秋夕焼け

待宵に降りだす雨のしめやかに
我が頭上いま台風の過ぎてゆく
嵐去り秋夕焼けを残しけり

今日の月

第17回（十五夜）フェイスブック句会
嵐去る空へ晴れやか今日の月
時おりは雲を遊ばせ月今宵
なだらかな播磨の山の良夜かな

咲きこぼれ散りこぼれつつ萩の花

秋耕

曼珠沙華池に姿を映し咲く
薄日さす嵐の前に秋耕す
沖に雲重く垂れ込め野分来る

秋陽さす江戸より続く酒蔵に

彼岸花

優嵐スケッチブック


蓮の実をからからと手に鳴らしけり
あの畦とこの畦彼岸花群れて
ひつじ田に長く伸びたり家の影

白芙蓉しぼむとき紅く染まりけり

金秋

虫の音の上に瞬く星座かな
秋高しパラグライダー旋回す
金秋の風が玻璃戸を鳴らしけり　

仲秋や旧街道の公民館

秋の海

秋の夜の祭太鼓の稽古かな
浅葱斑つぎつぎに飛び秋の森
秋の海へだてて青し淡路島

河川敷埋めて菊芋花盛り

秋社

新しきオイルパステル秋社かな
爽やかに頂の風に吹かれおり
沖をゆく船の数多や秋気澄む

秋気澄む望景亭の門を入る

月の舟

行くほどに雲をはらいて月の舟
早朝の空気に鵙の高鳴ける
秋の蝉ずいぶん寂しくなりにけり

八重なればあでやかに咲き紅芙蓉

桐一葉

秋分の夜更けて雨となりにけり
雲去れば空の青さや桐一葉
芋虫の尻に立てたる角ひとつ

風受けて白萩ほろほろ散り初めし

秋分

秋分や曼珠沙華のまだ咲かず
噴水に秋のダリアの色冴えて
澄む秋や切られし松の香りけり

秋川の流れのほとり資料館