なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事31~ソフトバンクの抗体検査陽性率0.23%、予想外に低い!
、
コロナ陽性率0.43% ソフトバンクが4万人に抗体検査を実施
ソフトバンクの孫さんが大規模(サンプル4.4万人)な抗体検査を実施、6月9日にその結果が発表されました、
その陽性率は全体で0.43%、医療関係者を除くと0.23%、
医療従事者の陽性率は1.79%と一般社員等の8倍ほどの数値、
これは感染者と接する機会が多いと感染もしやすいことを実証していますね、
、
以下は、医療従事者を除いた数字=0.23%で話しを進めます、
、
抗体検査陽性率0.23%ということは、
0.23%の人が新型コロナウイルス(COVID-19)の抗体を持っている≒日本人の0.23%の人がこれまでにCOVID-19に感染していた、ということです、
、
検査数が多いし、サンプリングも偏ってないような印象なので、これは相当、真の値に近いのではないかと感じています、
単純計算で日本人1.265億人×0.0023≒29万人ほどが抗体を持っている、という可能性が高いということです、
、
現在、厚労省の日報で報告されている現実の感染者数は1万7429人(6月14日現在)、
実際にはその17倍ほどの感染者がいたということになります、
、
3月頃に巷でよく云われていた、
『ホントはもっと感染者がうじゃうじゃいる』、
『検査数が少ないから感染者数が少ない』、
というのは、ある意味正しかった、感染者はうじゃうじゃいたし、
(ワタシはこういう疑心暗鬼論には賛成していませんが)、
(3月頃に)検査数を増やせば、確かにもっと感染者が増えたと思います、
、
でも、、、
その結果が現在の状態なのです、
現在までの感染者数と死亡者数が日本の感染被害の概要です、
なので、無症状や軽症の地下感染者が何万人いようと、大勢に影響はありません、
、
というか、実は地下感染者は多い方が良いとワタシは思っています(後述)、
真の値がどうであれ、最終的に重要なのは顕在化した重症者数と死者数です、
、
◆想定よりも低い死亡率
この数字から読み取ることが出来るのは、
仮に29万人が真の感染者数とすると、国内の死者925人(6月14日現在厚労省日報から)、
死亡率は、925人÷29万人=0.3%となります、
COVID-19の致死率は0.3%、
今まで云われていた死亡率1%とかの1/3くらいになる、
これは良いニュースなのかな?どうだろう、
今のところ、どう判断すべきか?まだよく分かりません、
、
しかし、インフルエンザの死亡率0.001%(10万人に1人)に比べるととても高い、
致死率0.3%とは、インフルエンザの300倍の致死率です、
やはり怖いCOVID-19、用心は続けないといけません、
、
日本で確認された発症者(1万7429人)に対する死亡率は5.3%(925人/1万7429人)、
残念ながらこれはちょっと高い、(検査数が少なかったため)捕まえきれていない無症状・軽症感染者が多いから、
それと、4月頃までの医療現場が有機的に連携機能していなかったからではないかと考えています、
※これは政府の対応が適切でなかったからです、医療現場の責任ではありません、
(コロナウイルスの事24:2020.05.19.で書きました)
、
◆集団免疫の考え方に数字を入れてみると
1.265億人×0.7(70%で集団免疫獲得)=8900万人×0.003(抗体検査からの死亡率) ≒27万人、
なにもしないで集団免疫を待つとすると、27万人の死者が出るという計算になります、
当初の恐怖的な数字(88万人が死亡)よりも相当少なくなりました、
(コロナウイルスの事②:2020.03.20.で書きました)
、
ちなみに2018年の日本国内のすべての死亡者は136万人、
集団免疫までには、さらに20%ほど増える、ということになります、
死者27万人、やはり容認できない数字だと思います、
、
◆抗体検査0.23%の独酌酔言的な観方
ソフトバンクの抗体検査の陽性率は0.23%(医療関係者を除く)、
PCR検査の数字と比べてみると、
、
現在の日本国内でのPCR検査のトータル陽性率は5.1%(6月14日現在)、
直近の1週間のPCR検査陽性率は1.2%くらいです、
、
流行当初(2月~5月GW明けまで)の検査数が少なかった、感染の疑いの強い人だけを検査していたので、未だにトータル陽性率が高いですが、
直近の1か月間の国内のPCR検査陽性率の推移はこんな感じ、
各々の日までの1週間のPCR検査陽性率( 厚労省日報から)
~5月3日 4.8%
~5月10日 2.9%
~5月17日 1.9%
~5月24日 1.0%
~5月31日 1.7%
~6月7日 1.2%
~6月14日 1.2%
5月3日までの1週間は検査数が少なく、陽性率も高いですね、
検査数がある程度安定した5月4日~6月14日の6週間平均でみると、陽性率は1.7%です、
(2590人/155507検査)
、
現状では濃厚接触者を中心とはいえ、それなりに積極的に検査を行っているようなので、これもほぼ真の値に近いかな、という感じです、
PCR検査(現在、感染している人)=1.7%
抗体検査(これまでに感染したことがある人)=0.43%
あれ?普通に考えれば、抗体検査の陽性率の方が高くなるはず(これまでの感染履歴だから)ですが、抗体検査の陽性率の方が低い、
これって変なのか?、、、
、
いやいや、
だからこそ真の値を示しているような気がします、
、
◆抗体検査陽性率0.23%は真の値に近い
PCR検査は感染者、濃厚接触者、なんらかの発症がある人に対して行っているので、統計学的には相当恣意的なサンプル構成になっているはずです、
それで最近5週間の陽性率は1.7%、
、
感染可能性が高いサンプルを選んで検査している、
ということは、、、きっと、真の値(真の感染率)はもっと低いはずです、
濃い場所を選んで検査しているから、実際にはもっと薄いはず、という考え方です、
、
かたや、ソフトバンクのサンプル数は4.4万、これは統計学的に見て全く問題のない標本数です、
サンプル抽出の中身は分かりませんが、ソフトバンク関係会社の社員ということなので、相当標準化されているような気がします、つまり質的にも信頼できる調査であると考えてみます、
なのに、PCR検査の陽性率よりも低い、
、
過去の感染履歴も分かる抗体検査(今まで感染した人のトータル)なのに、PCR検査(今、この瞬間に感染している人の率)よりも低い陽性率が出る、
これは、、、どう考えれば良いのか?
、
少々ややこしいですが、
“PCR検査の陽性率は真の値よりも高めに出ている(感染濃厚なサンプルで検査しているから)”と考えると、一応筋は通ります、
本来は感染真っ最中の人より、すでに抗体を持っている人の方が多いはずなのに、
PCR検査の陽性率よりも、ソフトバンクの抗体検査陽性率の方が低い、
であるからこそ、ソフトバンクの抗体検査陽性率0.23%に真実味があると感じている訳です、
(ここ、ちと分かりにくいですが、よく考えてみてください)
、
でも、、、
抗体検査の陽性率は“低かったからヨカッタ”と云う訳ではないのです、
、
◆予想よりも低い抗体検査の陽性率
実は、ワタシは抗体検査の陽性率はもっと高いのではないかと考えていました、
もしくは、『もっと高かったら良いなあ』と考えていました、
、
理由の1つは、これまでの検査結果がもっと高かったからです、
(図再掲)
NYの12%はちょっと異常値だとしても、
他の数字を観て、たぶん1%以上、下手をすると(いや、上手くすると)4~5%あるのではないかと考えていました、
つまり、無症状・軽症感染者がもっとたくさんいるのではないかと考えていました、
、
これは、前述の『街中に感染者がうじゃうじゃいる』『検査数が少ないから感染者数も少ない』という疑心暗鬼論、悲観論ではなく、
『知らない間に抗体を持っている人が結構多いのではないか』という楽観論です、
どちらの論をとっても、現実の感染者と死者は変わらないのですから、楽観視したかった、
なぜなら、、、
、
抗体検査の陽性率が高いと、流行拡大の終息も(わずかですが)近くなるわけです、
仮に抗体検査の陽性率が50%だとしたら(極端な例です)、
それこそ“集団免疫”が目の前に迫ってきている!と自信を持って云えます、
、
つまり、知らぬ間の抗体保持率(抗体検査陽性率)は高い方が良いのです、
しかし、今回の抗体検査陽性率(抗体保持率)は0.23%と予想外に低くかった、
これをどう観るか?
、
端的に云うと、、、
まだまだ流行は続く、と云わざるを得ません、
まだ99%の人が抗体を持っていない訳ですから、これからも流行が起こる可能性が高いと云わざるを得ません、
、
世界的な流行拡大の第2波が秋以降に来るのではないかと予測されています、
その時に抗体を持っている人が多ければ多いほど、流行のピークは低くなるはずです、
でも、まだ99%の人は抗体を持っていない、、、
やはり、まだまだ楽観視はできません、
、
抗体検査陽性率が低いから、これからも流行る可能性が高い、
なんとも皮肉な状況、難解な自己矛盾を抱えた気分です、
、
◆さて、第1波はいつ終わる
東京の感染者がやや増加傾向に転じているように観えます(6月14日現在)、
第1波の終息はいつになるのか?
これをどう観るのか?
、
自粛解除、規制解除は早すぎたのではないか?
という議論には、あまり賛同しません、
逆に云うと、この現象(感染者の微増、流行の長期化)もそう悪い事ではないのです、
これは次回のお話にします、
、
、