花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

青葉風

2012年05月31日 | Weblog
窓開けてうどんをすする薄暑かな
トライクを停めてしばしの青葉風
夏鴨のつがい休みし池の面

かきつばた鯉の起こせる波とどく
増位山青葉の山となりにけり

2012年05月30日 | Weblog
雹降って街路に青葉散り敷ける
真夜中のしじまを破りほととぎす
薔薇の咲く路地を連れ立ち下校する

川流る青葉若葉を映しつつ
せせらぎの音を間近に薔薇の咲く

白雨

2012年05月29日 | Weblog
短夜におさまりきらぬ夢を見る
再びの雷雨の気配午後の空
小学生白雨の中を駆け戻る

アマリリス何の調べを聴いている
ばら清し朝の空気を身にまとい

青鷺

2012年05月28日 | Weblog
青鷺の身体伸ばして堰に立つ
葉桜の影なす川辺に子らの声
メープルシロップかけて食すも冷奴

細き首やや傾けてカラー咲く
色も香も確かに薔薇と思いけり

明易し

2012年05月27日 | Weblog
明易し部屋深くまで朝日さす
薔薇の香に包まれるまで寄りにけり
やまぼうし花咲く影に目白の巣

あおすじあげは空より受けし翅の色
夏菊の小さきが天仰ぎおり

黄菖蒲

2012年05月26日 | Weblog
夏草の刈られし匂い野辺に満ち
なめらかに黄菖蒲開く真昼かな
葉桜の揺れにし影の濃くなりぬ

睡蓮の眠りを誰も妨げず
アイリスや一歩前進せし朝

雨蛙

2012年05月25日 | Weblog
蟻一匹フロントガラスを運ばれる
輝いていま青羊歯に変わり初む
雨蛙鳴き初め雨の来るを知る

風心地よく紅薔薇の咲き誇る
人おらぬときには踊り豆の花

森青蛙

2012年05月24日 | Weblog
蔦若葉絡ませている古き竹
近寄ればぴたり鳴きやみ森青蛙
ゆったりと考えるがよし不如帰

あやめ咲く姫路藩主の墓所前
花咲ける下に小さき胡瓜生る

桜の実

2012年05月23日 | Weblog
優嵐スケッチブック


竹皮を脱ぐ音響く真昼かな
停めおきし車に降るや桜の実
蟻たちが虫を曳きゆく森の道

芍薬のその一輪の大きさよ
幸せの黄色いジャーマンアイリス

芍薬

2012年05月22日 | Weblog
一隅の芍薬畑飛び去りぬ
青羊歯や高きところで風の音
木苺の赤さを摘んでほおばりぬ

庭先のよき脇役よ銭葵
黄菖蒲の開き静かな水辺の香