現在の日本で最も多い害獣は「鹿」かな?
というのが、今日の記事の出発点です、
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鹿、カワイイ~~、
というステレオタイプな感情、本能的な愛情が、
この100年ほどでヒトに刷り込まれたようです、
ディズニーのバンビ、奈良公園の鹿、
日本人はとくに鹿が好きなような気がしますが、
(ワタシも好きな方です)
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でも、現在の日本で最も多い害獣がシカです、
(次いでイノシシ、グンと減って3位がカラス)
(農林水産省のHPから転載)
シカはとにかく食欲旺盛で、草という草を食べまくります、
もちろん、畑の作物も、果樹林の葉っぱもお構いなしに食べてしまいます、
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日本百名山の滋賀県伊吹山で崩落が相次ぎ、
2024年には土石流災害も発生、登山規制がかかったのも、
シカが斜面の草木を食べつくしたことが原因と推察されています、
シカが滋賀の山をも崩す時代になったわけです、
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でも、シカの捕食者がいた時は、
シカもそれほどの害獣ではなかったのかもしれません、
シカの捕食者(天敵)は「二ホンオオカミ」でした、
(写真はニホンオオカミではありません、大陸のオオカミ)
「二ホンオオカミ」は1905年に奈良県吉野村で最後の1頭が捕獲され、
絶滅したとされています、
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「二ホンオオカミ」絶滅の主因はヒトです、
人口増加による生息域の減少と、
「二ホンオオカミ」もまた害獣だったため、
ヒトが徹底的な駆除を行った結果、絶滅しました、
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そして、シカの天下が来たわけです、
それから120年、今やシカによる被害は年間50億円以上、
被害面積に至っては、全体の73%がシカによる被害となっているようです、
捕食者がいなくなると生態系はくずれ、不都合なことがたくさん起きる、
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『カワイイ鹿を食べるなんて、、、』
『可哀そうで食べられない』
という声も聞きますが、シカによる食害を少しでも減らすために、
狩猟者の増加、
狩猟~鹿肉の活用=ジビエ料理への提供、などという動きもあります、
これはひとつの方向性を示しています、
『ヒトが捕食者になる』ということです、
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が、これまたヒトのやる事、高がしれています、
おそらく自然の摂理には勝てそうにないと思います、
(ヒトの知恵は賢そうに見えて、生態系全体から見れば微力であることを知る)
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話は変わりますが、
「ウミショウブ」という植物に危機が訪れている、という番組を観ました、
(2025年5月18日NHK総合「ダーウィンが来た!」)
水面に綺麗な花を浮かべる「ウミショウブ」が激減している原因の1つが、
捕食者「ウミガメ」の増加だそうです、
この写真、
フェンスの外の「ウミショウブ」が「アオウミガメ」に食べつくされています、
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「ウミガメ」類もまた個体数が減少、
(ヒトによる乱獲・繁殖地の開発などが原因)
2006年頃から保護の方針が打ち出されました、
繁殖地も整備され、毎度ニュースで孵化した子亀が海に戻る様子が放映されます、
ここでも『海亀はカワイイ!』という、
ヒトの独善的な感情がより保護政策を強力に進めたと思われます、
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が、その結果、
「ウミガメ」の個体数は増加しました、
捕食者の「サメ」をヒトが捕獲駆除したのも一因で、
さらに、以前は「ウミガメ」を食べる習慣があったヒトが、
保護対象の「ウミガメ」を食べなくなった、という影響もあるそうです、
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で、今度は「ウミガメ」が「ウミショウブ」を食い荒らす害獣となってしまった、
という事態になっています、
「ウミショウブ」は魚類の産卵場所としての『命のゆりかご』的な役目を果たしています、
その産卵場所が無くなることで、
今度は魚類の生態系にも影響が出るかもしれません、
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とまあ、果てしなき連鎖が起こるのが自然界の生態系なのです、
ひょっとすると“神の手”によって創り上げられたこの地球の生態系が、
ヒトが浅知恵を持ったがために、どんどん崩れていく事になるかもしれないのです、
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ヒトは良心を以ってその生態系を守ろうとしているのですが、
それがまた、新たな生態系の乱れを生み出すという、
なんとも複雑怪奇な事態に陥っているようです、
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自然界は、足し算や引き算、掛け算割り算、微分積分では解明できない、
摩訶不思議な起源と摂理と、
ヒトから見たらとっても残酷な生存競争で出来上がっています、
ヒトの思い付きや浅知恵でそれをコントロールしようなど言うのは、土台無理がある、
トランプが足し算と引き算と掛け算(関税)だけで、
世界をコントロールしようとしても出来ないのと同じです、
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自然の摂理を、生態系を壊さずに『ヒトとしての幸せ』をまだ追求できるのか?
追求すべきなのか?
開催中の大阪・関西万博のテーマは・・・
『いのち輝く未来社会のデザイン』、
綺麗な言葉ですが、はたして、ヒトは自然界でどんなデザインが出来るのか?
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ちょっと視点を変えて観ると、
地球誕生からの長い歴史スパンで考えると、“絶滅しない種はない”、と言えそうです、
ヒトも例外ではない、いつかは絶滅する、かな、
それとも、ヒトは自然をもコントロールし、
神の領域に達することができるのか?
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アカンアカン、これは宇宙・宗教・哲学の問題になってしまいます、
とりあえず、カワイイ「シカ」を食べるのか?
カワイイ「ウミガメ」も食べるのか?食べないのか?
その辺りから考えてみては如何でしょうか?
この一歩を考えるだけでも、結構ストレスがかかります、
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