すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

押井守「GHOST IN THE SHELL」

2005-10-18 08:19:26 | 映画評
シンクロ率は生理に影響されないんだが………


原作の「攻殻機動隊」を読んで、押井守「GHOST IN THE SHELL」を見直したくなり、早速。


原作を読んだおかげで、映画もよく分かるなぁ。

後、映画を見ることで、原作の魅力がさらに引き出されるようになっている。
例えば、以下のコメント。
私「自分はもう死んじゃってて今の私は義体と電脳で構成された模擬人格なんじゃないか?」って思う事もあるわ
士郎正宗「攻殻機動隊」104頁 講談社
で、この素子の言葉に対して、聞き手は「でもちゃんと 脳ミソとかついてるし 人間扱いされてしィ」と答える。それに、さらに疑問を呈する素子。
脳ミソ 自分で見たわけじゃないのに?
周囲の状況でそうだと判断してるにすぎないのに?
士郎正宗「攻殻機動隊」104頁 講談社

この会話って、映画でもバトーと素子の間に交わされるもので、その際は、すっかり押井節になって、第三者が安易に介在できないほど、深刻なものとして描かれていました。

だけれども漫画では、けっこう、おちゃらけているんだよね。
それだけに漫画を読んだだけでは、この会話に潜んでいる問題を、意識することなく、見過ごしてしまうだろうなぁ。


こういった物語全体にちらばって隠れている問題を、「GHOST IN THE SHELL」は綺麗にまとめているということが、原作と映画に連続して触れることで、(今さらながら)よく分かりました。

押井守は職人だなねぇ~。
でも、やっぱり物語にこめる情報量が多過ぎだよ………。(原作の漫画からして、そうなんだから、仕方ないのかもしれないが、漫画と違い、映画では受け手が自由に時間を与えられているわけじゃないからなぁ)


で、「イノセンス」を見て以降、「GHOST IN THE SHELL」は見ておりませんでした。
今回、再度見ることで、「GHOST IN THE SHELL」から「イノセンス」につながるよう随所に仕掛けがあることに、驚きました。
バトーが素子に上着をかけるシーンとか、ドックフードとか。

まぁ、「GHOST IN THE SHELL」製作時から続編のために用意していたというよりは、続編の製作が決まってから、前作を見直して、うまーく活用したという感じですけどね。

それにしても、これも、また見事な職人芸ですこと。


「攻殻機動隊」関連の感想。
士郎正宗「攻殻機動隊」まぁ「攻殻機動隊」の〝ネット〟は、〝インターネット〟とは微妙に違うようだが
神山健治「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man」おれがバカなのか?
押井守「イノセンス」竹中直人は、いろんな人に愛されているよなぁ


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