花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

氷張る

2011年01月31日 | Weblog
凍りたる池の面に小石投げてみる
氷張る下を緋鯉の群れ泳ぐ
がっちりと我を支えて凍る池

寒夜

2011年01月30日 | Weblog
ガラス戸を叩く寒夜の風の音
枝の影踏んで山路の寒さかな
寒風の吹くほど空の透き通り

2011年01月29日 | Weblog
時計塔正午を告げて北は雪
眠る山川も眠りて流れおり
霜をはや影に残して日の光

雪だるま

2011年01月28日 | Weblog
雪だるまやがて崩るるばかりなり
冬園に立てば寄り来るじょうびたき
播磨灘沖に来ている明日の春

凄雲

2011年01月27日 | Weblog
北見れば凄雲山を包みおり
雲ひとつ枯山に影を置きにくる
雪やんで沖は再び金色に

春隣

2011年01月26日 | Weblog
指さして山の名を呼ぶ春隣
ふと目覚め再び夢に冬の朝
冬晴れや竹の青さを見つめおる

湯たんぽ

2011年01月25日 | Weblog
枯菊の花鮮やかに残りけり
イーゼルに立てしカルトン春隣
とぷとぷと音立て湯たんぽ湯を吐きぬ

寒卵

2011年01月23日 | Weblog
やわらかき色を置きたり寒卵
寒梅の咲きたる空を仰ぎけり
枯色の野山に春の遠からじ