11月の木曜日。
大学生の頃は、所属していた弓道部の男子練の日だった。
17時頃に近くの学食で夕食を済ませ、寒さに震えつつ、胴着に着替えて練習に勤しんだ。
11月は、上級生が引退し、春の大会に向けて、レギュラーになるための大事な時期だ。ここで努力するか否かで大きく変わる。
寒いとどうしても引きが小さくなるし、当たる上級生が引退するので、的中は全般的に低くなる。練習が終わったら、自主練習せずに帰って風呂に入ったり、こたつに入ったりしたくなるものだ。
でも、そこで努力を怠ると絶対に当たるようになれない。
上手くなるために、一心不乱に励んでいた当時が懐かしい。
あの当時はつらくてたまらなかったのに、振り返ると、とても充実していて、もう一度あの頃に戻ってもよいとさえ思う。
今も道場には、弓を引いている後輩がいるのだろうか。