昭和の日

★過ぎ去ればすべて美し昭和の日
★春惜しみ古墳の陰に語らいぬ
★藤房の下がり初めにし山となる

★八重桜風に軽さの混じるころ

春深し

★春昼の玄米菜食ごはんかな
★護摩焚きの森に響くや春深し
★風そよぐ木陰を歩き夏隣

春の森

★沖は晴れ頂過ぎる春時雨
★チューリップ数多の風姿を見せて咲き
★春の森万の色して風に揺れ

南部若布

★八重桜散るやや日輪の暑き中
★花水木咲き初む街路の明るさに
★湯に放つ南部若布の緑かな

★濃き影を作りて咲けり八重桜

夏近し

★噴水がとどく青空夏近し
★鍋で炊く春筍のご飯かな
★春荒の部屋で読みつぐ探検記

チューリップ

優嵐ギャラリー


★光また差して翳りて若楓
★青空へすっくと立ちぬチューリップ
★鞄より首出す犬やチューリップ

★心地よし霞桜に吹く風は

桜蘂降る

★桜蘂降るや冷たき雨の中
★山若葉風に応えて沸き立ちぬ
★泉州の山まで見えて若葉風

★山里に陽のよく当たり桃の花

うららか

★うららかや小さき石橋を渡る
★春昼の池の蛙が鳴いており
★丘は晴れ霞桜のぽつぽつと

春暑し

★野のみどり山のみどりや春暑し
★山吹も揺れることなし山の午後
★ゆっくりと躑躅咲く坂母とゆく

★空青し大島桜の葉の緑

八重桜

★霞桜すでに汗ばむころとなり
★曇天に重たく咲いて八重桜
★チューリップヘッドライトに口閉じて