ArgoteとIngramによる知識移転と競争優位に関する文献
「Linda Argote, Paul Ingram, Knowledge Transfer: A Basis for Competitive Advantage in Firms(知識移転:企業の競争優位の基盤), Oganizational Behavior and Human Decision Processes, Vol. 82, No. 1, May, pp. 150-169, 2000」(PDFで入手可能)
では、知識移転(※1)の構造を説明するモデルとして「知識貯蔵庫フレームワーク(framework of knowledge reservoirs)」を提案している。
知識貯蔵庫フレームワークでは、知識は基本エレメント(メンバー、ツール、タスク)および基本エレメントを連結するサブネットワーク(メンバー間ネットワーク、タスク間ネットワーク、ツール間ネットワーク、メンバー・タスク間ネットワーク、メンバー・ツール間ネットワーク、タスク・ツール間ネットワーク、メンバー・タスク・ツール間ネットワーク)に埋め込まれていると考える。
ここで、知識移転は、①送り手から受け手への知識貯蔵庫の移動および②受け手の知識貯蔵庫の更新、として定式化される。
基本エレメントだけではなく、サブネットワーク(エレメント間のインタラクション)もモデルに入れ込んだ点がポイント。エレメントよりネットワーク(インタラクション)の方が、より移転が難しい。
知識移転を容易にするには、基本エレメントやネットワークの送り手と受け手の間の「互換性」が重要である。「互換性」を高めるには様々な方法(メンバーの異動など)がある。
一方、企業の競争優位の源泉が「知識」にあるとすれば、内部の知識移転を促進し、外部への知識流出を抑止することが、企業の競争優位の基盤(A Basis for Competitive Advantage in Firms)となる。
本論文で提案した「知識貯蔵庫フレームワーク」は、組織がどのように外部への知識流出を最小化し、内部の知識移転を達成するかを示し、企業の競争優位を理解するためのベースを提供している。すなわち、本フレームワークにより、企業内部の「互換性」を高め、外部への「互換性」をなくすことが、企業の競争優位の基盤の確立につながる、というのが本論文の主張である
(感想)主張は理解できるが、「知識貯蔵庫フレームワーク」はぜひ使ってみたいフレームワークというほどではない。500以上文献からの引用されているのは、競争優位と知識移転を整理したからか。
※1:「Knowledge transfer in organizations(組織の知識移転)」の定義:
The process through which one unit (e.g., group, department, or division)is affected by the experience of another.
「Linda Argote, Paul Ingram, Knowledge Transfer: A Basis for Competitive Advantage in Firms(知識移転:企業の競争優位の基盤), Oganizational Behavior and Human Decision Processes, Vol. 82, No. 1, May, pp. 150-169, 2000」(PDFで入手可能)
では、知識移転(※1)の構造を説明するモデルとして「知識貯蔵庫フレームワーク(framework of knowledge reservoirs)」を提案している。
知識貯蔵庫フレームワークでは、知識は基本エレメント(メンバー、ツール、タスク)および基本エレメントを連結するサブネットワーク(メンバー間ネットワーク、タスク間ネットワーク、ツール間ネットワーク、メンバー・タスク間ネットワーク、メンバー・ツール間ネットワーク、タスク・ツール間ネットワーク、メンバー・タスク・ツール間ネットワーク)に埋め込まれていると考える。
ここで、知識移転は、①送り手から受け手への知識貯蔵庫の移動および②受け手の知識貯蔵庫の更新、として定式化される。
基本エレメントだけではなく、サブネットワーク(エレメント間のインタラクション)もモデルに入れ込んだ点がポイント。エレメントよりネットワーク(インタラクション)の方が、より移転が難しい。
知識移転を容易にするには、基本エレメントやネットワークの送り手と受け手の間の「互換性」が重要である。「互換性」を高めるには様々な方法(メンバーの異動など)がある。
一方、企業の競争優位の源泉が「知識」にあるとすれば、内部の知識移転を促進し、外部への知識流出を抑止することが、企業の競争優位の基盤(A Basis for Competitive Advantage in Firms)となる。
本論文で提案した「知識貯蔵庫フレームワーク」は、組織がどのように外部への知識流出を最小化し、内部の知識移転を達成するかを示し、企業の競争優位を理解するためのベースを提供している。すなわち、本フレームワークにより、企業内部の「互換性」を高め、外部への「互換性」をなくすことが、企業の競争優位の基盤の確立につながる、というのが本論文の主張である
(感想)主張は理解できるが、「知識貯蔵庫フレームワーク」はぜひ使ってみたいフレームワークというほどではない。500以上文献からの引用されているのは、競争優位と知識移転を整理したからか。
※1:「Knowledge transfer in organizations(組織の知識移転)」の定義:
The process through which one unit (e.g., group, department, or division)is affected by the experience of another.