質をあぶり出すように見えます。共通するのは「偽りの夢」と、国民の「人気」です。

 満州事変当時は世界不況。日本の農村も苦しんでいたが、政党内閣には農民を救えなかった。ビジョンを掲げたのが軍部でした。「満州が手に入れば好景気になる」とあおり、国民人気を獲得します。いざ戦争になれば、搾取され徴兵されるのは農民でしたが。

 「見果てぬ夢」を掲げ後戻りできなくなったところで国際連盟の指摘に過剰反応。今と似ていませんか。「五輪で景気が良くなる」と「見果てぬ夢」で国民を期待させ「『共謀罪』でテロを防がなければ開催できない」とあおる。法案成立直前までこぎ着けたのに、国連特別報告者からの「待った」に怒り狂ってしまった。「戦前より民主政治は成熟している。心配は杞憂だ」と言われるけど、思い出してください。1925年に治安維持法を成立させたのはリベラルな加藤高明内閣でした。

 法制局が当初出した案は、条文で「憲法上の統治組織、納税義務、兵役義務、私有財産制を変革する行為」と、犯罪になる行為を限定していた。しかし護憲内閣は「弾圧など絶対しない」と自信があり、結局「国体(天皇を中心とした国のあり方)の変革」というあいまいな処罰対象で成立させてしまう。ツヶは10~15年後に回ってきます。

 きわめて脆弱な法律を、安定した力を持つ政党内閣が自信満々に作ってしまったという怖さ。このおごりを忘れてはいけません。


◇プロフィール
 歴史学者 加藤陽子さん66)

 かとう・ようこ 1960年生まれ。東京大教授で専門は日本近代史。「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」(09年)で小林秀雄賞を上昇。「戦争まで」(16年)で「リットン調査団」と日本政府の対応を論じるなど、明治以降の戦争に関する著作で知られる。
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 がむしゃらに戦争をやりたい安倍自民党は戦争追行の邪魔者を取り締まる共謀罪をやってしまいたい、国民は何が起こっているか歴史に学ばなければならない。
 


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辺野古新基地:翁長知事、工事差し止めで国提訴へ 県議会議決後、7月中に提訴  【沖縄タイムス】

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、翁長雄志知事は7日午後5時から、県庁で記者会見を開き、沖縄防衛局が県の岩礁破砕許可を得ずに工事を進めるのは県漁業調整規則違反だとして、工事の差し止めを求める訴訟を起こすと発表した。

 翁長知事は水産庁が県の照会に対し、全く答えておらず、過去の政府見解などとの整合性が合理的に説明されていないと強調。「許可のない岩礁破砕行為が行われないよう、法的措置を求める必要があると判断した」と語った。

 政府の対応について「なりふりかまわず埋め立て工事という既成事実を作ろうと躍起になっている」と批判。自然豊かな大浦湾の海を埋め立て、県民の手が届かない国有地となることに懸念を示し、「耐用年数200年とも言われる基地の建設は到底容認できない」と力を込めた。

 20日開会の県議会6月定例会へ提訴に必要な議案を提出し、議決後、7月中にも提訴する方針だ。辺野古新基地を巡る県と国の対立は、再び法廷闘争に入る。

 提訴しても、工事が中断するわけではなく、県は判決の出るまでの間、工事を止めるよう求める仮処分も併せて申し立てる。

 県は辺野古海域での工事には岩礁破砕許可が必要と主張。一方、防衛局は名護漁協が1月に同海域の漁業権を放棄したことから「漁業権のない海域での岩礁破砕許可は必要ない」との認識で、期限が切れた4月1日以降、再申請せず、工事を継続している。

 県は5月29日、岩礁破砕許可を申請するよう改めて防衛局を行政指導した。これに対し防衛局は6月1日、埋め立て海域の漁業権は消滅しており、岩礁破砕許可は不要との従来の回答を繰り返した。

 県は当初、潜水などにより明らかな岩礁破砕行為を直接確認できなければ、提訴に踏み切れないとみていた。だが、法律の専門家らとの協議の結果、明確な岩礁破砕行為につながる作業が確認できれば提訴できると判断した。

 県は差し止め訴訟で漁業権を巡る国との解釈の相違を争点に、県の正当性を主張したい考えだ。
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 なぜ7月中なんて悠長な事を言っているんだろう、7月にある那覇市議選の結果を見たいのか。





 Twitterコーナー、ご参考に

 慶應義塾大学経済学部の金子勝教授のツイッター

 元外務省国際情報局局長、元防衛大学校人文社会科学群学群長の
    孫崎享氏のツイッター

 自由党の 小沢一郎事務所のツイッター

 社民党参議院議員 福島みずほ氏のツイッター

 東京新聞 政治部のツイッター

 東京新聞 ほっとwebのツイッター

 市民連合のツイッター

 関西市民連合のツイッター

 SADL大阪のツイッター

 上智大学 中野晃一教授のツイッター

 法政大学法学部 山口二郎教授のツイッター


 その他、こちらもどうぞ 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



昨日の神戸
最低気温  17.0度(04:55) 前日差+1.1度)
最高気温  25.4度(13:35) 前日差-0.4度)

  今朝の神戸最低気温  18.4度 (06:00)  6月上旬並み 平年より0.8度低かった
   、

今日の神戸の
   日の出     4時46分 (昨日 4時46分)
   日の入り   19時10分 (昨日19時10分)

       日の出は昨日と同じ、日の入りは昨日と同じ
   
       

 中国に在った低気圧が朝鮮半島を越えて日本海へ、西の前線が九州にかかり西日本に雨を降らす、関東以北は曇り。
     
     
 明日の朝、低気圧は北海道の東へ移動、前線が九州にから四国沖に、西日本は晴れてくるが中部以東は雨。
     
     
 今日は朝から雨、予報より早い、六甲も上の方は雨雲の中、今日は弱くなったり強くなったり一日中雨。近畿も梅雨入りしたとか。
 今日の神戸の最高気温は22.4度、昨日より3.0度低く、平年より3.6度低い。
 明日は曇りのち雨、朝の最低気温は19.7度、最高気温は25.4度、夜の気温は19.1度の予報。

    
 
 




読売新聞は死んだに等しい

2017-06-07 | いろいろ

ヤメ検で弁護士の郷原信郎氏の「郷原信郎が斬る」より

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読売新聞は死んだに等しい
投稿日: 2017年6月5日


巨大新聞による新聞史上最悪の不祥事

 読売新聞は、1874年創刊で、140年の歴史を有する日本最大の新聞であり、世界最多の発行部数を有する。

 その読売新聞が、5月22日に、「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」と題し、前川喜平前文部科学省事務次官(以下、「前川氏」)が、新宿の「出会い系バー」に頻繁に出入りし、代金交渉までして売春の客となっていたかのように報じる記事を大々的に報じた(以下、「読売記事」)ことに対して、各方面から激しい批判が行われている。

 読売記事は、5月25日、前川氏が、記者会見を開き、加計学園の獣医学部の新設の認可に関して、「総理のご意向」などと記された記録文書が「確実に存在している。」「公平公正であるべき行政のあり方がゆがめられた。」などと発言する3日前に出されたものだった。

 前川氏は、記者会見で、出会い系バーへの出入りについて質問され、出入りを認めた上で「女性の貧困問題の調査のためだった。」と説明したが、菅義偉官房長官は、その翌日の5月26日の定例会見で、前川氏の記者会見での発言に関して、加計学園の獣医学部新設について、「首相の意向」「行政が歪められたこと」を強く否定した上、記者の質問に答えて、

 女性の貧困問題の調査のために、いわゆる出会い系バーに出入りし、かつ、女性に小遣いまで与えたということだが、そこはさすがに強い違和感を覚えたし、多くの方もそうではないか。常識的に言って、教育行政の最高の責任者がそうした店に出入りし小遣いを渡すことは到底考えられない。

 などと発言した。

 読売記事と官房長官発言を受けて、前川氏に対しては、教育行政のトップでありながら、出会い系バーに出入りし、援助交際の相手になっていたことへの批判が高まり、加計学園問題に関する前川氏の記者会見での発言の影響力を大きく減殺する効果を生じさせた。

 一方、会見当日の5月25日発売号で、前川氏の独占インタビューを掲載し、同氏が記者会見で発言する内容を事前に詳細に報じていた「週刊文春」は、翌週の6月1日発売号で、「出会い系バー相手女性」と題する記事を掲載した(以下、「文春記事」)。

 それによると、前川氏が出会い系バーや店外で頻繁に会っていた女性は、生活や就職の相談に乗ってもらっていたと述べ、「私は前川さんに救われた。」と話しているとのことである。読売新聞の記事で書かれているのとは真反対に、前川氏は、出会い系バーに出入りする悩みを抱えた女性達の「足長おじさん」的な存在だったもので、売春や援助交際などは全くなかったとのことだ。しかも、この女性は、前川氏の出会い系バーへの出入りのことが批判されているテレビを見て「これは前川さん、かわいそうすぎるな」と思い父と話した上で前川氏のことを話すことにしたとのことである。文春記事の内容が事実であれば、出会い系バーへの出入りの目的等についての前川氏の説明の真実性が裏付けられたことになる。

 読売記事の掲載は、動機・目的が、時の政権を擁護する政治的目的としか考えられないこと、記事の内容が客観的事実に反していること、そのような不当な内容の記事の掲載が組織的に決定されたと考えられること、という3点から、過去に例のない「新聞史上最悪の不祥事」と言わざるを得ない。



読売記事によって生じる「印象」と「事実認識」

 読売新聞インターネット・サイトの「読売新聞プレミアム」に掲載されていた読売記事は既に削除されているが、改めて、全文を引用する(下線と(ア)~(キ)は筆者)。



   文部科学省による再就職あっせん問題で引責辞任した同省の前川喜平・前次官(62)が在職中、売春や援助交際の交渉の場になっている東京都新宿区歌舞伎町の出会い系バーに、頻繁に出入りしていたことが関係者への取材でわかった。

   教育行政のトップとして不適切な行動に対し、批判が上がりそうだ(ア)

   関係者によると、同店では男性客が数千円の料金を払って入店。気に入った女性がいれば、店員を通じて声をかけ、同席する。

   女性らは、「割り切り」と称して、売春や援助交際を男性客に持ちかけることが多い。報酬が折り合えば店を出て、ホテルやレンタルルームに向かうこともある(イ)。店は直接、こうした交渉には関与しないとされる(ウ)。

   複数の店の関係者によると、前川前次官は、文部科学審議官だった約2年前からこの店に通っていた。平日の午後9時頃にスーツ姿で来店することが多く、店では偽名を使っていた(エ)という。同席した女性と交渉し、連れ立って店外に出たこともあった。店に出入りする女性の一人は「しょっちゅう来ていた時期もあった。値段の交渉をしていた女の子もいるし、私も誘われたことがある」と証言した(オ)。

   昨年6月に次官に就いた後も来店していたといい、店の関係者は「2~3年前から週に1回は店に来る常連だったが、昨年末頃から急に来なくなった」と話している。

   読売新聞は前川前次官に取材を申し込んだが、取材には応じなかった。

   「出会い系バー」や「出会い系喫茶」は売春の温床とも指摘されるが、女性と店の間の雇用関係が不明確なため、摘発は難しいとされる(カ)。売春の客になる行為は売春防止法で禁じられているが、罰則はない(キ)。

   前川前次官は1979年、東大法学部を卒業後、旧文部省に入省。小中学校や高校を所管する初等中等教育局長、文部科学審議官などを経て、昨年6月、次官に就任したが、天下りのあっせん問題で1月に引責辞任した。




 この記事を読んだ多くの人が、「前川氏は、出会い系バーに頻繁に出入りし、値段の交渉をした上で女性を連れ出して売春や援助交際の相手になっていた」と思い、前川氏が「女性の貧困の調査の一環」と説明していることに対して、「見え透いた弁解で、そのような嘘をつく人間の話はすべて信用できない。」と感じたはずだ。

 読売記事では、前川氏の「出会い系バー」への出入りに対する「不適切な行動に対し、批判が上がる」という否定的評価(ア)が、その後の記述で根拠づけられるという構成になっているが、記事の中で、前川氏の行為そのものを報じているのは (エ)と(オ)だけであり、それ以外は、出会い系バーの実態等に関する一般論だ。

 前川氏は、読売新聞の取材に対してコメントしていないが、(エ)の出会い系バーに頻繁に出入りしていた事実は、否定する余地のない客観的事実であり、問題は、それがどう評価されるかであった。

 この点について、「読売記事」は、「出会い系バー」について、売春、援助交際の場となっているが、その交渉に店側は直接関与しないという一般的な実態(イ) (ウ)や、売春を目的とするもので、実質的には違法なのに摘発を免れている理由(カ)、売春の客となることの違法性などの法的評価 (キ)を書いている。それによって、「出会い系バー」の営業実態は「管理売春」であり、摘発は難しいが実質的には違法であり、そこへの男性の出入りは、一般的に売春、援助交際が目的だということを前提にして、前川氏がそのような出会い系バーに出入りしていたという客観的事実から、「売春、援助交際が目的」と“推認”させようとしている。

 一方、(オ)の記述は、独自の「関係者証言」によって前川氏の出会い系バーでの行動という“直接事実”を述べたものであり、まさに記事の核心部分と言える。

 ここでは、「複数の店の関係者」の証言に基づき、前川氏が「同席した女性と交渉し、連れ立って店外に出たこともあった」とされ、さらに、「店に出入りする女性の一人」の証言として、「値段の交渉をしていた女の子もいる」「私も誘われたことがある」と記載されている。

 読売記事は、上記のように、“推認”と“直接事実”の両面から、前川氏の出会い系バーへの出入りが売春、援助交際を目的としていることが二重に裏付けられ、それが「不適切な行動に対し、批判が上がる」という批判的評価(ア)の根拠とされるという構成になっている。



出会い系バーへの出入りだけでは、売春、援助交際の“推認”は働かない

 しかし、文春記事をはじめとするその後の報道で、読売記事の“推認”と“直接事実”は、いずれも事実に反することがほぼ明白になっている。そして、そのことを、記事掲載の段階で読売新聞側が知り得なかったのか、知った上で意図的に、誤った内容を報じたのかが問題となる。

 まず、上記の“推認”に関しては、調査のために全国の出会い系喫茶・バーを取材した評論家の荻上チキ氏の以下のような指摘がある。

 【前川前文科次官「出会い系バーで貧困調査」報道に必要なのは、事実の検証であり人格評価ではない/『彼女たちの売春』著者・荻上チキさんに聞く】 で、萩上氏は、



   出会い系バーは、業者が女性を囲って行われる「管理売春」ではありません。ですので、行っても交渉決裂になることもありますし、めぼしいマッチングに恵まれずただ帰ることもあります。店に行った=買売春した、とはなりません。「バー通い」だけだと、どの行為なのかを外形的に判断はできないですね。



 と述べている。「出会い系バー」を「管理売春」営業のように決めつける上記(カ)の記述は事実と異なるのである。

 また、萩上氏によると、出会い系バーが、多くの女性や男性が、性サービスを対価とした交渉を目的としてやってくる場所であることは間違いないが、売春をせず、ご飯に行ったりお茶をしたり、カラオケに行く、連れ出しが目当てで来る人もいるし、大学生の集団とか、会社員の集団とかで、「エピソードを聞きたい」「実態を知りたい」と調査や取材に来る人もいるとのことである。そもそも、出会い系は、「小遣い」を渡さないと外出できず、話を聞くためだけに店を出ていけないシステムになっており、「教育行政の最高の責任者がそうした店に出入りして、小遣いを渡すようなことは到底考えられない」との菅官房長官の指摘も「正しくない」としている。

 また、前川氏の「女性の貧困の調査のために出会い系バーに行った」との説明について、萩上氏が、そういった調査をやっている萩上氏は、

   別にありえないとは思いませんでした。菅官房長官が「1回、2回で」とか「小遣い渡して」と批判するけれども、仮に調査だったらそんなことはざらにあります。前川氏を否定するあまり、誤った知識を拡散したりするのは違うなと。

 と述べている。

 前川氏が頻繁に出会い系バーに出入りしていたことだけでは、売春、援助交際に関わっていたかのような“推認”は働かない。このようなことは、読売新聞の日頃からの取材で、十分に認識し得た事実のはずなのに、なぜ、そのような事実に反する“推認”を持ち出したのかが問題だ。



前川氏が「値段の交渉」を行ったとの「関係者証言」

 読売記事で書かれている“直接事実”、 前川氏の行動に関する(オ)の記述(値段の交渉をしていた女の子もいる。私も誘われたことがある)に関して重要なことは、その直前の(イ)(ウ)で、「一般的に女性の側から売春、援助交際を持ち掛け、店は直接、こうした『交渉』には関与しない」とされ、そこでの「交渉」というのが、明らかに「売春、援助交際の価格交渉」の意味で使われているので、(オ)の「交渉」「値段の交渉」も、同様に「売春等の交渉」を指していると解されることだ。

 ところが、文春記事によれば、前川氏と3年間で3、40回会った「A子さん」だけでなく、「A子さんから前川氏を紹介された女性」、「前川氏とA子さんが通っていたダーツバーの当時の店員」も、前川氏と女性達との間に売春、援助交際など全くなく、生活や就職等の相談に乗り、小遣いを渡していただけであったことを証言している。

 しかも、前川氏が出入りしていた出会い系バー周辺者を取材して報じているのは、週刊文春だけではない。週刊FLASH6月13日号の記事でも、前川氏と「店外交際」した複数の女性を取材し、「お小遣いを渡されただけで、大人のおつき合いはなし」との証言が書かれている。同記事は、前川氏の独占インタビューを掲載し、その証言価値を維持しようとする動機がある週刊文春とは異なり、何の利害関係もない光文社が発行する週刊誌の記事である。

 読売新聞も、前川氏が出入りしていた出会い系バーの取材をして、「関係者証言」をとったのであれば、上記のような実態が把握できなかったとは考えられない。



読売記事の問題に関する二つの可能性

 そこで、読売記事については、二つの可能性が考えられる。一つは、官邸サイドから前川氏が出会い系バーに出入りしていたことの情報を入手しただけで、何の取材も行わずに(「関係者証言」をでっち上げて)記事にした可能性である。そして、もう一つは、読売記事のとおり、関係者取材をして、前川氏と女性達の関係や売春、援助交際を目的とするものではなかったことを把握していたが、それでは、前川氏が「不適切」「社会的批判を受ける」とする理由がなくなるので、前川氏が「交渉」「値段の交渉」を行っていたという曖昧な表現で(必ずしも「売春、援助交際の交渉」を意味するものではなく、「お小遣いの金額についての話」も「交渉」だと弁解する余地を残して)、前川氏が売春や援助交際に関わっていたかのような「印象」や「事実認識」を与えようとした可能性である。

 前者であれば、「関係者証言のねつ造」という、新聞として絶対に許されない重大な問題となる。後者であっても、前川氏が、売春、援助交際の相手方になっていた事実がないことは把握していながら、「交渉」「値段の交渉」という言葉で、その事実があるかのような露骨に誤った印象を与えたものであり、それも、新聞報道として到底許されることではない。

 結局のところ、読売記事が読者に印象づけようとしている前川氏の「売春、援助交際への関わり」については、“推認”にも“直接事実”にも重大な問題があると言わざるを得ない。



読売記事が、新聞社において組織的に決定された疑い

 今回の読売記事は、社会部が独自にネタをつかんで、裏付け取材して書いた記事が、たまたま大きく取り上げられたとは到底思えない。昨年秋、文科省次官在任中の前川氏が出会い系バーへの出入りに関して杉田官房副長官から厳重注意を受けた事実があることからしても、何らかの形で、官邸サイドからの情報提供が行われたことが契機となった可能性が高く、しかも、既に述べたように、社会部の通常の取材の結果に基づいた記事とは考えられない点が多々ある。政治的な意図によって記事が作成されたと考えられることからも、少なくとも、社会部と政治部の両方が関わって掲載された記事であるとの合理的な推測が可能である。

 しかも、読売記事の内容や、それによって読者に与える事実認識が誤ったものであったことは、結果的に文春記事等によって明らかになったものであるが、もともと、記事の内容自体にも明らかに不可解な点があった。記事では、前川氏が出会い系バーで会っていた女性の取材をして「証言」を得たとされており、もし、前川氏が、売春、援助交際の相手方になっていたのであれば、女性達からその旨の匿名証言が得ることは容易なはずだ。ところが、「核心の事実」である売春、援助交際が行われていたことを正面から書くのではなく、「交渉」「値段の交渉」などと、暗に「売春の交渉」をしていたと思わせる表現にとどめ、直接的な表現になっていない。

 記事に関わった記者、デスク等には、このような不可解な記事を紙面に載せることについて、新聞記者として相当大きな心理的抵抗があったはずである。しかも、読売新聞は、朝日新聞不祥事などを踏まえて、特ダネの危うさを事前に検証する機関も作っているとのことだ。文面上も問題がある今回の記事に対して、チェックが働かなかったということも考えにくい。

 今回の読売記事の問題は、担当者の取材不足や迂闊さ、チェック不足等の問題とは考えられない。記事に重大な問題があることを承知の上で、敢えて記事化され掲載された可能性が高い。

 組織内でこのようなことが起きるのは、通常、何らかの形で組織の上層部の意向が働いた場合である。読売新聞の上層部の方針として、通常であれば絶対に掲載されない記事を、しかも、5月22日という前川氏が政権に打撃を与える発言を行う直前のタイミングで、大々的に報じる決定がされたのではないか。



読売社会部長の「反論」

 文春記事によって、読売記事に対する疑問や批判が高まったことを受けて、6月3日の読売新聞の紙面に、原口隆則社会部長の「次官時代の不適切な行動 報道すべき公共の関心事」と題するコメントが掲載された。

 このコメントでは、記事に対する批判に対して、「こうした批判は全く当たらない」「売春を目的とするような客が集まる店に足しげく通っていたのである。我が国の教育行政のトップという公人中の公人の行為として見過ごすことが出来ない」と述べて、報道をすることが当然であるかのように言っている。

 文春記事等により、読売記事の内容に重大な疑念が生じている現時点においては、「次官が出会い系バーに出入りすること自体が問題で、それ自体で報道の価値あり」という原口氏のコメントは、反論というより、単なる開き直りであり、それどころか、前記のように、弁解を用意しつつ誤った印象を与えようとする意図的な印象操作だったことを自認するものと見ることもできる。



読売新聞は死んだに等しい

 今回、読売新聞が行ったことは、安倍政権を擁護する政治的目的で、政権に打撃を与える発言をすることが予想される個人の人格非難のため、証言をでっち上げたか、事実に反することを認識しつつ印象操作を行ったか、いずれにしても、政治権力と報道・言論機関の関係についての最低限のモラルを逸脱した到底許容できない行為である。しかも、そのような記事掲載は、上層部が関与して組織的に決定された疑いが強く、まさに、読売新聞社という組織の重大な不祥事である。

 かつて、TBSのスタッフがオウム真理教幹部に坂本弁護士のインタビュービデオを見せたことが同弁護士一家の殺害につながった問題で、TBSは、情報源の秘匿というジャーナリズムの原則に反し、報道倫理を大きく逸脱するものとして批判された。この問題に関して、当時、TBSの夜の看板報道番組『NEWS23』のキャスターを務めていた筑紫哲也氏が、同番組で「TBSは今日、死んだに等しいと思います。」と発言した。

 もはや「言論機関」とは到底言えない、単なる“政権の広報機関”になり下がってしまった読売新聞の今回の不祥事は、オウム真理教事件でのTBSの問題以上に、深刻かつ重大である。

 ところが、現時点では、今回の記事の問題に対する読売新聞の対応は、原口社会部長の前記コメントからも明らかなように、「不祥事」という認識すらなく、反省・謝罪の姿勢は全く見えない。このような事態は、心ある読売新聞の記者、ジャーナリストとしての矜持を持って取材・報道をしている記者にとって堪え難いもののはずだ。

 読売新聞のすべての記者は、今回の記事を、改めて熟読し、それがいかに新聞の報道の倫理を逸脱したものか、報道言論機関として許すべからざるものかを再認識し、時の政権という権力に露骨に政治的に利用され、そのような報道に及ぶ現状にある読売新聞をどのようにして変えていくのか、全社的な議論を行っていくべきだ。

 「テロ等準備罪」という名称の共謀罪の法案の国会審議が最終局面を迎え、捜査機関の運用によっては、国民に対する重大な権利侵害を伴う権力の暴走が懸念される中、国家権力に対する監視をするメディアの役割が一層重要になっている。そのような状況の中で、逆に、国家権力に加担する方向で、倫理を逸脱した報道を行うことを厭わない巨大新聞が存在することは、日本社会にとって極めて危険だ。それは、凶悪・重大な事件を引き起こして日本社会に脅威を与えたオウム真理教に「結果的に加担してしまった」かつてのTBSの比ではない。

 今回の問題に対して、真摯な反省・謝罪と再発防止の努力が行われない限り、“読売新聞は死んだに等しい”と言わざるを得ない。
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