テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事33~PCR検査数はもう充分、増やさなくても良い。

2020年06月28日 | コロナウイルス2020

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事33~PCR検査数はもう充分、増やさなくても良い。

東京を中心に第1波の感染拡大が終わりませんね、

感染拡大抑制と経済再興という二律背反の現実、これは受け入れるしかない、

このまま、感染爆発を招かないよう丁寧に対応(3密回避・クラスター対策)していくしかない、
(コロナウイルスの事32参照)

◆独酌酔言的予測では6月末に新規感染者(全国で)一ケタ、は無理なようです、

独酌酔言ではいくつかの予測をしました、

感染爆発はすでに起こっている、そして、日本の感染ピーク低い
(4月21日コロナウイルスの事16)=ポイントはPCR検査の陽性率の低下

GW終わりから60日で全国の新規感染者一ケタになる、7月初めまでは外出自粛は続
(4月28日コロナウイルスの事18 )=ポイントは武漢・韓国の先例

一つ目はまずまず及第点の的中、

二つ目は当たりませんでした

まず、外出などの自粛解除は経済再興との見合いで相当前倒しで実施されました(これは妥当と感じています)、

その影響で感染は相変わらず続いており新規感染者(全国)一ケタは達成できそうにありません、

しかし、、、このレベルの感染継続を容認して経済再興を目指す、これが今の戦略です、正しいと思います、

避けなければならないのは、医療現場の崩壊を招く規模の感染爆発(パンデミック)です、

パンデミックのみを避けて、ワクチン開発の時間を稼ぐ、そんな時期です、

◆他国の現状は?米国では1日4万人が感染!!ブラジルは世界2位の感染者数に

米国とブラジルは悲惨です、多少ワタシの政治的偏見が入っていますが、政策の間違いのような気がします、

こんな状態だけは避けなければなりません、

詳しくは以下のサイトで、

米、1日で新規感染4万人 過去最多、半数が35歳未満(6月27日)

米国で1日の感染者が最多の4万人超に、ブラジルもハイペースで増加 : 新型コロナの国別感染者数(6月26日夕更新)

◆今日の本題、PCR検査数はもう充分です

残念ながら未だに、

『PCR検査数が少ないから感染者も少ない』、

『PCR検査数を増やせば感染者も増える』

という声を聞きますが、これはまったくの認識間違いです、

この論への反論を書きますが、それは間違いであるということもさることながら、

この論は災害時に頻発する“デマ”、混乱を招くだけの根拠のない“デマ”になっている可能性があるからです、

日本政府の対応に万全の信頼を置いている訳ではありませんが(未知のウイルス、万全など有り得ないし)、

根拠のない“デマ”のような『PCR検査少ない論』で混乱を招くのは避けたいと考えるからです、

低い陽性率、現状でこれ以上PCR検査を増やすのは無意味

最新のPCR検査の陽性率(感染が確認できた率)は1%~2%です、

つまり、100人検査をしたら98人は陰性ということです、

1人か2人の陽性者を見つけるために100人に検査を行っています、

各日までの1週間のPCR検査陽性率(全国)(厚労省日報より集計)

     陽性率  PCR検査数
4月12日 10.6% 32742
4月19日 10.2% 35435
4月26日 7.8%  36258
5月3日   4.8%  34177
5月10日 2.9%     31005
5月17日 1.9%     30196
5月24日 1.0%     26749
5月31日 1.7%     19235
6月7日   1.2%     23747
6月14日 1.2%     24575

陽性率の減少は明らかです、

以前にWHOが出した声明では『12%を超える陽性率だと検査数が足らない』と云われていました、

日本の感染ピークだった4月中旬はそれに近い(それでも低い陽性率)数値でしたが、現状はまったく充分な検査が行われていると考えます、

◆検査数と陽性者数の関係

『検査を増やしたら感染者数も増える』というのも当たっていないと考えます、

実情は『感染者がいるから検査数も増える』(濃厚接触者・周辺の人を検査するから)という状態ですが、

ただ、これを証明する詳細な数値を持ち合わせていないのです、

クラスター別の検査数とそれに対する感染者数の個別データがあれば分かると思うのですが、、、

卵が先か、鶏が先か、的な問題に直面しています、

なにか証明できる数値があれば良いのですが、残念、、、

なぜ、現状ではPCR検査数を増やす必要はないのか?

そもそも、PCR検査は“その人がその時感染しているかどうか”を検査するものです、

感染者が全体で何人いるのかを推計する検査ではありません

その時に感染しているかどうかを見る検査であって、

倍検査をしたら感染者も倍になる、という性格のものではありません、

更に判定率(正しく判定できる率、時間経過により変動する)や、偽陽性などの問題もあり、余計に“全体像を見る”には適していません、

なので『全体でどれくらい感染者がいるのか心配だからPCR検査を増やせ』という論は意味を持たないのです、

さらに現状の陽性率1%~2%という現状を見ると、もうこれ以上PCR検査を増やす必要を感じません、

100人検査して98人~99人の非感染を確認している、これは“PCR検査は徹底されている”と云って問題ないレベルです

これ以上増やすのは非効率的で効果は上がらない、

でも、検査の網にかからない感染者が街中にウロウロしている、というのもまた真実です

◆抗体検査は定期的に行うべし

かたや、抗体検査は“これまで感染経験がある人を見つける検査”なので大量のサンプルで定期的にやる意味があります

ある意味統計的な数値として観れる検査なのです、

すでにソフトバンク他の検査結果が出ています、

最新の厚生労働省の検査結果(サンプル数7950人)では、

陽性率(抗体保持率)は東京で0.10%、大阪0.17%、宮城0.03%、

思いのほか少ない抗体保持率、これは意外な結果でした、日本の感染者数は本当に少ないのです、
(コロナウイルスの事31参照)

また、集団免疫を目指すのは難しいのがよく分かる数値でもあります、

スウェーデンは集団免疫を目指して規制を行わず、多くの感染者と死者を出していますが、抗体保持率はわずか7.3%、

集団免疫へは程遠い道のりです、

◆感染者数の真の値はどこにあるのか?

みなさんが知りたいと思っている、感染者数の真の値=実際には何人感染者がいるの?

これを推計してみましょう、

前提と推論です、

① 抗体検査の数は充分である
② 真の値もほぼ1%~0.05%くらいの間にある

今回の抗体検査の数量、これは統計学的にその数値がある程度の確度で真の値を示すに十分なサンプル数です、

ざっくり独酌酔言的統計学の基本をひけらかすと、

ややこしい計算式があるのですが、結果、サンプル数別の標準誤差はこんな感じです、
(ざっくりした数字です)

結果別の誤差の一覧表、

「調査・リサーチ・統計の基礎その3」より抜粋転載

まず特筆すべきは、この標準誤差は母数の数に影響されないのです、

つまり、母数が1万であれ、100万であれ、1億であれ、サンプルが上記の数さえあれば、この標準誤差の中にある確率(この場合たぶん95%の確率)で真の値がある、ということです、

日本全国であれ、東京であれ、大阪であれ、1万人調べれば、統計的には上記誤差内の率が出る、ということです、

さらに統計の標誤差は結果が50%を示した時が一番大きいのです、

つまり1万人に調査して、抗体保持者50%、無保持者50%という結果が出た時が一番誤差が大きいのです、

サンプル1万人で±1%の誤差、サンプル5000人で±1.4%の誤差、

逆に保持者10%、無保持者90%となった時は、誤差は小さいという理屈です、

サンプル1万人で±0.6%の誤差、サンプル5000人で±0.9%の誤差、

なんとなく分かりますよね、白黒半々なら真の値のぶれ幅が大きい、

でも、白90黒10の場合は、そんなにはぶれない、という感じです、

今回の厚労省調査の東京都の場合、

サンプル数5000以上、東京都のサンプル数が不明ですが半分くらいかな?

結果は、保持者0.1%、無保持者99.9%な訳ですから、誤差は非常に小さくて、真の値がこの近くにあるのはほぼ間違いないのです、

(一応注釈)

ここではサンプルの抽出方法の問題を除外しています、

無作為抽出とか聞いたことあります?

おそらく厚労省の調査はこれだと思います(確認できず)、

つまり調査結果に影響を及ぼすような偏ったサンプルの抽出をなるべく避けるために無作為にサンプルを選ぶ方法です、

ソフトバンクの調査は社員という有為的なバイアスがかかっていますが、

それでも感染率に直接影響するバイアスではないように思います(抗体保持率は高いですが)、

意図的に感染疑いの強い人を選ぶと当然率は上がります、

SBの医療関係者という括りがこれに当たる感じです、

とにかく、これまでの抗体検査で5月頃の国内の感染者数はおおよそ把握できたということです、

◆仮に抗体保持者0.1%で考えてみると

東京都の人口約1400万人(2019年)、

抗体保持者0.1%=1万4000人、

PCR検査で確認された東京都の感染者数5997人(6月26日)

感染者発見率 42.8%=5997÷1万4000人、

約40%の感染者を検査の網で見つけているということです、

これは無症状者、軽症者が多くいるCOVID-19の特長を反映しています、

逆に云うと8000人ほど(おそらくは無症状者・軽症者)の感染者が街中にいる、ということになります、

ずいぶん上の方で書いた、

『検査の網にかからない感染者が街中にウロウロしている、というのもまた真実です』

というのは、このことです、

日本全体で観ると(抗体保持率0.1%として)(実際には地方はもっと低いがこれで計算)、

1億2600万人×0.1%=12.6万人

検査で確認された感染者数 18197人

感染者発見率 14.4%=18197人/12万6000人

なので『PCR検査数が少ないから、きっと感染者はもっとうじゃうじゃいる』というのは正しい、たしかに半分は正しい

後半の『きっと感染者はもっといる』は正しいのです、

実際には判明している感染者の2.5倍~7倍ほどいる計算になります、

でも前半の『PCR検査数が少ないから』は当てはまらないのです、

それは前述の1%~2%という低い陽性率を考えれば納得がいくと思います、

そして、これ以上検査数を増やすのは、とっても効率が悪いというか、あまり意味がない、

東京都の場合、見つかっていない感染者は8000人ほど、

仮に、陽性率1%で残りの(見つかっていない)8000人ほどを見つける(まだ全員感染しているとして)となると、

100倍の80万人程を検査しなければならない、ということになります、

これを『だから“検査数が少ない!”』と云うなら、まあ、その通りなのですが^^)

2020年2月から現在まで全国で行われたPCR検査は約44万件、発見した陽性者18197人(6月26日)

その倍の検査を行って8000人見つけるということに意味があるのか?

ワタシは無いと考えます、

それも、その時限り、その日限りの陽性者です、

もし一斉に検査したとしても、翌日にはまた新しい陽性者が生まれてきます、

いたちごっこをするのか?ということです、

結論としては、、、

感染可能性の高い人を重点的に行うのが合理的だし、現在のPCR検査数はこれで充分です、

◆重要なのは数ではなく、ニーズとのマッチングとスピードです

3月~4月に問題になった本質は“検査数が少ない”ことではなく

“検査を受けるべき人がなかなか検査を受けられなかった”ことです

第2波が来た時には、ここをしっかり改善することが肝要です、

一方、抗体検査はその時点での統計学的な意味があります

どれくらいの人がこれまでに感染したのか?これが分かるからです、

これは定期的に十分なサンプルで検査すべきです、

これも、むやみにランダムに検査するのではなく、疫学的、統計学的に意味のある統制された手法・時期・標本数で行うべきです、

今後、民間でも希望者に抗体検査を施す余裕が出て来たら、それはそれで拡大していけば良いことです、

ふ~、めちゃ長くなってしまった、

なるべくわかりやすく!のコンセプトがぶれてきた、難しいなあ、、、

学習します、、、修行します、、、


なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事32~小康状態の第1波の感染状況、予想外に低い抗体保持率。

2020年06月24日 | コロナウイルス2020

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事32~小康状態の第1波の感染状況、予想外に低い抗体保持率。

感染拡大防止と経済活動の維持、

二律相反するこの2つの(生活に不可欠な)事象の微妙なバランスを取っていくしかないようです、

◆経済再興への舵は切らざるを得ない

緊急事態宣言解除、東京アラートも解除、各業種へのさまざまな規制も条件(3密回避)付きですべて解除された状態です、

でも、全国レベルでの感染者数はなかなかゼロにはならない、

ピークだった4月19日までの1週間から漸減し始めましたが、5月24日以降は緩やかな高原状で推移しています、

独酌酔言的に規定した(コロナウイルスの事28:4月28日)第1波の終息(緊急事態宣言の解除)の要件は、

“全国の新規感染者数が一ケタになる”日を目指していました、

しかし、この調子ではそれは難しくなってきましたね、

各日までの1週間の全国の新規感染者数(厚労省日報より集計)

4月19日 3613人
4月26日 2821人
5月 3日  1657人
5月 10日  908人
5月17日   538人
5月24日   265人
5月31日     301人
6月  7日     294人
6月14日  291人

東京都の感染者数も夜のお店を中心に感染が止まらない、
(傾向は全国と同じなので数字は割愛)

これは、ワタシの予想よりも早く経済再興に動き始めた結果です、

おそらくはもうしばらくはこのような状況=少しづつ感染者は発生する状況を甘受しなければならないのでしょう、

もし、経済再興を無視していいなら、もっと早く“第1波を終息させることはできる”と思います、

が、そういう訳にはいかない、

やってみて初めてわかったいろんな規制・自粛・新生活様式が経済に与えるダメージの大きさ、

“ウイズ・コロナ”という言葉は云い得て妙です、

ワクチンが出来るまで、接種が終わるまで、ある程度の被害を前提にCOVID-19と付き合っていかなければならないのが現実ですね、

◆少しづつ感染者が発生する、これはけっして悪い状況ではない

もちろん感染者がゼロになるのが望ましいのですが、経済再興を無視できない以上、ある程度の感染者発生は甘受する、

これが今の戦略、という風に考えましょう、

ワクチン完成~接種までのロードマップの1つの過程であることは間違いない、

そして、これはそう悪い状況ではない、と考えています、

理由は・・・

①少しづつでも抗体保持率が上って行く=集団免疫に近づく、、、かも、

②現状、医療施設の受け入れ能力内である

とくに2番目が重要です、

とにかく避けなければならないのは、医療現場が崩壊するような大規模な感染爆発(パンデミック)です、

これが起こると助けられない命がたくさん出てします、これを避けるのが長期的視点での最重要視ポイントで良いと考えます、

今の状況なら、感染者をしっかり治療できる体制がある、これが肝要です、

時間を稼ぎながら、ワクチンの完成~接種を待つ、こういう時期です、

◆少しづつ抗体保持率を上げていくことは可能か?

しかし、一つ目に挙げた“抗体保持率が上って行く”=“集団免疫に近づく”は、そう上手くは行かないようです、

6月9日に発表されたソフトバンクグループの抗体検査結果は一般人で0.23%
(コロナウイルスの事31参照)


これは、予想外に低い数字でした、

ワタシ個人的には4~5%有ってもおかしくないと思っていたのです、

意外に感染拡大は拡がっていない、、、

(余談)
他に先駆けて大規模な抗体検査を実施、信頼性のある数値を最初にはじき出した孫さん、流石やと思います、

さらに厚労省実施の抗体検査が発表されました(6月16日)、

陽性率(抗体保持率)は東京で0.10%、大阪0.17%、宮城0.03%

やはり低い数値が示され、ソフトバンクグループの数値とも合わせると、ほぼこのレベルのどこかに真の値があると考える妥当性が生まれたと云って良いと思います、

つまり、2020年5月末頃の日本人のCOVID-19の抗体保持率は少なくとも1%未満

おそらくはもっと少なくて0.5%~0.1%程度の間に真の値があると想定できます、

これは“99%以上の人はまだ抗体を持っていない”という意味です、

となると、、、

COVID-19の流行はまだまだ続く、巷で噂の第2波も間違いなく来る

というのはそんなに被害妄想的な考えではない、ということが云えると思います、

99%の人が今後感染する可能性が残っている、ということですから、

◆ほど遠い集団免疫、ストックホルムの抗体保持率

人口の70%~80%程度が感染すると流行が収まるという“集団免疫”、

この“集団免疫”を目指した国があります、北欧のスウェーデンです

スウェーデンは他国と一線を画した政策でコロナウイルスと対峙しました、

集団免疫を意識した政策、

在宅勤務推奨や高齢者との面会禁止などの規制はあるものの、基本的に市民は普通の生活を享受しました、

この政策のおかげで、当初、経済的なダメージはたしかに少なかったのですが、、、

コロナウイルスによる死者は5月以降急増(100万人当たり500人超) 、

これは他の北欧3国の5倍以上の死亡者数(率)です、

とくに高齢者の死者が多く発生しています、

これは医療現場の崩壊を避けるため、高齢者の医療機関への搬送を制限したためとも云われています、
(これが一番避けたい状況なのに、、、)

命の選別とも、、、

で、抗体保持率はどれくらいまで上がったのか?

首都ストックホルムの抗体保持率は、なんと、、、僅か7.3%

検査希望者に行った民間の検査結果でも約14%、

集団免疫の70%には程遠い数値であることが判明しています、
(6月21日東京新聞)

これは2つの事を示唆しています、

・無策で集団免疫を獲得するには犠牲が多すぎる
 日本の場合、控えめに計算して27万人程の死者が想定されます、
 (コロナウイルスの事31参照)

COVID-19の流行は、まだ序章に過ぎない
 これからも再流行、第2波、第3波と続く可能性が高いのではないかと感じます、

ここまで書くと、、、

やはりワクチン完成~接種というシークエンスまで至らないと、

“ウイズ・コロナ”の時代は終わらないと確信します、

◆では、ワクチンが完成すればすべてが終わるのか?

では、ワクチンが完成すればすべては終わるのか?

そう簡単ではないようです、

まずは接種に関わる問題、

ワクチン開発には多額のマネーが投資されています、完成の暁には企業間のビッグビジネスとなります、

国家間の開発競争は、アフター・コロナ時代を見据えた主導権争いでもあります、

世界中に素早く平等にワクチンが行き渡るよう各国の協力を求めたり、特許権の特例扱い(特許権の免除など)の提案もなされていますが、

そう簡単には収まらないような気がします、

COVID-19の抗体期限が短い!?

そして、中国からはこんな報告が、、、これは、、、怖いかも、、、

『抗体が消滅 中国で検査』

なんと、、、

一旦感染した患者を2カ月後に検査した結果

90%以上の患者の抗体が“減少し始めて来ていた”という報告です、、、あちゃ、、、

(要約)
・無症状の人で93.3%、症状があった人で96.8%で、抗体の減少を確認

・抗体が減少した割合は、半数の人で70%以上の抗体が消滅

・ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の量は無症状の人の81.1%、症状があった人では62.2%で減少

・無症状の人のほうが免疫の反応が弱い

これは怖い報告です、

ワクチンはカラダに疑似ウイルスを入れて(方法論はいろいろあるけど)、

軽い感染状況をお越し、免疫反応で抗体を作る、

この抗体が、再度ウイルスが侵入してきたときにウイルスと闘ってくれるので感染を防げる、というものです、

その抗体が2カ月で減少、、、

ちなみにインフルエンザワクチンの抗体は1年しか持たないそうです、

だから、毎年予防接種(ワクチン接種)を受ける人がいる訳ですね、

もし、COVID-19の抗体期限が物凄く短かったら、、、

一度感染しても、また再感染する可能性がある、ということになります、
(事実、再感染者の例は多く報告されています)

となると、ヒトは毎年COVID-19の予防接種を受けなければならないかもしれません、

いや、インフルエンザ程の季節指数がないとすれば(年中流行るなら)、年に2回の予防接種が必要!?とか、、、

そこまでには至らないような気がしますが、、、

やはり、“ウイズ・コロナの時代”の出口が見えるのには、もうしばらく時間が掛かりそうです、

あまり恐れず、あまり侮らず、じっくりと向き合って生活する、

そんな生活があと1年か2年、

そういう意味ではライブもスポーツも、根本的に新しい様式で作り直す必要があるかもしれません、

今までの常識を一旦取っ払って考える必要があるでしょう、

3密回避だけではなく、選手も観客もワクチン接種を前提としたライブとか大会とか、、、

2021年初頭にワクチン出来ていれば、東京オリンピックもそういう可能性があります、


なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事(号外32の前に)~首相「早ければ年内にもワクチン接種」!?これは酷い発言です!!

2020年06月18日 | コロナウイルス2020

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事(号外32の前に)~首相「早ければ、年内ワクチン接種」!?これは酷い発言です!!

安倍首相が6月14日(日)にとんでもない発言をするものだから、

32号(東京の感染拡大が止まらないのは、そう悪くない)の前に号外を書かざる得ない気持ちになりました、

◆早ければ年内にワクチン接種を開始!?

首相のとんでもない発言とは(14日のインターネット番組での発言)、

世界的に先陣を切る米バイオ企業モデルナのワクチンについて「すごく早ければ、年末ぐらいには接種できるようになるかもしれない」と期待感を示した。
(毎日新聞6月15日)

結論から書くと、これは現状を踏まえた正しい推察ではありません

厚労省も即座に打ち消しています、

「首相が言う『年末』は海外での生産時期の目安であり、国内で接種できる時期ではない」

厚労省の説明は現状に忠実です、

COVID-19のワクチンは最速で(幸運に何度も恵まれて)、年内に生産が始まる僅かな可能性があります、

大阪府の吉村知事も相当前のめりで、6月17日に大阪大+アンジェスのワクチン開発の進捗動向について発表

こちらも「年内20万人分生産可能」と威勢は良いですが、、、

接種については2021年春~秋の実用化、と冷静なコメントをされています、

これが正確な表現です、

新薬・ワクチンの開発動向については、詳しく書くとすごく長くなるので、独酌酔言的にワープさせていただきます、

詳しくは以下のサイトで ⇒

『新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】』(6月12日UPDATE)

◆首相はなぜ、このような発言をしたのか?

安倍首相がなぜこのような発言をしたのか?

このサイトの主旨には馴染みませんが、話の流れ上、書きます、

考えられる可能性は、、、

単なる勘違い、理解不足
この可能性もあります、どうも、首相はこういう精緻で論理的な議論に対する理解力が足らないように思います

意図的に嘘をついた、威勢よくバルーンを上げたかったから
これも、いままで何度となく繰り返されてきたことなので有ってもおかしくない、首相は緻密で丁寧な政策よりも、分かりやすい新しい大きなうねりが生まれるイベントプロモーションが好きです、多くは書きませんが、、、残念、、、

いずれにせよ、『すごく早ければ』という言い訳はあるにせよ、『年内にワクチン接種の可能性』などと云う戯言を1国のリーダーが発言すべきではないと思います、

コロナ禍に関しては、分からないことが多いです、たしかに年内に接種が始まるかもしれません、

でもね、一国のトップとしては、なるべく正確、もしくは確度の高い情報を、国家のリーダーの見識を以って発言すべしと考えます、

◆実際には、ワクチン開発はどうなっているんだ?

たしかに、現在のワクチン開発が従来の常識を打ち破るスピードで進んでいるのは事実です、

これまで、ワクチン開発には10~15年程掛かるのが当たり前と考えられてきたようです、

でも、今回は開発を1年~2年程度まで短縮、全世界接種完了(70~80%目途)まで含めて、3年~5年程度に短縮してしまおうと、世界中の研究者が挑戦しています、

これは、コロナウイルス感染の終焉が世界共通の目前の課題だからです、

各国は資金を潤沢に準備しています(開発ステップは変わらないけども、手順と準備がお金でスムーズになります)、

各国は(安全性確保以外の)多くの障壁を低くしています(お堅い日本の厚労省も)、

そしてなにより、当面の世界最大のビジネスチャンスだからです、

それでも、年内に日本国内で接種が始まる可能性は、、、0.001%くらいしかないように感じます、

◆ワクチンレースの先頭集団は第Ⅲ相臨床試験へ

レースの先頭集団、“オックスフォード+アストラゼネカ”と“米モデルナ
社”は7月からブラジルで臨床実験第Ⅲ相(最終なヒトによる試験)に入ります、

たしかに物凄いスピード感、でも、国内で年内接種というのは、やはりちょっと難しい、、、

なぜか?は書き切れないので(ここでも独酌酔言的ワープ!お許しを)、他のサイトにお任せします、

現状の新薬、およびワクチンの進捗状況と問題点はこちらは詳しいです ⇒

『新型コロナウイルスのワクチンは、本当に早期量産できるのか? 加速する研究開発と、いくつもの不確定要素』

◆もうひとつの危惧、「交渉している」と云うが

首相は各国とワクチン供与の交渉をしている、と発言していますが、これも怪しいです、

いや、もちろん接触はしていると思いますが、それは交渉と云うより“保険”“商談”ではないでしょうか?

理由は、、、

ワクチンは自国民から接種する

どの国が開発に成功したとしても、自国民優先です、まずは自国の国民から接種します
なので、他国開発のワクチンがいきなり日本で接種されるとは考えにくい

ただし、中国だけはどう出るか分からないと考えます(後述)

各国は保険を掛け合う

ワクチンは各国で開発中であり、どれが当たるか?まだ分からない
現在、中国、英国、米国がレースをリードしていますが、誰が先頭でゴールテープを切るかはまだ分からない、

さらに、ワクチンが出来上がっても抗体の強さや効力の期間など、出来栄え点はいろいろあります、必ずしも早く出来上がったから、良いワクチンとは限らないのです、

そこで各国とも保険を掛け合うと思います、

仮に自国のワクチンが不良だったり遅かったりした時は助けてね、その代わり、うちが先に上手く出来たら少し分けてあげるから、という保険です、
これはどの国でも考えるし、交渉は行うと考えます、

ワクチンは高価なビジネス材料

仮に、他国のワクチンを無理やり自国に引っ張って来ようとすると、それは高価なワクチンになってしまうと容易に想像できます、ワクチンもビジネスです、

各国が(特に我が国の首相がお得意の)金銭外交を行うと、世界中でワクチンが高騰、発展途上国への接種が停滞するという事態も起こりかねません、

ここは世界的視点で公正なワクチン接種拡大を目指すべき状況です、

ただし、中国がどう出るか?

マスク外交同様、中国国内の接種完了前(なにせ人口14億人)に“ワクチン外交”を展開する可能性は大です
背に腹は代えられないし、自国開発が難しい国々はこの中国の優しい申し出に応じるのでしょう、これも仕方ない、しかし、その先の未来は、、、

やはり、世界的視野を持って、世界が一丸となって持続可能な世界を作ることを前提にワクチン接種も行われるべきです、

そういう意味ではWHOの役割は大きく、米中の対立はワクチン接種に置いても大きな障害になりそうです、

こんな背景の中で、少しワクチンの話をした、という程度なんでしょう、首相のお話は、

ワクチンは世界を変えることができる(良くも悪くも)

首相の14日の発言は勇ましく、日本国民に希望を与えるように聞こえますが、

残念ながら、ワクチン議論の本質を何も咀嚼していない、情けないほど貧相な発言です、

今は感染拡大防止が最大のテーマであることに間違いありません、

でも、、、

いざ、ワクチン完成が近づいて来たら(今までの各国国内対応の問題だったのが)、

一気にこれからの地球全体を見据えなければならない、新しいテーマを提示します、

『ワクチンをどのように利用していくのが、この地球にとって望ましいのか?』

国家間の覇権争いの武器ではなく、国内の政争の具にすることなく、貧困問題・人種的宗教的問題を拡大することなく、地球上のヒトが(なるべく)等しく救われる、ワクチン接種のあり方、

一国のリーダーはこの辺りから、自らの展望を展開して欲しいと切に願います、
そういう話をリーダーの口から聞きたいです、

けっして、大枚をはたいて、他国からワクチンを強引に買い付けるようなことはしないでくださいね、

それを自慢げに報告したりしたらダメですよ、

ワタシがお金で日本国民を救いました!

そんなのがお好きだから、心配です、首相、


なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事31~ソフトバンクの抗体検査陽性率0.23%、予想外に低い!

2020年06月15日 | コロナウイルス2020

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事31~ソフトバンクの抗体検査陽性率0.23%、予想外に低い!

コロナ陽性率0.43% ソフトバンクが4万人に抗体検査を実施

ソフトバンクの孫さんが大規模(サンプル4.4万人)な抗体検査を実施、6月9日にその結果が発表されました、

その陽性率は全体で0.43%、医療関係者を除くと0.23%、



医療従事者の陽性率は1.79%と一般社員等の8倍ほどの数値、

これは感染者と接する機会が多いと感染もしやすいことを実証していますね、

以下は、医療従事者を除いた数字=0.23%で話しを進めます、

抗体検査陽性率0.23%ということは、

0.23%の人が新型コロナウイルス(COVID-19)の抗体を持っている≒日本人の0.23%の人がこれまでにCOVID-19に感染していた、ということです、

検査数が多いし、サンプリングも偏ってないような印象なので、これは相当、真の値に近いのではないかと感じています、

単純計算で日本人1.265億人×0.0023≒29万人ほどが抗体を持っている、という可能性が高いということです、

現在、厚労省の日報で報告されている現実の感染者数は1万7429人(6月14日現在)、

実際にはその17倍ほどの感染者がいたということになります、

3月頃に巷でよく云われていた、

『ホントはもっと感染者がうじゃうじゃいる』、

『検査数が少ないから感染者数が少ない』、

というのは、ある意味正しかった、感染者はうじゃうじゃいたし、
(ワタシはこういう疑心暗鬼論には賛成していませんが)、

(3月頃に)検査数を増やせば、確かにもっと感染者が増えたと思います、

でも、、、

その結果が現在の状態なのです、

現在までの感染者数と死亡者数が日本の感染被害の概要です、

なので、無症状や軽症の地下感染者が何万人いようと、大勢に影響はありません、

というか、実は地下感染者は多い方が良いとワタシは思っています(後述)、

真の値がどうであれ、最終的に重要なのは顕在化した重症者数と死者数です、

◆想定よりも低い死亡率

この数字から読み取ることが出来るのは、

仮に29万人が真の感染者数とすると、国内の死者925人(6月14日現在厚労省日報から)、

死亡率は、925人÷29万人=0.3%となります、

COVID-19の致死率は0.3%、

今まで云われていた死亡率1%とかの1/3くらいになる、

これは良いニュースなのかな?どうだろう、

今のところ、どう判断すべきか?まだよく分かりません、

しかし、インフルエンザの死亡率0.001%(10万人に1人)に比べるととても高い、

致死率0.3%とは、インフルエンザの300倍の致死率です、

やはり怖いCOVID-19、用心は続けないといけません、

日本で確認された発症者(1万7429人)に対する死亡率は5.3%(925人/1万7429人)、

残念ながらこれはちょっと高い、(検査数が少なかったため)捕まえきれていない無症状・軽症感染者が多いから、

それと、4月頃までの医療現場が有機的に連携機能していなかったからではないかと考えています、

※これは政府の対応が適切でなかったからです、医療現場の責任ではありません、
(コロナウイルスの事24:2020.05.19.で書きました)

◆集団免疫の考え方に数字を入れてみると

1.265億人×0.7(70%で集団免疫獲得)=8900万人×0.003(抗体検査からの死亡率) ≒27万人、

なにもしないで集団免疫を待つとすると、27万人の死者が出るという計算になります、

当初の恐怖的な数字(88万人が死亡)よりも相当少なくなりました、
(コロナウイルスの事②:2020.03.20.で書きました)

ちなみに2018年の日本国内のすべての死亡者は136万人、

集団免疫までには、さらに20%ほど増える、ということになります、

死者27万人、やはり容認できない数字だと思います、

◆抗体検査0.23%の独酌酔言的な観方

ソフトバンクの抗体検査の陽性率は0.23%(医療関係者を除く)、

PCR検査の数字と比べてみると、

現在の日本国内でのPCR検査のトータル陽性率は5.1%(6月14日現在)、

直近の1週間のPCR検査陽性率は1.2%くらいです、

流行当初(2月~5月GW明けまで)の検査数が少なかった、感染の疑いの強い人だけを検査していたので、未だにトータル陽性率が高いですが、

直近の1か月間の国内のPCR検査陽性率の推移はこんな感じ、

各々の日までの1週間のPCR検査陽性率( 厚労省日報から)

~5月3日     4.8%
~5月10日 2.9%
~5月17日 1.9%
~5月24日 1.0%
~5月31日 1.7%
~6月7日   1.2%
~6月14日 1.2%

5月3日までの1週間は検査数が少なく、陽性率も高いですね、

検査数がある程度安定した5月4日~6月14日の6週間平均でみると、陽性率は1.7%です、
(2590人/155507検査)

現状では濃厚接触者を中心とはいえ、それなりに積極的に検査を行っているようなので、これもほぼ真の値に近いかな、という感じです、

PCR検査(現在、感染している人)=1.7%

抗体検査(これまでに感染したことがある人)=0.43%

あれ?普通に考えれば、抗体検査の陽性率の方が高くなるはず(これまでの感染履歴だから)ですが、抗体検査の陽性率の方が低い、

これって変なのか?、、、

いやいや、

だからこそ真の値を示しているような気がします、

◆抗体検査陽性率0.23%は真の値に近い

PCR検査は感染者、濃厚接触者、なんらかの発症がある人に対して行っているので、統計学的には相当恣意的なサンプル構成になっているはずです、

それで最近5週間の陽性率は1.7%

感染可能性が高いサンプルを選んで検査している、

ということは、、、きっと、真の値(真の感染率)はもっと低いはずです、

濃い場所を選んで検査しているから、実際にはもっと薄いはず、という考え方です、

かたや、ソフトバンクのサンプル数は4.4万、これは統計学的に見て全く問題のない標本数です、

サンプル抽出の中身は分かりませんが、ソフトバンク関係会社の社員ということなので、相当標準化されているような気がします、つまり質的にも信頼できる調査であると考えてみます、

なのに、PCR検査の陽性率よりも低い

過去の感染履歴も分かる抗体検査(今まで感染した人のトータル)なのに、PCR検査(今、この瞬間に感染している人の率)よりも低い陽性率が出る、

これは、、、どう考えれば良いのか?

少々ややこしいですが、

“PCR検査の陽性率は真の値よりも高めに出ている(感染濃厚なサンプルで検査しているから)”と考えると、一応筋は通ります、

本来は感染真っ最中の人より、すでに抗体を持っている人の方が多いはずなのに、

PCR検査の陽性率よりも、ソフトバンクの抗体検査陽性率の方が低い、

であるからこそ、ソフトバンクの抗体検査陽性率0.23%に真実味があると感じている訳です、
(ここ、ちと分かりにくいですが、よく考えてみてください)

でも、、、

抗体検査の陽性率は“低かったからヨカッタ”と云う訳ではないのです、

◆予想よりも低い抗体検査の陽性率

実は、ワタシは抗体検査の陽性率はもっと高いのではないかと考えていました、

もしくは、『もっと高かったら良いなあ』と考えていました、

理由の1つは、これまでの検査結果がもっと高かったからです、
(図再掲)

NYの12%はちょっと異常値だとしても、

他の数字を観て、たぶん1%以上、下手をすると(いや、上手くすると)4~5%あるのではないかと考えていました、

つまり、無症状・軽症感染者がもっとたくさんいるのではないかと考えていました、

これは、前述の『街中に感染者がうじゃうじゃいる』『検査数が少ないから感染者数も少ない』という疑心暗鬼論、悲観論ではなく、

『知らない間に抗体を持っている人が結構多いのではないか』という楽観論です、

どちらの論をとっても、現実の感染者と死者は変わらないのですから、楽観視したかった、

なぜなら、、、

抗体検査の陽性率が高いと、流行拡大の終息も(わずかですが)近くなるわけです、

仮に抗体検査の陽性率が50%だとしたら(極端な例です)、

それこそ“集団免疫”が目の前に迫ってきている!と自信を持って云えます

つまり、知らぬ間の抗体保持率(抗体検査陽性率)は高い方が良いのです、

しかし、今回の抗体検査陽性率(抗体保持率)は0.23%と予想外に低くかった、

これをどう観るか?

端的に云うと、、、

まだまだ流行は続く、と云わざるを得ません

まだ99%の人が抗体を持っていない訳ですから、これからも流行が起こる可能性が高いと云わざるを得ません、

世界的な流行拡大の第2波が秋以降に来るのではないかと予測されています、

その時に抗体を持っている人が多ければ多いほど、流行のピークは低くなるはずです、

でも、まだ99%の人は抗体を持っていない、、、

やはり、まだまだ楽観視はできません、

抗体検査陽性率が低いから、これからも流行る可能性が高い、

なんとも皮肉な状況、難解な自己矛盾を抱えた気分です、

◆さて、第1波はいつ終わる

東京の感染者がやや増加傾向に転じているように観えます(6月14日現在)、

第1波の終息はいつになるのか?

これをどう観るのか?

自粛解除、規制解除は早すぎたのではないか?

という議論には、あまり賛同しません、

逆に云うと、この現象(感染者の微増、流行の長期化)もそう悪い事ではないのです、

これは次回のお話にします、


なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事30~コロナの終焉、ワクチンはいつ頃出来るんだろう?

2020年06月10日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事30~ワクチンはいつ頃出来るんだろう?

良く耳にする「コロナとの戦いは長期戦になる」、

はい、間違いなく長期戦になると思うのですが、

今のところ、いったいいつ頃終息する見込みなのか?

このテーマはなにかタブーのようになっているのか?はっきりと期間を示唆するマスコミは少ないですね、

ま、この先、どうなるのか分からない、不確定要素が多すぎて、安直に予測できない、というのは真実だとは思いますが、

にしても、なんとなくぼやっとし過ぎていて、かえって不安になる、という声もあります、

そこで、独酌酔言的な予測を書いてみようと思います、

今日は少々、長いです、

◆「ウイズ コロナの時代」

なるほど上手な言い回しですね、って、こんなことで感心している場合ではないのですが、

でも、やはり上手です、

“時代”というからには、やはり10年単位でコロナウイルスと付き合わなければならないのだろうか?という感覚が伝わってきます、

少々大袈裟すぎるかもしれませんが、完全なコロナウイルス制圧までには10年くらい掛かるのかもしれません、

未知のウイルスと付き合う社会構造の変革、生活様式の変革に10年くらい掛かる、という意味では正しいのかもしれません、

でも、それではワタシももう生きていないかもしれない、長過ぎます~、

ということで、もう少し短いタームでの期限を切って欲しいところです、

◆今回のコロナウイルス流行の(一応の)終焉はいつ?

一応のコロナウイルス流行の終焉、

つまり、2020年2月頃から全世界的に始まった新型コロナウイルス流行の終焉、

とりあえずはこの終焉の期限を予測、というか、現実的なスケジュールを考察してみたいと思います、

今回の流行が一応収まるには、いくつかのシナリオが用意されていますが、現実的なシナリオは実は一つしかないと考えています、

一応、可能性のあるシナリオを列挙しておきますが、、、

◆集団感染の完了による終息

集団感染とは、

70~80%の人が感染、抗体を作ることで流行が終息するという疫学的理論、

100年前のスペインかぜはこれで終息を迎えたと云われています、

これを目指すという手があるかというと、、、

死者が多すぎて、現代ではとても容認できないと思います、

ちなみに死亡率1%としても、日本国内で100万人程が亡くなる、という計算になるからです、これは容認できない、

◆特効薬の開発成功による撲滅

ウイルス感染症に対する特効薬が開発される見通しは、、、残念ながらとても低いようです、

現実にインフルエンザにも、SARSにもMERSにも特効薬はありません、

もっと云うと、SARSやMERSには未だワクチンさえないのです、

それでも現在、他の病気用に開発された薬(レムデシベル・アビガンなど)の転用研究、COVID-19用の新薬開発は鋭意行われています、


ここから特効薬が生まれる可能性もゼロではないので、期待したいところです、

研究中の転用薬剤の一覧はこちら ⇒

◆完全なる封じ込め

では、SARSやMERSはなぜ(一応)終息しているのか?
(正確にはMERSはまだ終息していないらしいですが)
 
これは、完全なる封じ込めに一旦は成功しているからです、

SARSやMERSは劇症化率が高いため、患者の特定が比較的容易で、

さらに強い咳などの症状がないと感染しにくいという特性があったためのようです、

症状が分かりやすいので、封じ込めもしやすかった

これに対して新型コロナウイルスCOVID-19は潜伏期間が長く、症状が軽かったり、無症状の人もいるため感染が起こりやすい、という感じです、

軽いから広く流行る、そしていきなり劇症化する、という質の悪いウイルスなのです、

実際には、国内でこの数か月の3密回避、移動自粛などで一応の感染拡大を食い止めている、という実績を作ってはいますが、

全世界的な“完全なる封じ込め”となると、これは難しいのではないかと考えます、

グローバル化により地球内の実質距離は相当近くなってしまっています、

一旦下火になったとしても、地球単位でヒトが移動する限り、いずれ第2波の襲来は来る、

再流行は避けられないのではないかと考えておいた方が良いでしょう、

◆奇跡が起こる
 
ちょっと書き方が無責任野郎ですが、こういう可能性もあります、

奇跡が起こる、

未知のウイルスとの闘い、未だ相手の正体がよく分からないのが不気味ですが、それは悪い面ばかりではないかもしれません、

なにか、我々が知らない、人類が経験していない何かがある日突然現れて、事態を一気に解決に導くかもしれません、
 
それは、特効薬かもしれないし、ワクチンかもしれないし、COVID-19の弱点の発見かもしれないし、

(余談)
ずいぶん昔に「人類SOS」という映画がありました、突然地球上に動物を食べる植物が出現、どんどんとその勢力を拡大していく、人類絶体絶命の危機、と、ラストでとても身近にあるもので人類は救われることになります、オリジナル版「宇宙戦争」の結末もそうですね、

でも、奇跡を待って祈っているばかりでは、この危機は脱せないかもしれません、

映画のような結末は、たいてい現実には起こらないものです、

◆ウイルス感染症の切り札、ワクチン接種

やっとワクチンの登場です、前段長すぎました、スイマセン、

コロナウイルス感染拡大に終止符を打つのはワクチンだと考えています、

ワクチン、インフルエンザとかで打つ、俗に云う予防接種です、

これがやはり、コロナウイルス流行の終焉を迎える一番の切り札のようです、

ワクチン接種とは、『その病原体の一部をヒトの体内に入れて免疫の働きで抗体を作る』という手法、

ま、わざと軽~く感染してみて、身体をその病原体に慣らしていく、という感じです、

免疫とか、抗体とか、聴き慣れているけど理屈は難しい、

けど、ここも書くとさらに長くなるのでカッツアイ!!

スイマセンが各自で調べてください^^)

◆ワクチンの種類、まずは2大ワクチン

これまでは、大きく2種類のワクチンがあります、

しかし、最近はさらにいろんなタイプの新しいワクチン手法の開発も進んでいるようです、

まずは現在の2大ワクチンのご紹介

(生ワクチン) 
病原体を極力弱体化させて体内に入れ、軽い感染状態を作るワクチン
はしか、ふうしん、おたふくかぜなどのワクチンがこのタイプ

(不活性化ワクチン) 
こちらは毒性を完全に取り去り、免疫による抗体を作る成分だけを体内に入れるタイプ、より安全、でも複数回の接種が必要な場合が多い、

B型肝炎、ポリオ、インフルエンザがこのタイプ

他にもトキソイドというのもありますが、、、これも割愛、

詳しくはこちら ⇒

◆新型ワクチンの開発競争、「DNAワクチン」

今回のコロナウイルス感染拡大を受けて、世界中でワクチンの開発が進んでいます、

と、書くと、ワクチンはだいたいみんな同じような開発経路をたどるのではないか、というイメージが湧いてしまいますが、

実際には様々なアプローチがあるようです、ここらは専門的すぎてよく分かりません、

でも、現代医学の進歩でいろんな病理メカニズムが解明されています、

それにつれて、ワクチン開発の考え方やアプローチもどんどん複雑多岐になってきている、という理解で良いと思います、

その中で、最近よく聞く新しいワクチンが「DNAワクチン」、

これは、、、簡単に云うと、“効果がある物質をDNAの形にして体内に入れる”ということです、

ヒトの体内で抗体が出来る原理は一緒だと思います、

入れるモノがDNAレベルで作られている、というものですね、

効きそうな感じもしますが、間違えると結構危なそうなイメージもありますね、
(個人的ステレオタイプな意見です、もちろん、そこを安全にする研究がおこなわれています)

◆ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子、というのも良く聞きます

これはワクチンというより、感染のメカニズム解析から注目されています、

HLAはヒトのほとんどの細胞にある分子で、自分の細胞と自分以外(コロナ)を見分ける働きをしているみたいです、

血液型みたいにパターンがあり、その種類は数万通りとか、

このパターンがコロナウイルス感染時の劇症化するかどうかに関わっている(分かれ目の)可能性があります、

そこで、このHLAからのアプローチで特効薬やワクチン開発につなげようという動きです、

解決へのアプローチは様々、

現在、中国、米国、英国、そして日本他でワクチン開発が急ピッチで進んでいます、

◆日本のワクチン開発

日本国内では大阪大学を中心としたグループでのDNAワクチンに期待が集まっています、
(東大ではないのが興味深い)

現状はマウス・ラットでの試験中、

米国のModerna社が第1相臨床試験(後述)の中間解析結果を発表しているのに比べると、相当遅れていますが、

イヤイヤ、なにが起こるのか分からないのがワクチン開発みたいです、そこらは後述、

大阪大学のプロジェクトはバイオ企業アンジェスが主導、7月にも第1相試験に入り、

ワクチン製造はタカラバイオ、AGC Biologics、Cytivaが協力する、という面々、

早ければ『年内に20万人分のワクチン生産体制が出来ている!』と威勢の良い言葉も出ています、

◆ワクチンの開発には時間が掛かる

これまで、ワクチンの開発製造には5~10年ほどかかると云われてきました、

長いね~、今回のコロナ禍状況では、そんなにのんびりもしていられません、

あらゆるスケジュールを短縮化して、なるべく早く開発終了・製造開始を目指している、というのが現状です、

でも、急いでもそれなりに時間は掛かります、

いくつか理由があります、さらっと挙げてみると

安全性の確保 まずはこれに尽きます
厚労省の認可が(世界と比べると)ビックリするほど遅い
開発~臨床~承認~製造まで順を追って進める、のが一般的、

なので時間が掛かる

あと、製造過程での技術的問題、コストの問題もありますが、まずは上の3つが大きな理由でしょう、

このうち、2つ目のびっくりするほど時間が掛かる日本の厚労省の承認問題、

これは既存薬「レムデシビル」が特例であっという間に承認されたことで、なんか分からんけど“審査期間が長かっただけ”、ガンバれば出来る!ということが分かったので、ワクチン承認も早いでしょう、

3つ目は、もはやそんな段取りを踏んでいる時間がないので、前述の通り、開発成功を前提に大量製造体制まで前もって作り込んでいます、

開発が終わったら迅速に承認、即生産、という突撃モードで突き進む、ということです、

◆ワクチン開発、まずは絶対安全性の確保が最優先

ワクチン開発に時間が掛かるのは、一にも二にも『安全性の確保』のためです、

その大きな障害は副作用です、

ワクチンは毒性物を体内に入れて、軽い感染状態を起こして感染拡大を防ぐという、ある意味“捨て身の戦法”です、

もし、安全性に疑問があれば、やはり使用は許されない、

仮に万に一つ、0.01%の確率で重篤な副作用があれば、日本人1億人がワクチン接種を行った場合、1万人が副作用で苦しむことになります、

これはコロナ禍よりも悲惨なことになります、

とくに、ヒトが作り出したモノ(ワクチン)でヒトが病気になる、という事態、これだけはどうしても避けたい事象なのです、

◆ワクチン開発の課程

ざっくり下の図で説明完了(新薬開発過程ですが、ワクチンも同じかと)、ビジュアルは大切です、

基礎研究(アプローチ)~非臨床試験(動物試験)~臨床試験(ヒトでの試験)と続きます、

ヒトを対象とした臨床試験は第Ⅰ相から第Ⅲ相まであり、各相で質(確認内容)・サンプル量が変化(増大)し、あらゆる可能性の確認と排除が行われます、

詳しくはこちら ⇒

米国ではすでに、第Ⅰ相の中間報告まで行っています(5月末)、

大阪大学グループは7月に第Ⅰ相に入ります、

さて、各国が目指している2020秋から年内のワクチン完成、そこからの製造、2021年春から夏に接種開始、

この工程で進めるか?

と、ここでこんな最新ニュースが

英国オックスフォード大学+アストラゼネカのプロジェクトです、

開発中の新型コロナワクチンをブラジルで最終段階の試験で合意、

これは第Ⅲ相の開始ということですね、

相当早い、進んでいますね、オックスフォードの意地を観た感じです、

◆ワクチンの出来映え

安全性を確保して完成したとしても、そのワクチンの出来栄えも問題です、

(効果) 
一番はこれですね、どれだけ確実に抗体が出来るのか?その抗体は感染を防げるのか?
ワクチンの出来不出来もいろいろ出てくるようです、

(抗体の期間) 
これはワクチンの問題というよりCOVID-19の性格に掛かっていそうな気もしますが、抗体の期間があまり短いと困ります、
抗体の期間が短いと、インフルエンザワクチンのように毎年接種しないといけないかもしれません、

(製造所要時間) 
なんか、ワクチンはすぐに大量生産することが出来ないようです、
すぐに出来そうに思ってしまう凡人素人感、

世界視点で考えると、各国ともまずは自国民から接種する、ということになるでしょう、これは致し方なし、
全世界77億人(以上)に接種するのに、いったいどれほどの時間が掛かるのか?

日本も独自にワクチン開発を成功させるのが重要な理由がここにあります、

(製造コスト) 
そして、ワクチンもまたビジネス商材です、「ウイズ コロナの時代」のもっとも大きな国際取引の一つになるかもしれません、

ワクチンはおそらく高価、接種にもお金が必要です、ワクチンが出来た段階でこのお金の問題もクローズアップされると思います、

これが新たな国際対立や貧困問題、南北問題を拡大させ、持続可能な社会作りを後退させるかもしれません、

◆さて、日本のワクチン接種完了は?

まだ、だれにも分からないのが実情です、

大阪大学グループの研究に期待しますが、希望的予定は(前述のとおり)年内に20万人分のワクチン生産、
(これはこれで実現したら快挙!)

でも、、、1億2600万人分のワクチンが出来るのは?いったいいつ?と不安になる、

と、こんな情報を総合的にざっくりと独酌酔言すると(もはや動詞化^^)、

日本のワクチン完成は、最速で2021年冬(物凄く早い!!)、

すかさず厚労省は承認、

医療関係者から接種開始!が2021年春、

国内で7~8000万人程度のワクチン接種完了が2021年秋~末、

このストロークが(幸運にも恵まれての)最速で、

現実には半年から1年程度の遅れの可能性有り、という感じでしょうか、

と、先週、こんな発表が、

厚労省は2021年前半に接種開始を目指すと発表しています、

あらら、だいたい同じ感じですやん、現実的ですね、

もちろん、この間にいろんな幸運が必要ですし、、

ひょっとすると奇跡が起こるかもしれません、

でも、一応のコロナウイルス感染拡大の終焉をワタシが予測するなら、

それは、2021年末~2022年夏という感じかな、

と、これはあくまで素人の戯言です、

専門家の方々、研究者の方々は政府の意向など忖度せずに、忌憚なく真実を語って欲しいです、

このストロークで行くと、2021年7月のオリンピック開催もホント難しいのですが、、、

早く対応しないと、税金が無駄に使われてしまいます、

小池さん、よろしく、




なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事29~PCR検査の陽性率低下安定、第1波の残り火も徐々に収まってきています。

2020年06月08日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事29~第1波の残り火も徐々に収まってきています、

第1波の残り火が燻っていた北九州もやっと落ち着いて来たようです、

が、油断禁物、しっかりと新生活様式を守って、

なんとかこのまま第1波の終息を目指してほしいです、

◆北九州市のPCR検査陽性率も落ち着きました

PCR検査数に対して、陽性(感染)が確認された比率が陽性率です、

これがしっかり下がってきました、

6月1日~7日の1週間の陽性率
43人/1534件 2.8%

再び感染者数が急増した5月末頃の陽性率が10.8%でしたから、
119人/1098件 10.8% (5月23日~6月2日)

なかなか良い傾向です、

2.8%という数字はまだ少し高いですが、でも大丈夫、このままいけば、

全国レベルで見ると1%台まで下がって、やっと先が見えるという感じでしょうか?

◆全国の陽性率も落ち着いています、が、、、

全国の陽性率、直近の5週間を観ると、

※それぞれその日までの1週間の陽性率(厚労省日報を集計)
~5月10日 2.9%
~5月17日 1.9%
~5月24日 1.0% 
25日緊急事態宣言解除
~5月31日 1.7%
~6月  7日    1.2%

しっかり検査をして(検査数は1日@3000件~程)、

この陽性率はそれなりに安全の確認が出来ていると考えて良いと思います、

しかし、夜の街での感染は続いているし、通勤電車もまた混雑し始めているそうです、

夜の接待はまだまだ難しいなあ、、、手綱を引いたり緩めたり、

企業は時差出勤、自宅勤務を引き続きよろしく、

しっかり3密回避を心がけて第1波終息を目指しましょう、

◆この小康状態で時間を稼いでいる間に

このまま、6月末までに全国での新規感染者が一ケタになる事(独酌酔言的な一応の第1波終息の目安)を目指していくのが肝要です、
(4月28日コロナウイルスの事⑱参照)

語弊があるかもしれませんが、今のこの状態であれば由とする、という風に考えます

今の状態であれば、医療の崩壊もないし、助けられる命は助けられる、

そして、いずれは来る第2波に備える余裕も出来て来ています、

いろんな角度からの方策や改善のアイデアが生まれています、

今の小康状態で時間を稼いでいる間に、第2波への準備をしっかりと進めて欲しい!と政府に要望します、

今は、、、

第2波への対応コンセプト(全体像)を確立して、

場当たり的で効率の悪い政策集団から、効率的で機能的な政策集団への転換を図る時間です、、

政府、官僚、自治体、医療関係施設、医療関係業界作、医療従事者、専門家、研究者が一丸となって第2波に立ち向かう事が出来る体制を!作ってください、

官僚の縦割り意識、利権、国と自治体の対立、政党の対立など、効率を下げる要因は極力押し込めて、

コロナウイルスとの闘いの終焉までのロードマップをしっかり見据えた対応をお願いします、

と、ここまで一旦休憩、、、

今日は、この先にある「コロナウイルスとの闘いの終焉」、

その代表選手である「ワクチン」関係について書こうと思ったのですが、、、

ここまでで結構長くなったので一旦終了、

この先は先送りします、

明後日くらいに続きを掲載します、スイマセン、

政府、官僚は問題を先送りせずに頑張ってくださいませ、


なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事28~東京アラート発令!?北九州市でも、まだまだくすぶる第1波。

2020年06月04日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事28~東京アラート発令!?北九州市でも、まだまだくすぶる第1波。

6月6日(火)の東京都での新規感染者は34人(うち感染経路不明者は12人)、新規感染者が30人を超えたのは19日ぶり、

これを受けて東京都知事は「東京アラート」を発令しました、

「東京アラート」とは、緊急事態宣言を解除した状況で、再び感染拡大が起こる可能性が高まった時に発令される警戒警報のようなもの(だそうです)、

あらためて、感染拡大の危機は未だ去っていないので『十分に感染防止に気を付けて行動してくださいね』ということです、

「東京アラートの発令要件」は以下の3つです、

これを1つでも上回れば発令の予定でしたが、さすがに小池さんも躊躇されたようですね、

要件が1つでも基準を超えてしまったら、発令出来たのですが、即発令とはなりませんでした、

緊急事態宣言の解除は“すべての生活行動を元に戻しても良い”という意味ではなく、

“新しい生活様式”、すなわち基本衛生動作(マスク、手洗い、消毒など)、3密の回避、県境を越えた移動の自粛などを遵守する前提で解除されています、

しかし、まあ、人の行動というのはそう簡単にコントロールできるものではないようです、

緊急事態宣言の解除はワタシの予測より1カ月ほど早かったですが、解除自体は間違った判断ではなかったと考えています、

この時期は手綱捌きがホントに難しい、

感染拡大防止と経済活動維持の両立、

本来相反するこの2つをどう実現するのか?

ワクチン開発~接種完了までの1年半か2年間はずっとこのテーマと向き合わなければなりません、

今回の東京都や北九州市での(第1波の余波による)再感染拡大はある意味織り込み済み、というくらいのスタンスで臨んだ方が良いと思います、

『早すぎたのではないか?東京都の緊急事態宣言の解除』というアプローチはそぐわないと考えます、

手綱を緩めては引く、緩めては引く、これの繰り返し以外に闘いの道筋は無いように思えます、

◆これから東京都の感染拡大はどうなる?

東京在住の方の話しを聞くと、首都圏の人出はだいぶ戻ってきているようで、通勤電車も混み合っているようです、

これは凄いよね、関西の感覚では満員電車は怖くてまだ乗れませんが、

仕事で致し方なし、緊急事態宣言も解除されたので大丈夫だろう、ということでしょうか、

怖いけど乗らないと会社へ行けないし、という感じでしょうか?

でも、緩めれば緩めるほど再感染拡大の確度は高まります、

ここは、企業もテレワークを延長、一人ひとりももう少し自粛を続けないといけないようです、

さて、今後の東京や北九州市の感染拡大ですが、ワタシはある程度の低いピークで再び沈静化する、

4月のような大感染規模にはならないのではないかと期待しています、

独酌酔言的なその理由は、、、

これは第1波の余波です(第2波じゃない!)、
 一度、感染拡大を経験しているので、抗体を持っている人が(少ないなりに)一定割合いるから、ピークはより低くなるに違いない


② マスク・手洗いなどの基本動作、3密回避、外出自粛が浸透しているので、全体的なリスクは3月4月よりも低減されている


③ 海外からの渡航客も少なく、ある程度コントロールされている

④ 季節流行指数は確認されていませんが、夏場はやはりある程度流行が抑えられるではないか

以上のような感じかな、他にもいくつか理由はあると思いますが、、、

あまり恐れず、でもしっかりと新しい生活様式を実践していきましょう、

企業もテレワークの延長、移動自粛の継続が肝要です、

◆北九州でも再び感染拡大

北九州市でも再感染拡大が起こっています、

クラスターもあり、感染経路不明者も多いようです、

『コロナウイルスの事26』で、これを“第2波”と呼ぶのはふさわしくないと書きましたが、実際、拡大している地域では“第2波”と呼びたくなるのも無理はありません、

北九州市で確認されたこれまでの感染者総数は195人(6月2日現在)、

うち、再拡大時期(5月23日以降)で119人確認と、4月の総数を上回ってしまいました、

医療施設と小学校でのクラスター発生からの市中感染拡大、というシナリオのようです、

再度、手綱を引いて(一定の)経済活動を抑制するしかないでしょう、

東京都と同様“夜の接客”店は自粛した方が良いと思われます、

◆PCR検査範囲を拡大したから感染者が増えたのか?

さて、この北九州市の感染者増に関して気になる記事があります、

北九州市、無症状の濃厚接触者にもPCR検査 感染確認急増に影響か
(毎日新聞6月2日掲載記事)、

今までも何度も云われている、

“検査を増やしたら感染者が増えるぞ”という恐怖感を煽るように読めます、

知り合いからも、

『他の地域でも、無症状の濃厚接触者を検査したら、もっと感染者数が増えるのではないか?』

という意見がありました、

が、これは正確な記事ではないと考えています、

いや、記事内容は間違っていません(書き方が難しいなあ)、、、

あまり正確ではないというか、間違った印象を与えてしまうのは“記事のタイトル”です、

タイトル再掲、

北九州市、無症状の濃厚接触者にもPCR検査 感染確認急増に影響か

直感的には、

“検査数が少ないから見つかっていない感染者が市中に多くいる”

“他の地域でも、もっと検査したら感染者はもっと増える”

と云う印象を与える、というところが、このタイトルの残念ところです、

はい、残念です、毎日新聞さん、

◆単純に、検査数と感染者数に相関関係は無い

この直感的イメージは必ずしも間違ってはいませんが、すべてを網羅した正しいイメージでもありません、

少し立ち戻って根っこのところの確認しましょう、

もし、

検査数が少なくて感染者を捕まえきれなかったら、、、

感染者数は最終的には増えるはずです、

検査から漏れた感染者はいろんな人と接触する機会が長引く(増える)わけですから、

今発症していなくても、時間の経過と共に必ずその何倍かの人数になって顕在化(感染拡大)するはずです、

検査数が少なくても、最終的には医療機関に患者が来るはずです、

ですから、

『検査数が少ないから感染者数が少ない』という比例相関関係は成立しないと思います、

逆に『検査数を増やしたから感染者数も増える』というのもおかしな話です、

たしかに、検査数を増やせば感染者は一定数増えますが、

その発見比率(陽性率)は(検査数を増やすと)どんどん低減していきます、

発見比率(陽性率)も上がっているなら、それは実際に感染拡大が起こっている状態を指し示す訳ですから、

陽性率が観るべき因数であり、検査数は感染者数とは(ある意味)関係ないのです、

ここのところは何度書いても上手く説明できません、、、もどかしい、、、

◆今回の北九州市の場合は

毎日新聞の記事のタイトルを極シンプルに理解するとしたら、

今、北九州では、

今まで無症状の濃厚接触者を検査していなかった ⇒

だから感染者も少なかった ⇒

今回は無症状の濃厚接触者を検査した ⇒

だから感染者がたくさん見つかった ⇒

ということになりそうな気がします、

これは、、、部分的には(短期的には)正しい理解ではあります、その通りの事象です、

しかし、コロナウイルスの感染メカニズムとPCR検査数という関係の中で観ると、必要十分な説明(理解)であるとは云い難いと考えます、

独酌酔言的には、、、

今まで見逃している感染者もいたかもしれないけれども、

最終的には感染者数は押さえ込んでいたのだから、

ある程度の妥当性(効果性)のある検査数だった、と云えると考えています、

また、他のエリアで、

『無症状の濃厚接触者を検査したら、感染者数がもっと増えるに違いない(だから怖い)』

と云うのは、確度が低い推測と云わざるを得ません、

◆ワタシも間違った認識をしている部分がありました

4月6日(だっけ?)安倍さんがPCR検査1日2万件体制をぶち上げたにもかかわらず、GW明けまで検査数は一向に延びませんでした、

そしてGW終盤頃からPCR検査数は徐々に伸び始めました、

この時期にやっと、やっといろんな目詰まりが少しづつ解消されてきたのです、

この時に“無症状の濃厚接触者も積極的にPCR検査を行う”という発言があったように記憶しています、

だれの、どこでの発言だったか?菅さんの記者会見だったか?

今、確認出来ませんがこんな記事があります、

接触者は無症状でもPCR検査 京都市が独自の新基準、コロナ感染拡大防止で
(2020年5月8日京都新聞)



この頃からPCR検査対象が拡大、

てっきり多くの自治体で濃厚接触者のPCR検査が広まっていった、と誤解していました、

クラスター周辺では行われたでしょうが、個人発症者レベルの周辺では行われていなかったようです、

少なくとも北九州市では最近まで(クラスターではない)無症状の濃厚接触者のPCR検査は行われていなかったようです、

これは、ワタシの誤解でした、スイマセン、

したがって、北九州市の今の事象、毎日新聞の記事は短期的には正しいです、はい、

◆他の地域でも濃厚感染者の検査数を増やせば、どうなる?

では、今後、無症状濃厚接触者にもPCR検査を実施すると、

今回の北九州市のように、感染者数が劇的に増えるのか?というと、やはりそんなことは無い、

もちろん、感染者の早期発見のためなるべく多くのPCR検査を実施すべきと考えています、

1人でも多くの感染者を見つけるためです、

でも、かといって、

無症状の感染者が街中に溢れている、

が、検査していないので見つかっていないだけ、ということはやはりないのです、

◆北九州市のPCR検査数

ちなみに、北九州市と全国の2月以降これまでのPCR検査数と感染者数、陽性率は以下です(6月2日現在)、

     検査数  陽性者数  陽性率
北九州市 4217  195  4.6% (2月~現在総計)
北九州市 1098  119人 10.8% (5月23日以降)
全国   296383 16930 5.7%

2月から通して観れば、北九州市の方がやや少ないですが、全国の陽性率とほぼ同じレベルです、

人口比で見ても北九州市96万人:日本1億2650万人、0.75%、

PCR検査数、北九州市4217、全国296383、1.7%、

と人口当たり検査数は全国平均の2倍以上行われています、
(現在の感染拡大の影響もありますが、それ以前でも検査数が少なかった、ということはありません)

つまり、北九州市では、これまでも適正な(数の)PCR検査が行われてきた、ということです、

が、5月23日以降だけで観ると陽性率10.8%とたしかに高い数字になっています、

『流行している』指標の陽性率12~13%に近い数字です、

(今後の陽性率の経緯を観ていかないといけませんが)
今後、北九州での感染者数が減少に転ずれば、

やはりこの時期に、『いくつかのクラスターが発生した結果、感染が広がった』という分析で良いと思います、

結果的に(無症状濃厚接触者の)検査で感染者が見つかった、という事象です、

◆今は第1波の余波、だから本波を超えることは無い

最初の方で書いたように、現在の事象は『第1波の余波』なので、4月の流行を超えることは無いと思います、

従来の“クラスター潰しの徹底”、“新生活様式の徹底”で乗り越えられると思います、

独酌酔言的希望的観測、6月末までに全国での新規感染数を一ケタにする、

これを目指して、冷静に進むしかないと思います、

しかし、コロナはある意味正直だなあ、と実感、

自粛規制を緩和したり、学校を再開したり、練習試合を始めたら、また感染者が出る、

これが真実であり、ウイルスの摂理であります、

小賢しい人間の知恵など高が知れています、