社会人大学院で学ぶ技術経営

社会人大学院で技術経営を学びながら日々の気づきを書きとめてみます.

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

経営戦略理論と情報通信技術とのギャップは埋まるか?

2005年09月18日 | 技術経営
経営戦略理論(戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック)では,成功・失敗企業を分析して,その構造を明らかにする.しかしながら,その研究対象はあくまでも事後分析(後付け解釈)であり,将来の予測や戦略策定手順にはあえて踏み込んでいないように見える.自然科学者から見えれば再現性のない理論など意味がないのであるが,現実には経営戦略理論に基づいて行動した経営者が必ず成功するということはない.

一方,従来情報通信技術(IT)分野の技術者は経営戦略理論などはあまり意識せずに企業の情報システムの構築を行ってきた.経営情報学会などで,経営と情報のギャップを埋める試みはなされているが,依然として経営戦略理論とITの間には大きなギャップがあるように思える.

しかしながら,ユビキタス社会になりリアルタイムの経営情報の把握も可能な時代になってきた.今後,経営戦略理論とITとのギャップが埋まり,経営戦略分野に新しい変革が起きるのか,あるいは依然として実際の経営は人間依存性が高く,事後分析以上の壁は越えられないのか,注意深く見ていきたい.
コメント   トラックバック (2)

「サービスサイエンス」と「Multidisciplinary」

2005年09月04日 | サービスサイエンス
IBMの提唱している「サービスサイエンス」でも「Multidisciplinary」が必要という主張である.サービスサイエンスは,将来コンピューターサイエンスと同じような学問領域となるだろうという言い方もしている.ただ,「サイエンス」と言うと反発する自然科学者も多いようなので,最近はSSME(Servive Science, Management & Engineering)と呼んでいるようである.

「社会技術研究」における「Multidisciplinary」は,ある複雑な問題に対して,複数の分野が知恵を出し合って協働することで解決しようという立場であって,わかりやすかった.

一方,「SSME」は問題/課題ドリブンというより,問題解決のための汎用的なプラットフォームとしての学問領域を作ろうとしているように見え,問題設定があいまいな分,捕らえどころがない.

そこで,「SSME」が成功するためのポイントは以下の3点であると考える.

(1)まずは,サービスに関する重要課題に対して,問題/課題ドリブンで,複数の分野が知恵を出し合って協働(Multidisciplinary)し,具体的な成果を出すことを優先する.

(2)大規模な問題でも,それを「Single-Disciplinary」の問題に分解でき,独立に解決できるのであれば,わざわざ「Multi-Disciplinary」などと言う必要はない.もし協働のためにはシステマティックなインタラクションが不可欠で,そこで役立つ共通フレームワークが確立できれば,それはSSMEとなりうる.

(3)サービスの評価の最も重要な課題である.各部分に分割して評価し,それを積み上げて総合評価するという従来型のアプローチが通じない世界だとすれば,そこにSSMEの存在意義が出てくるだろう.

コメント   トラックバック (2)

「Multi-Disciplinary」と「社会技術」と「文理協働」

2005年09月04日 | 技術経営
「Multi-Disciplinary」とは,様々な専門分野を「協働」させることにより,現代社会に多い複雑な問題を俯瞰的な視点で解決しようというアプローチ.

科学技術振興機構(JST)「社会技術研究開発センター」(2005年5月に改組)では、「自然科学と人文・社会科学の複数領域の知見を統合して新たな社会システムを構築していくための技術」を「社会技術」と呼び,「Multi-Disciplinary」な取り組みを推進している.

社会技術研究について書かれた「問題解決のための「社会技術」―分野を超えた知の協働」では,文理融合による新しい学問分野の創設は難しいが,問題解決のために文理が「協働」することは容易であると述べられている.

「Multi-Disciplinary」は,解決すべき問題設定が明確でないと,同床異夢のフワフワした取り組みになってしまうだろう.

コメント   トラックバック (2)