東野圭吾は、ミステリー作家と呼ばれている(のか?)が、
作品にはミステリーが多いけれど、幅が広いと思っている。
例えば・・・マスカレードシリーズは刑事の新田浩介が主役で、
ホテルを舞台にしている。キムタク主演で映画化されている。
同じ刑事が主役でも新田恭一郎のシリーズは阿部寛主演で映画化され、
ガリレオシリーズは物理学者である湯川学が主人公で、
福山雅治主演で映画化されている。
人気シリーズだけで3つあるではないか。
その東野圭吾のユーモア短編小説を集めた笑シリーズと言うのがこれだ。
1995年に発売されたこの本には9作品が納められている。、
鬱積電車/おっかけバアさん/一徹おやじ/逆転同窓会/超たぬき理論/
無人島大相撲中継/しかばね台分譲住宅/あるジーサンに線香を/動物家族。
満員電車の中で周りの人間を観察する鬱積電車、あるあるである。
正に私の妄想そのものだ。年金生活で生活費を切り詰めている老女が、
演歌歌手にハマって追っかけになる話も怖い。
身近にあるある的な話から、すっごい空想の話まで、
ノンストップで読める。
短編だし、さほど取材も不要だし、恐らくは調査すらしていない・・・
のではないかと思われる。東野圭吾ほどの才能があれば、
鼻歌まじりに書いたのではないかと思ってしまう。
それくらいの話であるが、笑える。