年惜しむ

行く年を追いし如くに雲流れ
低山の向こうの街も年惜しむ
小晦日日課の散歩欠かさずに

来る年を迎え真っ赤に実南天

年の瀬

枯葉次々空の高みへ飛び立ちぬ
年の瀬や霞みて遠き淡路島
歳末といえど一日真新し

かろがろと少し艶めき枯芙蓉

年の内

新しきパソコン届く年の内
南北に雲を並べて冬の空
大方は落葉も終り年暮れぬ

翼あるものを抱きて冬大空

雪嶺

雪嶺となりて輝く遠き山
門松立つ竹の切り口新しき
門松のいっぱい積まれトラックに

もういくつ寝るとて葉牡丹ぐるぐると

門松立つ

本堂に門松立ちぬ随願寺
大北風の荒れるを聞きつ眠りけり
北の山終日雪の雲の下

朔風の山茶花にあり陽のぬくみ

クリスマス

柚子湯なり冬至に少し遅れしも
クリスマス風強けれど明るき陽
北風に向かいて歩くこと楽し

よみがえる光にクリスマスローズ咲く

枯葎

雪の雲播州平野を横切りぬ
霜柱さっくりと受け身の重み
枯葎騒がせ鳥の羽ばたきぬ

千両に黄色もありておもしろき

銀杏枯る

空一層澄んで冬至の入日かな
犬ぴんと耳たて寒波の音を聴く
金色を撒き尽くしてや銀杏枯る

山茶花の咲きこぼれつつ咲き継ぎぬ

寒波急

考えることにはよけれ落葉の道
寒波急沖金色に輝やける
冬の風虚空に蜘蛛の揺れており

新年を迎える篝火シクラメン

冬の薔薇

優嵐スケッチブック


冬の薔薇咲かせて角の洗濯屋
山茶花へ来たりて虻の蜜を吸う
万両や赤は祝いの色なりき

神々の座に還りたり冬の富士