テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事28~東京アラート発令!?北九州市でも、まだまだくすぶる第1波。

2020年06月04日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事28~東京アラート発令!?北九州市でも、まだまだくすぶる第1波。

6月6日(火)の東京都での新規感染者は34人(うち感染経路不明者は12人)、新規感染者が30人を超えたのは19日ぶり、

これを受けて東京都知事は「東京アラート」を発令しました、

「東京アラート」とは、緊急事態宣言を解除した状況で、再び感染拡大が起こる可能性が高まった時に発令される警戒警報のようなもの(だそうです)、

あらためて、感染拡大の危機は未だ去っていないので『十分に感染防止に気を付けて行動してくださいね』ということです、

「東京アラートの発令要件」は以下の3つです、

これを1つでも上回れば発令の予定でしたが、さすがに小池さんも躊躇されたようですね、

要件が1つでも基準を超えてしまったら、発令出来たのですが、即発令とはなりませんでした、

緊急事態宣言の解除は“すべての生活行動を元に戻しても良い”という意味ではなく、

“新しい生活様式”、すなわち基本衛生動作(マスク、手洗い、消毒など)、3密の回避、県境を越えた移動の自粛などを遵守する前提で解除されています、

しかし、まあ、人の行動というのはそう簡単にコントロールできるものではないようです、

緊急事態宣言の解除はワタシの予測より1カ月ほど早かったですが、解除自体は間違った判断ではなかったと考えています、

この時期は手綱捌きがホントに難しい、

感染拡大防止と経済活動維持の両立、

本来相反するこの2つをどう実現するのか?

ワクチン開発~接種完了までの1年半か2年間はずっとこのテーマと向き合わなければなりません、

今回の東京都や北九州市での(第1波の余波による)再感染拡大はある意味織り込み済み、というくらいのスタンスで臨んだ方が良いと思います、

『早すぎたのではないか?東京都の緊急事態宣言の解除』というアプローチはそぐわないと考えます、

手綱を緩めては引く、緩めては引く、これの繰り返し以外に闘いの道筋は無いように思えます、

◆これから東京都の感染拡大はどうなる?

東京在住の方の話しを聞くと、首都圏の人出はだいぶ戻ってきているようで、通勤電車も混み合っているようです、

これは凄いよね、関西の感覚では満員電車は怖くてまだ乗れませんが、

仕事で致し方なし、緊急事態宣言も解除されたので大丈夫だろう、ということでしょうか、

怖いけど乗らないと会社へ行けないし、という感じでしょうか?

でも、緩めれば緩めるほど再感染拡大の確度は高まります、

ここは、企業もテレワークを延長、一人ひとりももう少し自粛を続けないといけないようです、

さて、今後の東京や北九州市の感染拡大ですが、ワタシはある程度の低いピークで再び沈静化する、

4月のような大感染規模にはならないのではないかと期待しています、

独酌酔言的なその理由は、、、

これは第1波の余波です(第2波じゃない!)、
 一度、感染拡大を経験しているので、抗体を持っている人が(少ないなりに)一定割合いるから、ピークはより低くなるに違いない


② マスク・手洗いなどの基本動作、3密回避、外出自粛が浸透しているので、全体的なリスクは3月4月よりも低減されている


③ 海外からの渡航客も少なく、ある程度コントロールされている

④ 季節流行指数は確認されていませんが、夏場はやはりある程度流行が抑えられるではないか

以上のような感じかな、他にもいくつか理由はあると思いますが、、、

あまり恐れず、でもしっかりと新しい生活様式を実践していきましょう、

企業もテレワークの延長、移動自粛の継続が肝要です、

◆北九州でも再び感染拡大

北九州市でも再感染拡大が起こっています、

クラスターもあり、感染経路不明者も多いようです、

『コロナウイルスの事26』で、これを“第2波”と呼ぶのはふさわしくないと書きましたが、実際、拡大している地域では“第2波”と呼びたくなるのも無理はありません、

北九州市で確認されたこれまでの感染者総数は195人(6月2日現在)、

うち、再拡大時期(5月23日以降)で119人確認と、4月の総数を上回ってしまいました、

医療施設と小学校でのクラスター発生からの市中感染拡大、というシナリオのようです、

再度、手綱を引いて(一定の)経済活動を抑制するしかないでしょう、

東京都と同様“夜の接客”店は自粛した方が良いと思われます、

◆PCR検査範囲を拡大したから感染者が増えたのか?

さて、この北九州市の感染者増に関して気になる記事があります、

北九州市、無症状の濃厚接触者にもPCR検査 感染確認急増に影響か
(毎日新聞6月2日掲載記事)、

今までも何度も云われている、

“検査を増やしたら感染者が増えるぞ”という恐怖感を煽るように読めます、

知り合いからも、

『他の地域でも、無症状の濃厚接触者を検査したら、もっと感染者数が増えるのではないか?』

という意見がありました、

が、これは正確な記事ではないと考えています、

いや、記事内容は間違っていません(書き方が難しいなあ)、、、

あまり正確ではないというか、間違った印象を与えてしまうのは“記事のタイトル”です、

タイトル再掲、

北九州市、無症状の濃厚接触者にもPCR検査 感染確認急増に影響か

直感的には、

“検査数が少ないから見つかっていない感染者が市中に多くいる”

“他の地域でも、もっと検査したら感染者はもっと増える”

と云う印象を与える、というところが、このタイトルの残念ところです、

はい、残念です、毎日新聞さん、

◆単純に、検査数と感染者数に相関関係は無い

この直感的イメージは必ずしも間違ってはいませんが、すべてを網羅した正しいイメージでもありません、

少し立ち戻って根っこのところの確認しましょう、

もし、

検査数が少なくて感染者を捕まえきれなかったら、、、

感染者数は最終的には増えるはずです、

検査から漏れた感染者はいろんな人と接触する機会が長引く(増える)わけですから、

今発症していなくても、時間の経過と共に必ずその何倍かの人数になって顕在化(感染拡大)するはずです、

検査数が少なくても、最終的には医療機関に患者が来るはずです、

ですから、

『検査数が少ないから感染者数が少ない』という比例相関関係は成立しないと思います、

逆に『検査数を増やしたから感染者数も増える』というのもおかしな話です、

たしかに、検査数を増やせば感染者は一定数増えますが、

その発見比率(陽性率)は(検査数を増やすと)どんどん低減していきます、

発見比率(陽性率)も上がっているなら、それは実際に感染拡大が起こっている状態を指し示す訳ですから、

陽性率が観るべき因数であり、検査数は感染者数とは(ある意味)関係ないのです、

ここのところは何度書いても上手く説明できません、、、もどかしい、、、

◆今回の北九州市の場合は

毎日新聞の記事のタイトルを極シンプルに理解するとしたら、

今、北九州では、

今まで無症状の濃厚接触者を検査していなかった ⇒

だから感染者も少なかった ⇒

今回は無症状の濃厚接触者を検査した ⇒

だから感染者がたくさん見つかった ⇒

ということになりそうな気がします、

これは、、、部分的には(短期的には)正しい理解ではあります、その通りの事象です、

しかし、コロナウイルスの感染メカニズムとPCR検査数という関係の中で観ると、必要十分な説明(理解)であるとは云い難いと考えます、

独酌酔言的には、、、

今まで見逃している感染者もいたかもしれないけれども、

最終的には感染者数は押さえ込んでいたのだから、

ある程度の妥当性(効果性)のある検査数だった、と云えると考えています、

また、他のエリアで、

『無症状の濃厚接触者を検査したら、感染者数がもっと増えるに違いない(だから怖い)』

と云うのは、確度が低い推測と云わざるを得ません、

◆ワタシも間違った認識をしている部分がありました

4月6日(だっけ?)安倍さんがPCR検査1日2万件体制をぶち上げたにもかかわらず、GW明けまで検査数は一向に延びませんでした、

そしてGW終盤頃からPCR検査数は徐々に伸び始めました、

この時期にやっと、やっといろんな目詰まりが少しづつ解消されてきたのです、

この時に“無症状の濃厚接触者も積極的にPCR検査を行う”という発言があったように記憶しています、

だれの、どこでの発言だったか?菅さんの記者会見だったか?

今、確認出来ませんがこんな記事があります、

接触者は無症状でもPCR検査 京都市が独自の新基準、コロナ感染拡大防止で
(2020年5月8日京都新聞)



この頃からPCR検査対象が拡大、

てっきり多くの自治体で濃厚接触者のPCR検査が広まっていった、と誤解していました、

クラスター周辺では行われたでしょうが、個人発症者レベルの周辺では行われていなかったようです、

少なくとも北九州市では最近まで(クラスターではない)無症状の濃厚接触者のPCR検査は行われていなかったようです、

これは、ワタシの誤解でした、スイマセン、

したがって、北九州市の今の事象、毎日新聞の記事は短期的には正しいです、はい、

◆他の地域でも濃厚感染者の検査数を増やせば、どうなる?

では、今後、無症状濃厚接触者にもPCR検査を実施すると、

今回の北九州市のように、感染者数が劇的に増えるのか?というと、やはりそんなことは無い、

もちろん、感染者の早期発見のためなるべく多くのPCR検査を実施すべきと考えています、

1人でも多くの感染者を見つけるためです、

でも、かといって、

無症状の感染者が街中に溢れている、

が、検査していないので見つかっていないだけ、ということはやはりないのです、

◆北九州市のPCR検査数

ちなみに、北九州市と全国の2月以降これまでのPCR検査数と感染者数、陽性率は以下です(6月2日現在)、

     検査数  陽性者数  陽性率
北九州市 4217  195  4.6% (2月~現在総計)
北九州市 1098  119人 10.8% (5月23日以降)
全国   296383 16930 5.7%

2月から通して観れば、北九州市の方がやや少ないですが、全国の陽性率とほぼ同じレベルです、

人口比で見ても北九州市96万人:日本1億2650万人、0.75%、

PCR検査数、北九州市4217、全国296383、1.7%、

と人口当たり検査数は全国平均の2倍以上行われています、
(現在の感染拡大の影響もありますが、それ以前でも検査数が少なかった、ということはありません)

つまり、北九州市では、これまでも適正な(数の)PCR検査が行われてきた、ということです、

が、5月23日以降だけで観ると陽性率10.8%とたしかに高い数字になっています、

『流行している』指標の陽性率12~13%に近い数字です、

(今後の陽性率の経緯を観ていかないといけませんが)
今後、北九州での感染者数が減少に転ずれば、

やはりこの時期に、『いくつかのクラスターが発生した結果、感染が広がった』という分析で良いと思います、

結果的に(無症状濃厚接触者の)検査で感染者が見つかった、という事象です、

◆今は第1波の余波、だから本波を超えることは無い

最初の方で書いたように、現在の事象は『第1波の余波』なので、4月の流行を超えることは無いと思います、

従来の“クラスター潰しの徹底”、“新生活様式の徹底”で乗り越えられると思います、

独酌酔言的希望的観測、6月末までに全国での新規感染数を一ケタにする、

これを目指して、冷静に進むしかないと思います、

しかし、コロナはある意味正直だなあ、と実感、

自粛規制を緩和したり、学校を再開したり、練習試合を始めたら、また感染者が出る、

これが真実であり、ウイルスの摂理であります、

小賢しい人間の知恵など高が知れています、