オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「グラスホッパー」

2007年10月25日 00時50分57秒 | ほぼ、文庫本
グラスホッパー/伊坂幸太郎/角川文庫

数回に渡る挫折の後に、ようやく本日読了。
自分としちゃ「拍手!」なイキオイだ。ほんとに。
諦めずによく読んだ、オレ!!
とはいえ、今回もまた、挫折する危険性は高かった。
でも、今日の夜、なんか、ほんとに「とり憑かれた」ように読んだよ。
昨日、今日の通勤の片道分で、いつも挫折するあたりで止まって
ああ、またか…という気がしないでもなかった。
どこか、というと、「鈴木」が「押し屋」を尾行して彼の家に入り、
家庭教師の営業(兼家庭教師)だとか苦しい嘘を並べ、その家の子供と
サッカーをすることになって、二人でイキイキとサッカーをするあたり。
…て、これを読んだからって、誰かの読書欲を湧かせることはないだろうな。
なんでこのあたりで挫折するかって、とにかく読んでてしんどい。
伊坂幸太郎の、少なくともおいらが読んだ作品には必ずあった
微笑ましいところが、ない。見当たらない。それどころか、陰鬱な、
嫌悪感すら漂うような、なんかもうとにかく、暗い。重い。救いがない。
蝉は頭悪そうでうるさいし、その上司である…あ、名前が出てこない、宮西だったっけな、は
口ばっかりで一人じゃなんにも出来ない癖に偉そう度合いは一人前(より上)だし、
鈴木は鈴木で根性座ってなさそうで、ふらふらなよなよしていて、
後ろから頭はたいてやろうかと何回思ったか分からないくらい頼りないし、
その上司かな、でもある、二十代の女、は口調がまず偉そうでキツくて
生理的に真っ先に遠ざかりたいタイプだし、
数少ない救いは、鯨。大柄だし、やってることは蝉と変わらないけれども
手の下し方が直接的でない、という点でちょっと暗さがマシに…感じられるし(もちろん錯覚です)
槿(と書いてあさがおと読ませるらしいが、これ、朝顔って変換しても出なかった。
当然、むくげと書いたらとっとと変換した。)は一番後から出てくるだけに
正体不明度が割高、なんだけど、分からないてことは怖さもあんまり分からないわけで。
とかなんとか、色々書いてみましたが、とにかく本書は後半に入らないとダメです。
ちょうど本の厚さの半分くらいのところで、いつも挫折する。
今日、そこを初めて越えてみてようやく分かった。その先にこそ、
伊坂幸太郎の本らしさ、があるんだな、ということが。
槿の謎解きが一番面白かったな。ていうか、それがあるから最後まで読めたんだな。

最後まで読んで、ようやく「一縷の望み」というものが見え、
たような気がするけど、
もう、多分、二度と読まない。
しんどかったー!