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羽花山人日記

徒然なるままに

草間彌生

2022-06-14 19:57:04 | 日記

草 間 彌 生

所用で松本に一泊二日で行ってきた。

列車を待つ時間が余ったので、久しぶりに松本市美術館を訪ねた。

この美術館の売り物は、何と言っても草間彌生さんの作品群である。正面の壁は彼女を象徴する水玉で埋め尽くされ、前庭には巨大なオブジェが置かれている。

館内の三階は、大部分草間さんの作品で占められている。「魂の灯」をはじめとするいくつかの部屋で水玉や電飾から,合わせ鏡を巧みに使って三次元的な永遠の空間を出現させている。自分の姿もその中に置かれ,無限のかなたまで続いているのを見ると、不思議な感覚に襲われる。松本市美術館ならではの経験である。

草間彌生さんは松本市のご出身。松本高等女学校でわたしの姉と同級だったので、93歳のはずだが、今なお製作に励まれているという。

草間さんは、在米時代の過激なパフォーマンスからスキャンダラスな噂を流されて、故郷から爪はじきされたこともあった。しかし,前衛モダンアートの旗手として国際的に評価が定まり、数々の賞を獲得するに及んで、松本市は改めて故郷の誇りとして草間さんとその作品を迎え入れ,美術館は多くの観光客を呼んでいる。

なんとなく,石川啄木の「石をもて おはるるごとく ふるさとを 出しかなしみ 消ゆる時なし」を,連想してしまう。

わたしは、彼女の作品が好きであり、そのテーマとする「永遠、命、平和」に共感する。

館内で唯一写真撮影が許されている「大いなる巨大な南瓜」(草間彌生2017年)

 

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師匠のコンサート

2022-06-14 16:41:44 | 日記

師匠のコンサート

(この記事は手違いで2日遅れて投稿,6月11日に行われたコンサートについてのものである。)

(会場にて撮影)

このところコカリナのコンサートが続いている。

昨日は,柏市で行われた,わが師,小杉佐知子先生の『コカリナでつづる愛を歌う心の調べ』と題するコンサートに行ってきた。

小杉先生は音大のピアノ科を卒業して活躍していたが,偶然聴いたコカリナの音色に魅せられて,黒坂黒太郎氏に師事し,現在は日本コカリナ協会重鎮の公認講師として,コカリナの普及,指導にと大活躍をされている。

わたしは,75歳くらいでコカリナを吹き始めた時,友人から,本格的にコカリナをやるのならしっかりした講師の指導を受けるべきだ,と忠告を受け,小杉先生の門をたたいた。

大変気さくな先生だが,演奏に関しては厳しく,音痴の白髪ジジイでも容赦してくれない。クラシックとポップスのそれぞれ一曲を課題としているが,クラシックに関しては,お許しが出るまでに時には半年を要する。

今は月一回のお稽古で柏のお宅に伺っている。師弟ともに話好きで,談笑1時間,お稽古30分というペースである。それでもこれまでに50曲以上はあげている。

コンサートは,600くらいの客席がほぼ満席,ピアノ,チェロ,朗読をまじえたパフォーマンスに,感動の拍手がなかなか鳴りやまなかった。

第一部は,日本の自然と四季の移り変わりをテーマにし,「荒城の月」,「さくらさくら」など,馴染んでいる曲が演奏された。奇をてらわず,真正面から楽の心を伝えようとする,小杉先生のお人柄がにじみ出ていた。

第二部は,鎌田實作『アハメド君のいのちのリレー』の朗読を縦糸にして,コカリナ,ピアノ,チェロが節々の雰囲気を盛り上げる構想だった。この物語は,イスラエル兵の誤射によて植物人間となった,パレスティナの少年の臓器が,両親の許諾を受けてイスラエルの子供に移植され,憎しみを越えて命がつながれていくという,現実にあったことを,医師としてパレスティナにおもむいたことのある鎌田實氏が記述したものである。

現在の時局において,これはやはり避けて通れない大変重い問題である。それをあえて提起した小杉先生に敬意を表したい。

心が洗われた半日であった。小杉先生,ありがとうございました。

 

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