テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事32~小康状態の第1波の感染状況、予想外に低い抗体保持率。

2020年06月24日 | コロナウイルス2020

なるべくわかりやすく!コロナウイルスの事32~小康状態の第1波の感染状況、予想外に低い抗体保持率。

感染拡大防止と経済活動の維持、

二律相反するこの2つの(生活に不可欠な)事象の微妙なバランスを取っていくしかないようです、

◆経済再興への舵は切らざるを得ない

緊急事態宣言解除、東京アラートも解除、各業種へのさまざまな規制も条件(3密回避)付きですべて解除された状態です、

でも、全国レベルでの感染者数はなかなかゼロにはならない、

ピークだった4月19日までの1週間から漸減し始めましたが、5月24日以降は緩やかな高原状で推移しています、

独酌酔言的に規定した(コロナウイルスの事28:4月28日)第1波の終息(緊急事態宣言の解除)の要件は、

“全国の新規感染者数が一ケタになる”日を目指していました、

しかし、この調子ではそれは難しくなってきましたね、

各日までの1週間の全国の新規感染者数(厚労省日報より集計)

4月19日 3613人
4月26日 2821人
5月 3日  1657人
5月 10日  908人
5月17日   538人
5月24日   265人
5月31日     301人
6月  7日     294人
6月14日  291人

東京都の感染者数も夜のお店を中心に感染が止まらない、
(傾向は全国と同じなので数字は割愛)

これは、ワタシの予想よりも早く経済再興に動き始めた結果です、

おそらくはもうしばらくはこのような状況=少しづつ感染者は発生する状況を甘受しなければならないのでしょう、

もし、経済再興を無視していいなら、もっと早く“第1波を終息させることはできる”と思います、

が、そういう訳にはいかない、

やってみて初めてわかったいろんな規制・自粛・新生活様式が経済に与えるダメージの大きさ、

“ウイズ・コロナ”という言葉は云い得て妙です、

ワクチンが出来るまで、接種が終わるまで、ある程度の被害を前提にCOVID-19と付き合っていかなければならないのが現実ですね、

◆少しづつ感染者が発生する、これはけっして悪い状況ではない

もちろん感染者がゼロになるのが望ましいのですが、経済再興を無視できない以上、ある程度の感染者発生は甘受する、

これが今の戦略、という風に考えましょう、

ワクチン完成~接種までのロードマップの1つの過程であることは間違いない、

そして、これはそう悪い状況ではない、と考えています、

理由は・・・

①少しづつでも抗体保持率が上って行く=集団免疫に近づく、、、かも、

②現状、医療施設の受け入れ能力内である

とくに2番目が重要です、

とにかく避けなければならないのは、医療現場が崩壊するような大規模な感染爆発(パンデミック)です、

これが起こると助けられない命がたくさん出てします、これを避けるのが長期的視点での最重要視ポイントで良いと考えます、

今の状況なら、感染者をしっかり治療できる体制がある、これが肝要です、

時間を稼ぎながら、ワクチンの完成~接種を待つ、こういう時期です、

◆少しづつ抗体保持率を上げていくことは可能か?

しかし、一つ目に挙げた“抗体保持率が上って行く”=“集団免疫に近づく”は、そう上手くは行かないようです、

6月9日に発表されたソフトバンクグループの抗体検査結果は一般人で0.23%
(コロナウイルスの事31参照)


これは、予想外に低い数字でした、

ワタシ個人的には4~5%有ってもおかしくないと思っていたのです、

意外に感染拡大は拡がっていない、、、

(余談)
他に先駆けて大規模な抗体検査を実施、信頼性のある数値を最初にはじき出した孫さん、流石やと思います、

さらに厚労省実施の抗体検査が発表されました(6月16日)、

陽性率(抗体保持率)は東京で0.10%、大阪0.17%、宮城0.03%

やはり低い数値が示され、ソフトバンクグループの数値とも合わせると、ほぼこのレベルのどこかに真の値があると考える妥当性が生まれたと云って良いと思います、

つまり、2020年5月末頃の日本人のCOVID-19の抗体保持率は少なくとも1%未満

おそらくはもっと少なくて0.5%~0.1%程度の間に真の値があると想定できます、

これは“99%以上の人はまだ抗体を持っていない”という意味です、

となると、、、

COVID-19の流行はまだまだ続く、巷で噂の第2波も間違いなく来る

というのはそんなに被害妄想的な考えではない、ということが云えると思います、

99%の人が今後感染する可能性が残っている、ということですから、

◆ほど遠い集団免疫、ストックホルムの抗体保持率

人口の70%~80%程度が感染すると流行が収まるという“集団免疫”、

この“集団免疫”を目指した国があります、北欧のスウェーデンです

スウェーデンは他国と一線を画した政策でコロナウイルスと対峙しました、

集団免疫を意識した政策、

在宅勤務推奨や高齢者との面会禁止などの規制はあるものの、基本的に市民は普通の生活を享受しました、

この政策のおかげで、当初、経済的なダメージはたしかに少なかったのですが、、、

コロナウイルスによる死者は5月以降急増(100万人当たり500人超) 、

これは他の北欧3国の5倍以上の死亡者数(率)です、

とくに高齢者の死者が多く発生しています、

これは医療現場の崩壊を避けるため、高齢者の医療機関への搬送を制限したためとも云われています、
(これが一番避けたい状況なのに、、、)

命の選別とも、、、

で、抗体保持率はどれくらいまで上がったのか?

首都ストックホルムの抗体保持率は、なんと、、、僅か7.3%

検査希望者に行った民間の検査結果でも約14%、

集団免疫の70%には程遠い数値であることが判明しています、
(6月21日東京新聞)

これは2つの事を示唆しています、

・無策で集団免疫を獲得するには犠牲が多すぎる
 日本の場合、控えめに計算して27万人程の死者が想定されます、
 (コロナウイルスの事31参照)

COVID-19の流行は、まだ序章に過ぎない
 これからも再流行、第2波、第3波と続く可能性が高いのではないかと感じます、

ここまで書くと、、、

やはりワクチン完成~接種というシークエンスまで至らないと、

“ウイズ・コロナ”の時代は終わらないと確信します、

◆では、ワクチンが完成すればすべてが終わるのか?

では、ワクチンが完成すればすべては終わるのか?

そう簡単ではないようです、

まずは接種に関わる問題、

ワクチン開発には多額のマネーが投資されています、完成の暁には企業間のビッグビジネスとなります、

国家間の開発競争は、アフター・コロナ時代を見据えた主導権争いでもあります、

世界中に素早く平等にワクチンが行き渡るよう各国の協力を求めたり、特許権の特例扱い(特許権の免除など)の提案もなされていますが、

そう簡単には収まらないような気がします、

COVID-19の抗体期限が短い!?

そして、中国からはこんな報告が、、、これは、、、怖いかも、、、

『抗体が消滅 中国で検査』

なんと、、、

一旦感染した患者を2カ月後に検査した結果

90%以上の患者の抗体が“減少し始めて来ていた”という報告です、、、あちゃ、、、

(要約)
・無症状の人で93.3%、症状があった人で96.8%で、抗体の減少を確認

・抗体が減少した割合は、半数の人で70%以上の抗体が消滅

・ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の量は無症状の人の81.1%、症状があった人では62.2%で減少

・無症状の人のほうが免疫の反応が弱い

これは怖い報告です、

ワクチンはカラダに疑似ウイルスを入れて(方法論はいろいろあるけど)、

軽い感染状況をお越し、免疫反応で抗体を作る、

この抗体が、再度ウイルスが侵入してきたときにウイルスと闘ってくれるので感染を防げる、というものです、

その抗体が2カ月で減少、、、

ちなみにインフルエンザワクチンの抗体は1年しか持たないそうです、

だから、毎年予防接種(ワクチン接種)を受ける人がいる訳ですね、

もし、COVID-19の抗体期限が物凄く短かったら、、、

一度感染しても、また再感染する可能性がある、ということになります、
(事実、再感染者の例は多く報告されています)

となると、ヒトは毎年COVID-19の予防接種を受けなければならないかもしれません、

いや、インフルエンザ程の季節指数がないとすれば(年中流行るなら)、年に2回の予防接種が必要!?とか、、、

そこまでには至らないような気がしますが、、、

やはり、“ウイズ・コロナの時代”の出口が見えるのには、もうしばらく時間が掛かりそうです、

あまり恐れず、あまり侮らず、じっくりと向き合って生活する、

そんな生活があと1年か2年、

そういう意味ではライブもスポーツも、根本的に新しい様式で作り直す必要があるかもしれません、

今までの常識を一旦取っ払って考える必要があるでしょう、

3密回避だけではなく、選手も観客もワクチン接種を前提としたライブとか大会とか、、、

2021年初頭にワクチン出来ていれば、東京オリンピックもそういう可能性があります、