酒を飲む作家による、酒飲みのエッセイ集。太宰治や坂口安吾と言った文豪レベルから、近年の作家まで。
エッセイと言ってもセレクトされているのは己の飲み方や嗜好を綴った作品ではなく、酒を介した交遊録と言うべき作品。なので作者と同時代の作家が多数登場し、そういう繋がりがあったのかと知ることもできる。
また作家たちが出入りしていた店も実名で多数登場、調べてみると現在でも続いている店あり、閉店もしくは移転した店あり。同じ場所で今でも営業している店には、ちょっと行ってみたくなった。
本書に登場しない著名作家が決して酒を飲まないと言うわけではあるまい。その気になれば続編編集は可能であるようにも思えたが、近年の作家はこうした交流譚を記すのに熱心ではないのかもしれない。
2024年4月26日 自宅にて読了