花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

六月送る

2012年06月30日 | Weblog
虎尾草に蝶の寄り来る正午かな
中休み終えて戻りぬ梅の雨
一日の雨に六月を送る

立葵やがて見上げる位置に咲く
花しょうぶ濃淡並んで咲いており

七月

2012年06月29日 | Weblog
快晴の梅雨青空の輝けり
七月の近づく海の青さ増す
鳶すっと青葉の谷へ舞い降りる

蛍袋秘密の小部屋を持っている
あじさいや水の器の青き影

黄金虫

2012年06月28日 | Weblog
夏鶯見上げる木の間に声のみが
青虫がぺろり虎尾草たいらげる
けたたまし部屋飛び回る黄金虫

庫裏前に忽然と咲き仏桑花
黄金虫四葩の上で一休み

虎尾草

2012年06月27日 | Weblog
虎尾草をたずねて丘の道歩く
引越しの荷物積まれて梅雨晴間
草刈られ夏野平坦になりぬ

雨脚の近づいている花菖蒲
紅き色もて紫陽花の小さきが

蛍袋

2012年06月25日 | Weblog
木苺の赤さに足を止められる
うつむける蛍袋を覗き見る
紫陽花を揺らして風の吹きあがる

茄子紺はすでに花より兆しおり
蛍袋ゲンジボタルは白が好き

浴衣

2012年06月24日 | Weblog
風鈴を鳴らし古き街道筋
梅雨空へ四季咲きの薔薇咲き続く

(姫路ゆかたまつり)
子を抱いて浴衣の父の祭かな  

鮮やかに野を彩りて忘草
雨美し晴れも美し紫陽花に

茄子

2012年06月23日 | Weblog
茄子生るや花の名残を尻につけ
鳴き交わし鴉青葉を啄ばみぬ
夏薊つぎつぎ蝶を呼んでいる

紫陽花の優しき色に染まりけり
花菖蒲黄色き印を持ちにけり

夏至

2012年06月22日 | Weblog
雨音に包まれ夏至の一日を
若竹の広げし枝が雲を呼ぶ
横切りし影見上げれば浅黄斑蝶

陽の色を吐きつくしてや野萱草
蛍になりて蛍袋に入りたし

野萱草

2012年06月21日 | Weblog
優嵐スケッチブック


群がりて揃いて揺れて野萱草
夏至の雨ぐんと伸びたり稲の丈
遠山の色を無くしてさみだるる

江戸系花菖蒲暁絞りなり
空の色集めて青し紫陽花は

花菖蒲

2012年06月20日 | Weblog
谷川の音高らかに梅雨晴れ間
夏燕群れて飛ぶなり池の上
水の音今朝は高かり花菖蒲

花菖蒲青を集めて咲きにけり
濃紫ささげ平らか額の花