心の旅

やわらぎ住宅(株)の社長によるブログ。

ある日の朝礼

2009年05月06日 | 人生
 わが社では、毎日、朝礼をしています。



 その中で、「経営指針書」を読み、理解を深め、会社の考え方の軸を統一していくというコーナーがあります。もちろん、私が担当しています。

本日の指針書の読み合わせ箇所(P102~P103)
「第23期経営指針書」→「Ⅱ 時代認識」→「(4)資本主義(競争主義)の成熟の一部」

「四つ目に、バブル(1989年ごろ)によりそれまで存在していた価値観が崩壊した。例えば、会社では役職が上のほうが偉いし、一杯飲みに行くときでも会社の中で地位の高いものの収入が多く、部下たちにおごっていた。また、役職の上のものは人間的にも尊敬されていた。バブルの時代は、土地や株で莫大な不労所得を得ることで労働の価値観、汗を流して働くより、知恵を絞って働くより、土地を売ったり、賭け事(株や先物)をして楽をして大きなお金を得ることができた。というように人生なるべく楽をして、お金儲けをし、それでぜいたく品を買って身につけたり、レジャーやディスコなどで遊んでいた方がよっぽど楽しい。働くことによって人生を充実させることを忘れさせてしまった時期でもある。
 また、バブルが崩壊し、社会主義も崩壊した後、経済が完全に停滞し、公共投資をするがほとんど役に立たず、デフレの圧力からリストラする企業が増えた。そこで終身雇用と思って真面目に働いていた人が、どんどんリストラの対象となり首を切られる。そうすると、真面目に働いても悪くなっていくという状況は、何をもたらすか。人間の精神を破壊していった。何が善で何が悪か、一生懸命やってもダメならどうすればいいのという絶望感が精神を狂わせる。この短い間に二度も大きな波に出くわしたのがこの時期である。」


本日の解説
 では、こんな時代に経営者は、「どんな経営をしたらよいのか」、社員は「どんな心構えで働いたらよいのか」を考えてみましょう。

「同調思考」と「自調自考」「独立自尊」という二つの観点から考えてみましょう。
 (勝間和代さんの「断る力」を読みながら考えました…大変ためになる本です)

「同調思考」というのは、古くからある日本の集団の特徴で協調性(空気を読む、以心伝心、礼、親和など)を重んじる。

片方で「自調自考」(渋谷教育学園グループの理念)は、自分で調べて自分で考えることで、「独立自尊」(慶応義塾の建学の精神)は、人は人、自分は自分で独立し自分の軸を大事にし、自己確信を続けるということです。
*自己確信:自分で考え、自分で決め、そして自分の軸で評価したときに成功と確信すること(但し、自己確信には客観的な評価基準が必要)



 私たちは、日常の中でこの二つを峻別し、使い分けなくてはなりません。
しかし、現代は、このようなことにあまり関心がないのか、人間が裕福になりすぎて劣化してきて、同調思考も自調自考・独立自尊も両方とも、トーンやテンションが低いような気がします。

 仕事は、自調自考・独立自尊志向で責任をもって成果を出さなければ意味がないと思っています。その結果、社会やお客様そして働く仲間に貢献することだと私は考えています。

 複数人数が集まってひとつのことを成し遂げようとするときも、構成員の一人ひとりが自立して、役割分担をきっちりと果たし、お互いを尊重し合い、高い理念のもとに協力し合うことだと思います。これは、同調思考(相手と迎合する、必要な摩擦を回避する、深く考える手間を省く、お互いの心の慰め)とは、一線を画します。

 他方、同調思考は、組織の潤滑材、仕事以外のリクリエーション、社員の福祉なんかには、この考えが必要です。例えば、レクリエーションでソフトボールをしようか、バレーボールをしようかなどを決定する場合には、あまり深く考えないで気分しだいで、多数決できめたほうがよいと思います。そこであえて文句を言うなどということは、極力避けるべきです。

 しかし仕事では、このきめ方は非常に危険です。複数の人で意思決定する場合は、一人ひとりのスペシャリティ度合いが高く、高い教養と精神を有している場合に限ります。

 別の言い方をすれば、組織の論理と経営の論理は違います。組織は、拡大・発展・成長・良好な関係を望みますが、経営は、社会貢献をして利益を確保することが優先され、組織を縮小・後退・待機・破壊させる場合もあり得ます。
むしろシューペンターのいうように組織も戦略も「創造的破壊」を繰り返し継続しないと経営は成り立たないでしょう。

ヘーゲルのいう、「世の中のすべてのものは自己矛盾で崩壊する」というのも、思い出されます。



最後に「同調思考」と「自調自考・独立自尊」の特徴を比べてみました。




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