花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

冬芽 水煙234号(2002年12月)

2008年10月25日 | Weblog
樅の木に囲まれて冬の修道院
しゃくなげの冬芽大きく雲低し
時雨去りはや夕暮れを置いていく
冬晴れや仰ぎて探す雲一片
雪少し積もる町へと蟹食べに
香水をつけて聖夜の街に出る
雪来たり遠嶺の姿浮き立つ日

麦の金 水煙228号(2002年6月)

2008年10月25日 | Weblog
<西国三十三ヶ所バイク巡礼四句>
ひらひらと午後の明るき竹落葉
若楓中へ押し出す舞台かな
夏きざす六角堂の六角に
大塔の礎石の上を夏の蝶

夕暮れを映して並ぶ植田かな
さっぱりと刈られつくした麦の金
夏至の朝高く輝く日が登る