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社会人大学院で学ぶ技術経営

社会人大学院で技術経営を学びながら日々の気づきを書きとめてみます.

技術移転/知識継承プロセス

2005年05月15日 | 知識移転・知識継承

科学経営のための実践的MOT-技術主導型企業からイノベーション主導型企業へ(ヒューゴ・チルキー著, 亀岡 秋男 監訳)
の第7章でスイスETHのステファン・コルーナが「技術移転-行動と技術的展望」という論文を書いている.ここでも,知識は個人の外では存在し得ないという「構造主義」に基づき,送り手から受け手への技術伝承のモデルを提示.人から人へ直接的に伝えるためのプロセスを「問題解決の枠組み提示」→「コーチング」→「足場設定」→「受け手の熟考」→「受け手の内面化」というステップでモデル化している.

「知識化」→「知識移転容易カプセル化」

2005年05月08日 | 知識移転・知識継承
「知識」とは問題や課題と結びついて人間や組織の内面にのみ存在しうるモノではないだろうか?「形式知」とか「暗黙知」とか言われるが,人間や組織の外に表出化(Externalization)されたものはあくまでも「情報」でしかない.その文脈において本当の「知識化」とは,ある人間や組織の内面にある「知識」を別の人間や組織の内面の「知識」に移転することであり,「知識移転」や「知識継承」と同意である.世の中でよく言われている「知識化」の定義は,「情報を人間や組織が受容しやすい形に変換すること」だが,私はこれを「知識移転容易カプセル化」と呼びたいと思う.ここでカプセル化とは,表出化された「情報」を知識移転容易な形にするためには,「情報」の変換だけでなく,情報を人間や組織に受け入れさせ内面化(Internalization)させるための「手続き(=教育手順)」をセットで用意する必要があるという意味である.すなわち,

知識移転容易カプセル=人間や組織が受容しやすい形に変換された情報 + 受容を支援するプロセス

であろう.ケースメソッドの例では,ケース自体は人間や組織が受容しやすい形に変換された情報であるが,ケースを使って受講生に考えさせたり議論させたりして受講生の理解(内面化)を支援する指導要領がセットになっている.