すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

本宮ひろ志「サラリーマン金太郎 (18)」

2005-05-29 06:06:32 | 書評
家族って、なんだろう?


「サラリーマン金太郎 (18)」。


この巻に限らないことですが(それどころか、全ての物語で広く使われていることですが)、「サラリーマン金太郎」では二つの物語が平行して進んで、最終的にどちらも大団円、という筋が多いです。

特にサラリーマンという職業に(間違った方向から)スポットライトが当たっているからでしょうか、仕事(公用)と家族(私用)にストーリーが分かれていることが多々あります。

今回も、そのパターン。
黒川社長が退陣し、その代わりに昇格したのが、初対面で金太郎を殴り倒した伊郷。彼は、会社の改革を進めるために、敢えて憎まれ役を買って出てます。そうやって役員たちの不満を高めることで、彼らを試そうというのです。

で、社長室長となった金太郎は、伊郷新社長の駒として、表でも裏でも大活躍します……………のはずなのですが、再婚した嫁さん(美鈴)の娘が、ジゴロにつかまってそれどころではありません。
サラリーマン人生の恩師にあたる伊郷社長の一世一代の大博打など無視して、自分の家族を守るために、東奔西走。
「会社とは恋愛がしたい」とかわけの分からないことを言っていた金太郎ですが、やはり「恋人」よりも「家族」の方が大事らしいです。
エライです。


そして、その家族を守るために、義理の女性に語った言葉が、今日の名言。
お前におれが必要なら
美鈴と離婚して一生そばにいるから…
本宮ひろ志「サラリーマン金太郎 (18)」106頁 ヤングジャンプ・コミックス

サラリーマンの鉄則 その十八。
「家族を解体してでも、家族は守るもの」


サラリーマン金太郎 (18)

集英社

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