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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



クラブワールドカップ3位決定戦
アハリ スポーティング クラブ 2対1 クラブ アメリカ
(2006/12/17 横浜国際総合競技場)

3位決定戦のためか、双方に無理無謀な守備がなく、技巧派同士の好ゲームとなった。個人個人がしっかりとボールをコントロールし、丁寧にパスをつなぐ。同じようなスタイルにも見えるが、アハリ(エジプト)の方がプレーが素直であるのに対して、アメリカ(メキシコ)の技には個人の癖と粘りがあった。似ているようで、微妙に違うところがおもしろい。

アハリの2得点は、22番の若きエース、アブトレイカによるものだった。1点目のフリーキックからのゴールは、初戦のオークランドシティ戦とほぼ同じような状況だった。そして、2点目は、終盤、アメリカに押されていた場面でのカウンターで、ポストの選手と見事なワン・ツー・リターンからゴールを決めた。確かな技術と冷静な判断力が、2つの素晴らしいゴールを生んだといえよう。

ぼくにとって、今年の大会での最大の発見というか、見ることができてよかったと思ったのが、このアブトレイカだった。昨年の大会では、チームの不振(最下位だった)のなかで、彼の存在にまったく気がつかなかった。その彼が、今シーズンのアフリカ・サッカー連盟(CAF)のMVP候補だということは、大会がはじまってから知った。候補のなかでは、彼だけがアフリカのクラブでプレーしているそうだ。

この大会での活躍によって、欧州のクラブに移籍することも十分に考えられる。アブトレイカが欧州で花開き、クラブワールドカップでの活躍をなつかしむのも、そう遠くないのではないか。


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クラブワールドカップ決勝
インテルナシオナル 1対0 FCバルセロナ
(2006/12/17 横浜国際総合競技場)

FIFA クラブワールドカップ決勝戦は、南米代表のインテルナシオナル(ブラジル)が、欧州代表FCバルセロナ(スペイン)に完勝した。得点こそ1対0ときわどい結果だが、インテルナシオナルにしてみれば、狙い通りの試合ができたのではないか。

インテルナシオナルは、2番セアラーがロナウジーニョを徹底的にマークしたうえで、回りが丁寧にカバーしていた。この試合、ロナウジーニョらしさが見えたのは、1、2度しかなかったのではないか。ロナウジーニョが封じられたことで、バルセロナの攻撃の歯車がかみ合わなくなったように見えた。

インテルナシオナルの攻撃はカウンター狙い。そのカウンターが迫力抜群だった。かける人数は少ないものの、ボールを奪った選手がぐんぐんとドリブルで加速、前進する。スピードの変化と方向の変化によって、バルセロナの守備陣が翻弄される場面が何度もあった。

そして、インテルナシオナルは、自分たちのゲームプランを崩すことなく貫き通した結果、後半35分に待望の先制点を奪い、これが決勝点となった。

ドイツ・ワールドカップでは、海外組みで挑み、準々決勝で敗退してしまったブラジルだった。しかし、クラブワールドカップでは、見事に国内組がその雪辱を果たし、ブラジル・サッカーの底力を世界にアピールした大会となった。

バルセロナにとっては、敗戦という結果だけではなく、美しいサッカーを披露することができなかったという点で、おおいに不満が残ったことだろう。

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