「女とやったら、人生観が変わる!」と豪語していた彼は、その時、既に経験済みだった。…………人生観が変わる前の彼は、いったいどんな人間だったのだろう……………
「シガテラ (5)」。
以前も少し書きましたが、古谷実の作品の女性って、けっこう無責任に男の欲望を投射した存在となっているよなぁ。(だからこそ、魅力的だけど)
シガテラのヒロイン・南雲さんなんて、美人でグラマーで勉強もできる。それでいながら、ちょっとしたことで落ちこんでしまう彼氏を、いつも理解してくれるような性格の良さ。しかも、主人公と同じ趣味であるバイクが好きで、エッチもさせてくれる。
完璧すぎ…………。
で、そんな彼女ができてしまい、バイクの免許・単車自体を手に入れてしまった、荻野君。彼自身は顔は良くない、体型はなで肩、勉強はできないといった中の下程度の男。
最初のころのように、ただただイジメられていたら、荻野君も、
「ちゃんと オッパイやオシリを見たり触ったりする事で欲情する」ような正常に男になれていなかったかも。
そうでなければ、ゴミだらけのアパートの一室で、胃がんに違いないと勝手に恐れて、人生を放棄しているような男になったかもしれない。
当然のことながら、彼を正常な方向に導いてくれる南雲さんにメロメロです。(越君みたいな彼女だったら、どうなっていたのやら)
が、自分が彼女とつりあっていないことは、痛感せざる得ないこと。
こうして、彼女と対等になる上でも(と言っても、優しい彼女なので、彼自身を下に見ているわけじゃないですけど)、荻野君も自立を図るべく、自らの人生を考え始めます。
それで、彼の立てた目標は、立派な(しがない)サラリーマンになること。そのためには、まず(そこそこの)大学に入ること。
健全、健全。
で、その行き先に立ちふさがる、荻野君をかつていじめていいた谷脇の登場で、次巻に続く。
「シガテラ (5)」。
以前も少し書きましたが、古谷実の作品の女性って、けっこう無責任に男の欲望を投射した存在となっているよなぁ。(だからこそ、魅力的だけど)
シガテラのヒロイン・南雲さんなんて、美人でグラマーで勉強もできる。それでいながら、ちょっとしたことで落ちこんでしまう彼氏を、いつも理解してくれるような性格の良さ。しかも、主人公と同じ趣味であるバイクが好きで、エッチもさせてくれる。
完璧すぎ…………。
で、そんな彼女ができてしまい、バイクの免許・単車自体を手に入れてしまった、荻野君。彼自身は顔は良くない、体型はなで肩、勉強はできないといった中の下程度の男。
最初のころのように、ただただイジメられていたら、荻野君も、
人はけっこう違うんだ・・・・・・・・ 例えば性的嗜好だってクラスの男子だけでも みんな ちょっとずつ違う・・・・ 僕はその点 自分はかなり普通だと自負している ある人は女性の足首にしか欲情しなかったり 男性のオシリにしかグッとこなかったり・・・・・・・・ 中には牛や羊・・・・ 鉄のカタマリなどにしか欲情しない人もいるだろう そして運の悪い事に人の血を飲む事や 内蔵をモミモミする事にしか欲情できない人もいる・・・・ おさえきれず・・・・ ビンビンになって そんな事をする彼らは 猟奇的殺人犯と呼ばれてしまう 僕はツイてる・・・・ まず1~4億ものライバル精子に打ち勝ち 1位でゴールした だけで超ツイてる・・・・ そのうえ ちゃんと オッパイやオシリを見たり 触ったりする事で欲情する 古谷実「シガテラ (5)」135~136頁 講談社 |
そうでなければ、ゴミだらけのアパートの一室で、胃がんに違いないと勝手に恐れて、人生を放棄しているような男になったかもしれない。
当然のことながら、彼を正常な方向に導いてくれる南雲さんにメロメロです。(越君みたいな彼女だったら、どうなっていたのやら)
が、自分が彼女とつりあっていないことは、痛感せざる得ないこと。
僕は南雲さんという〝彼女〟という存在ができて・・・・ 弱くなったのか? ・・・・だとしたら悪いのは当然僕で 彼女はなにひとつ悪くない 出会う前は何もなかったし・・・・ どんなにつらい事があっても一人で何とかしてきた・・・・ そうせざるをえなかった・・・・ ・・・・だけど今は・・・・ 彼女に頼り・・・・時には彼女のためにと自分を欺き・・・・ 常に傾いている不安定な状態 ・・・・いや・・・・・・ ・・・・違うな・・・・ イジメられてた・・・・ あの時の〝強さ〟みたいなものはニセモノで・・・・ ただ何もせず・・・・ 厚い鎧を何枚も身につけ・・・・ 石のようにジっとしていただけの ・・・・ダメな安定感だ・・・・ 今はその重い鎧は不必要となりはがれ落ちた・・・・ やっとみんなと同じくらい身軽になったんだ・・・・ その無防備さ・・・・ スカスカ感に不安を覚え・・・・ 弱くなったと錯覚しているのか? とにかく・・・・ これからは自分の事は自分で決めるんだ! 南雲さんとか親とかは置いといて 自分で考えて 行動をするんだ 古谷実「シガテラ (5)」22~23頁 講談社 |
それで、彼の立てた目標は、立派な(しがない)サラリーマンになること。そのためには、まず(そこそこの)大学に入ること。
健全、健全。
で、その行き先に立ちふさがる、荻野君をかつていじめていいた谷脇の登場で、次巻に続く。
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