Here we are.
エリザベス女王の葬儀が行われたウェストミンスター寺院には,チャールズ・ダーウィンが埋葬されている。
ウェストミンスター寺院。2014年撮影。
旧約聖書の天地創造を否定する進化論を唱えたダーウィンは,世が世なら異端審問にかけられたかもしれないが,卓越した人物として1882年に国葬によって葬られている。
わたしは2014年に,ダーウィンの墓参りのためにこの寺院を訪れている。床の一画にチャールズ・ダーウィンの名前を見出し,しばし黙とうの後ふとそばの壁を見ると,アルフレッド・ウォレスのレリーフが飾られていた。
ダーウィンの共著者として,進化論をこの世に問うたこの在野の博物学者は,提唱者としての位置をダーウィンに譲り,もっぱらダーウィニズムの普及者としての役に徹した。
このレリーフにはイギリスの熱力学者ジェームズ・ジュールの讃が書かれていて,後に調べたところでは,イギリスの科学者たちの運動によって設置されたという。
ダーウィンの名に隠れがちなウォレスの栄誉を讃えるこのレリーフに,わたしは心休まるものを感じた。
ダーウィンの墓の近くに,アイザック-ニュートンの墓があった。
こちらの方は大変目立っていて,キューピットをあしらったニュートンの坐像が、墓の前に設置されていた。
絵葉書の図柄をスキャン。
ニュートンの墓には,教育パパが息子を連れてと言った雰囲気の参拝者がちらほらと目についた。
その中の一人の子供が,珍しそうにわたしを見上げ,目が合った。恐らくその子には異形の東洋人が興味を引いたのであろう。
ちょうど目の前に,支点を挟んで太陽と太陽系の惑星でバランスをとった竿秤の模型があったので、支点から3番目の球体を指して、Here we areと言ったところ、親子は顔を見合わせて、わたしに微笑みかけた。
われら地球市民。
STOP WAR!