はかせ社労士 ぼちぼちお仕事中!

社会保険や働き方にまつわる「よもやま話」をご紹介します。
(扱う法律の内容は概要です)

落とし穴(石綿健康被害救済法/一般供出金)

2009-12-12 | よもやまばなし働き方
 今年は日本海側で年し。
その日本海をえると中国、ずいぶんご無沙汰してます。

 10年近く前のスズキは、中国の東北部「瀋陽」という街の外れで
農家の暮らしぶりを聞き取る調査(おしゃべり?)をしてました(→4ページ目)。

 日本よりも冬の訪れは早く、とにかく寒かった!電気はありましたが、
暖(だん)は石炭ボイラー、台所ではコークスや練炭も。
隣り街(といっても広い中国、ケッコウ離れてましたが)
炭鉱街で、石炭は今も中国のエネルギーの中心です。

炭鉱ガス爆発42人死亡確認 中国、なお坑内に66人
(東京朝日2009年11月22日4面)

 その街で同じような調査をされていた方の話では、
記事のような事故がおこると、
速やかにご家族の「バスツアー」が開催されたとのこと。

 事故なのに慰安(いあん)旅行?
いえいえ、事故を悟られないよう、できるだけ現場から遠ざけるため。
でも道中でバレて大モメだったとか。

 記事の事故はさらに北部の黒竜江省ですが、
石窟で有名な“大同”やさらに内陸部など、中国全土に“落とし穴”があるのかも。

 日本の商業炭鉱は、今では北海道に職業訓練用のものがあるのみで、
労働災害の主役ではなくなりました。
ところが近年、40年以上前の“掘り出し”モノが
労働災害としてジワジワと広がり始めています。

石綿労災、認定者従事 977事業場、公表
(東京朝日(新潟)2009年12月4日38面)

 燃えない綿、石綿(アスベスト)はその加工のしやすさから、
建築材や緩衝材として日常生活で多く用いられてきました。
ボクぐらいのトシだと、理科の実験で使った金網に張られた不燃材が有名。

 ところが発がん性がわかり、現在では全面使用禁止に製造等禁止物質)。
しかしお仕事で“綿”ボコリを吸い続けたヒトの病気が、ジワリと増えてきているのです。

 すでにお勤め先がない場合もありますが、
労災保険とは別枠での救済が進んでいます
ご遺族の場合も特別遺族給付金)。
また職種に関係なく、現在の労災保険料には救済のための費用が
上乗せされています。(一般拠出金
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