美国的美
なんとなーく小難しいのかもしれないと敬遠していたのですが、意を決して、というほどではないですが、ちょっと時間があったので「アメリカン・ビューティー」を見てみました。
はっきり言って、面白かったですし、小難しくもなかった。
いや、小難しいことは小難しかったんですがね。
物語の展開がサクサクとしていて、またドラマティックなんで、飽きることなく見れました。
「夫婦の不和」「成功への焦燥」「十代の反抗期」「ドラッグ」「銃」「同性愛」「強権的な父」等々。多くの問題を盛りこみながら、物語の中では、全てがしっかりと統合されている。
なかなか見事な職人芸的脚本となっていました。
物語の主題は「~しなくてはならない」という、ことでしょうか?
キャロリンは常に、幸せな家庭・夫婦を演じることを主人に強要します。その反発もあって、主人公のレスターは、娘の友人であるアンジェラに惚れてしまいます。
そのアンジェラというのは、高校でセックスシンボルになっているような、美少女。そして自分に性的な魅力があふれていることを鼻にかけ、気に入れば誰とでも寝る、と公言しているような奔放な女性です。
彼女の人生には、レスターを縛りつけている「~しなくてはならない」というものとは無縁です。
単なる肉体的魅力以上に、レスターがひかれていくのは、物語的には仕方がないことです。
で、レスターは会社を辞め、自分の好みの自動車を買い、ドラッグを始め、アンジェラの気を引くために肉体改造にいそしみます。
ついには、アンジェラとベッドを共にして、体を手に入れるという手前までいくのですが、そこで、彼女自身から衝撃の告白を聞いてしまいます。実は、彼女は「処女」だというのです。
つまりは、レスターが憧れていた「自由なアンジェラ」も、虚構だったのです。
この事実を前にして、レスターは、彼女との性交を諦めます。
で、自分の追い求めていたものが結局は幻想に過ぎなかったことを知り、この後、レスターが、どんな決断を下すのか? という答えが出ぬまま、彼は殺されてしまいます。
彼を殺した犯人というのは、隣に住む元海兵大佐フィッツです。彼も、強く正しい父を演じてはいるものの、実はナチの食器を隠し持ち、同性愛の欲求を隠して生きている人間です。
言うなれば、彼も「~しなくてはならない」という犠牲者なわけです。
そうやって、なにかを演じ続けなくてはいけないアメリカの悲劇(アメリカに限定する必要はないでしょうけど)を描いているわけなのですが、それから脱するには、「死」しかないのでしょうか?
殺された後の主人公の独白を聞くと、そういう悲観的なメッセージにも聞こえるし、そうではなくて、こういう世界でも、どこにでも「美」は存在するのだ、という達観にも聞こえるし。
まぁ、それは見た人が決めることでしょうね。
なんとなーく小難しいのかもしれないと敬遠していたのですが、意を決して、というほどではないですが、ちょっと時間があったので「アメリカン・ビューティー」を見てみました。
はっきり言って、面白かったですし、小難しくもなかった。
いや、小難しいことは小難しかったんですがね。
物語の展開がサクサクとしていて、またドラマティックなんで、飽きることなく見れました。
「夫婦の不和」「成功への焦燥」「十代の反抗期」「ドラッグ」「銃」「同性愛」「強権的な父」等々。多くの問題を盛りこみながら、物語の中では、全てがしっかりと統合されている。
なかなか見事な職人芸的脚本となっていました。
物語の主題は「~しなくてはならない」という、ことでしょうか?
キャロリンは常に、幸せな家庭・夫婦を演じることを主人に強要します。その反発もあって、主人公のレスターは、娘の友人であるアンジェラに惚れてしまいます。
そのアンジェラというのは、高校でセックスシンボルになっているような、美少女。そして自分に性的な魅力があふれていることを鼻にかけ、気に入れば誰とでも寝る、と公言しているような奔放な女性です。
彼女の人生には、レスターを縛りつけている「~しなくてはならない」というものとは無縁です。
単なる肉体的魅力以上に、レスターがひかれていくのは、物語的には仕方がないことです。
で、レスターは会社を辞め、自分の好みの自動車を買い、ドラッグを始め、アンジェラの気を引くために肉体改造にいそしみます。
ついには、アンジェラとベッドを共にして、体を手に入れるという手前までいくのですが、そこで、彼女自身から衝撃の告白を聞いてしまいます。実は、彼女は「処女」だというのです。
つまりは、レスターが憧れていた「自由なアンジェラ」も、虚構だったのです。
この事実を前にして、レスターは、彼女との性交を諦めます。
で、自分の追い求めていたものが結局は幻想に過ぎなかったことを知り、この後、レスターが、どんな決断を下すのか? という答えが出ぬまま、彼は殺されてしまいます。
彼を殺した犯人というのは、隣に住む元海兵大佐フィッツです。彼も、強く正しい父を演じてはいるものの、実はナチの食器を隠し持ち、同性愛の欲求を隠して生きている人間です。
言うなれば、彼も「~しなくてはならない」という犠牲者なわけです。
そうやって、なにかを演じ続けなくてはいけないアメリカの悲劇(アメリカに限定する必要はないでしょうけど)を描いているわけなのですが、それから脱するには、「死」しかないのでしょうか?
殺された後の主人公の独白を聞くと、そういう悲観的なメッセージにも聞こえるし、そうではなくて、こういう世界でも、どこにでも「美」は存在するのだ、という達観にも聞こえるし。
まぁ、それは見た人が決めることでしょうね。
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