随分前に、ある遊びをJrに教えた。
この遊びの名前をチャックは知らない。
二人以上で、掛け声とともに、両手の親指を立てるか立てないかして、親指の本数(二人なら0~4になる)を当て、自分が当てたら、手を下ろし、いかに早く手を下ろせるかを競うゲームだ。
チャックは、大学生の時に、この遊びを部活の友人から教わった。
で、教えた当初は当然のことながら、チャックが勝っていた。
Jrはじゃんけんも最初に何を出すか決まっていたし、親指の上げ下げもパターン化していたから、気を使って、わかっていても手を抜いていたくらいだ。
ところが、Jrと一緒になぜなぜ分析をしつつ、どうして勝てないかを説明したら、
途端に強くなり、じゃんけんは五分になり、指の立て方も毎回違うようになると、勝てなくなってきた。
チャック家では、湯船の蛇口から遠い方をチャンピオン席と呼んでおり、この遊びが勝った方がその席に座って浸かることができる。
蛇口に近い方は熱いのだ、お湯が。
ところが、以前はチャックの指定席だったのに、今週に入り、末席に甘んじている。勝てないのだ5才児に。
子供は柔軟だ。置かれた環境、状況にすぐ適応する。
このままでは、父権が危うい...。